Journal of UOEH
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3 巻 , 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • Enrico C. VIGLIANI
    原稿種別: 特別寄稿
    1981 年 3 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    この論文の著者はPermanent Commission and International Association on Occupational HealthのPresident(国際労働衛生会議常任委員会会長)で, この産業医科大学雑誌に特別寄稿されたものである. 著者は, 現在の産業医学あるいは労働衛生の元祖とも言われるラマチー二を先輩に持つイタリアの老学者であるが, その学問的業績並びに労働衛生への貢献により, 国際的に高い名声を轟かせている. この論文はProfessor Viglianiの長い研究生活の中で, 鉛中毒との科学的な戦いを彷佛とさせるものがある. 今でこそ,ヘモグロビンの生合成が解明され, 鉛がどの段階での酵素に障害を与えるかは, よく知られており, ALADおよび赤血球のプロトポルフィリンは鉛によって最も早期に, 敏感に影響されることがわかっているが, Professor Viglianiは1930年代に既にこれらのことを予見していた. しかしながら, その業績はイタリア語で書かれた為に, 研究者の間によく知られていなかった. この論文は若き日のProfessor Viglianiの鉛との戦いを, 非常に簡潔に物語っているが, その紙背に, 産業医学の先駆者としての苦しい戦いを窺うことができる. Professor Viglianiが非常に御多忙にもかかわらず, このような論文を我が産業医科大学雑誌に特別寄稿されたことに, 一同に代わって深く感謝の意を表わしたい. そして, 産業医科大学の学生諸君がProfessor Viglianiを継承し, 更に, それ以上に発展されることを期待して止まない.
  • 福長 将仁, K.Lemone YIELDING
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 5-10
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    紫外線感受性酵母 (rad mutant) を用いて, エチジウムアジドの変異誘発能および生存率の変化を検討した. 生存率においては, 用いた全ての変異株で正常酵母より低く, 特にrad 1とrad 3が最も低く, またrad 6とrad 52は正常酵母に近い値を示した. 呼吸欠損変異の誘発においては, 生存率の場合と異なり, rad 1, rad 9および正常酵母では生存した全ての細胞が呼吸欠損変異を起こした. これに対し, rad 3, rad 6, rad 52では呼吸欠損変異の誘発に対して抵抗性を示した. しかしながらこれらの変異株も, 対数増殖期におけるエチジウムアジド処理により, 生存率が低下し, 呼吸欠損変異の誘発も正常酵母のそれと同様の値を示した.
  • 北條 暉幸
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 11-13
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    熊本市近郊2遺跡から得られた中世の中西部九州人(男性成人)が過長頭型であることが記載され, 同地方人の頭蓋骨形態の時代的変化が考察された. 現代中西部九州人の頭骨指数の平均値は中頭型であるが, 中世の中西部九州人の頭骨指数の平均値は68.1で過長頭型である. 中世鎌倉人に関して, 鈴木は頭骨指数の平均値は74.2で長頭型であることを示した. 中西部九州人の頭骨指数は中世から近世を経て現代にかけて増加している. この現象はヨーロッパ諸国においても認められているところの短頭化現象であって, その明確な原因をつきとめることは難しいが, 人類の自己家畜化現象にもとづく変化の1つであると考えることができよう.
  • 泉 太, 豊平 由美子, 和田 明彦, 柳原 延章, 樫本 威志
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    副腎髄質からのカテコールアミンの遊離はアセチルコリン受容体を介した細胞膜の脱分極に共役したものであり, カルシウムが共役因子として働いている. 従って共役因子としてのカルシウムの作用をcell free systemで再現することはカテコールアミンの遊離機構を解く上で最も重要な課題である. 通常, 細胞内のフリーカルシウム濃度は10-8-10-7Mに保たれており, 細胞膜を刺戟することにより10-6M程度に上昇するとされている. 今般, 我々はカテコールアミン遊離促進因子(副腎髄質細胞質蛋白の一分画)とフォスフォリパーゼA2の共存下で, 10-6Mオーダーのカルシウムが副腎髄質顆粒からのカテコールアミン遊離を起こすことを認めたのでここに報告する.
  • 鈴木 勝己, 高橋 定雄, 辻 隆道, 石井 邦彦
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    超高速度シネラジオグラフを用いて, チェンソー使用者の手関節を通して骨格系を振動がいかに伝達されるかを研究した。 若干の成果を得たので, ここに報告する.
    1) 骨に伝ったチェンソ一の振動の振巾は, 手関節を通じてはっきりと減衰した. 2) 手の骨は, チェンソーの前ハンドルよりも大きな振巾を示した. 3) 前腕遠位端では, 尺骨茎突起基部が最大の振巾を示した. 4) 骨の振動数は手の共振々動数の範囲内にある様だった. 屍体骨格でなく, 人体で実際の骨格系の振動伝播を研究することは, 方法論的に大変むずかしい. 複雑であり, 高価ではあるが, この超高速度シネラジオグラフ法は, 生体の骨振動伝播を研究するには, 有効な手段と思われる.
  • 仲山 親, 鴨井 逸馬
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシス26例に67Gaシンチグラフィを行い胸部以外の部位についても67Ga集積の有無を検討した. 頭頸部領域のうち眼部の陽性例は臨床的有所見例よりも少なかったが, 67Ga集積は左右対称的で涙腺に一致していると思われた. 唾液腺および. 鼻咽頭では, 臨床的有所見例は全例陽性であったが無所見例にも陽性例を認めた. 腹部および骨盤腔内では陽性例は少なく, これらの部位の病変についてはあまり有効な検出法とは思われなかった. 胸部では諸家の報告同様高い頻度で陽性例を認めた.
  • 吉岡 真
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    中枢の音高処理が線形変換で表わされる音高知覚モデルは, 扱い易く, 定性的な面で多くの音高知覚現象を説明しているが, 定量的な面からの検討が充分なされていない. 本論文では, 定量的な音高実験データと線形変換を用いた音高知覚モデルの予測値とを比較することにより, この種のモデルの有効性について検討を加える. 末梢の変換も線形変換からなる音高モデルでは, 非調和性複合音による音高シフト現象を定量的に予測することはできない. 末梢の変換に結合音を生み出すような非線形性を持たせると, モデルの予測値は実験値と良い一致を示すようになる. 線形モデルの予測音高パターンは, 音高マッチングヒストグラムの実験データに見られるような多モード性の予測に乏しい. この点, Goldsteinのモデルに代表されるような非線形モデルの方がすぐれている. したがって, 音高知覚のモデルとしては, 末梢の変換も中枢の変換も非線形なものが適当であると思われる.
  • 小林 利次, 林 実, 丸山 勝也, 中村 修治, 浜崎 勲重, 岡村 靖
    原稿種別: 症例報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    子宮外妊娠は比較的稀な疾患であるが破裂すると重篤な病態を呈する. 本症例ではリアル・タイム電子リニア・スキャンにより中絶前に左卵管膨大部に着床せる胎嚢を描出し, 心拍動を記録し得た貴重な症例として報告し, エコー所見の検討と同時に文献的考察を行った.
  • 副島 徹, 奥田 真也, 脇坂 信一郎, 徳田 元, 松岡 成明
    原稿種別: 症例報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    明らかな外傷を認めない急性硬膜下血腫の2例を報告した. 何れも術前検査や手術所見から, 脳動脈瘤, 脳動静脈奇形などの血管奇形や脳挫傷は認めず, その原因として皮質動脈壁に生じた小孔からの出血が考えられた. 第1例は外傷の既往がなく非外傷性と考えられたが, 第2例はアルコール中毒で, 軽度の頭部打撲を経験したことがあり, 外傷との関係を否定はし得なかった. 現在までに集め得た特発性急性硬膜下血腫で, 出血源としての皮質動脈壁の小孔を確認した報告例は8例のみである. 外傷由来の報告例も含めて, この種の急性硬膜下血腫をレビューし, 血腫形成の機序について若干の検討を加えた.
  • 武田 成彰, 大熊 隆介
    原稿種別: 症例報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    エーラース・ダンロス症候群は先天性結合織疾患で手術に際し, 出血や創傷治癒障害を来すことが知られる. 症例は4才の男性で2才の時臍ヘルニアの診断で根治手術を受けたが術後創出血がみられ2ケ月後に再発した. 今回, われわれは再手術に際して術中に綿密な止血操作とコラーゲン製剤である微結晶コラーゲンを使用し治癒せしめたと考えられる症例を経験したので若干の考察を加え報告した.
  • 新宅 貴久榮, 北 敏郎, 古屋 義人, 原 三郎, 井上 徳治, 津田 亮一
    原稿種別: 症例報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    死後約2ケ月経過した死体(女, 20歳前後)の胃内に, 汚赤紫色に着色したいんげん豆の果皮(さや)様の細片(約0.8×2.0cm)数個をみとめた. この胃内残渣を同定する目的で走査電顕による検査を行った. 対照として, A)末調理, B)てんぷら, C)煮ものの各いんげん豆を観察した. 検体(胃内残渣)と対照A, B, Cの微細構造を比較検討すると, 検体は調理や消化さらに腐敗などのため, かなり微細構造の変形や破壊がみとめられた. しかし, 検体の外表面(気孔)や内表面, 維管束系のらせん紋導管などの残存している構造が, 対照例のそれらとよく類似していた. したがって, 走査電顕による検索で, 死体胃内残渣は, "いんげん豆の果皮"であることが推定された.
  • 東中川 徹
    原稿種別: 報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 69-71
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 岡村 靖, 浜崎 勲重
    原稿種別: 報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 73-75
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 山下 優毅
    原稿種別: 報告
    1981 年 3 巻 1 号 p. 77-80
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 中野 信子
    原稿種別: 人間学
    1981 年 3 巻 1 号 p. 81-89
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    イエス・キリストの栄光の歴史を, 堂々と否定できる人はあまりいない. しかし, 中には情熱的な人もいて, 敢えて科学的なアプローチを試みてみたりするのだが, それが思いがけず, 彼らの無意識のとまどいや, キリストへの, 裏返しになった愛情を吐露していることがある. ボタン一つで地獄と化する, この危険な時代に生きている現代人の目から見れば, キリストもまた, それなりの変貌を遂げているに違いない. 彼らはもはや, 古き良き時代の人々のように, すんなりと神を信ずることはできないにしても, 自分自身のイエス像というものを持ち, 今なお, 執着し続けているに違いない. これは, 現代人がどのようなイエス像をもち, その中に, どのように自分の生きる信念と, 救世主に対する愛情とを織り込んでいったかを探ってみた, 基だ一人よがりの, 一試論である.
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