Journal of UOEH
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3 巻 , 3 号
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  • 平野 英保, 中西 明, 坂本 幸哉, 東 監
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 181-190
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    エールリッヒ腹水癌細胞の核小体DNAポリメラーゼを部分精製したところ, 既に知られている三種のポリメラーゼが存在していることが, 明らかになった. 単離した核小体を, 超音波処理して可溶化した上清をDEAE・カラム・クロマトグラフィーで分画化した. DEAE・カラムから, 0.08M NaClでも溶出して来る第Ⅰ分画に存在するDNAポリメラーゼは, N-エチルマレイミドに対する感受性は少なく, 至適pHは, 8.0であり, 一方, 0.15M NaClで溶出して来る第Ⅱ分画は, N-エチルマレイミドで強く阻害され, 至適pHは7.5であった. 第Ⅰ分画にはDNAポリメラーゼβ, 第Ⅱ分画にはDNAポリメラーゼαが含まれているものと考えられる. 第Ⅱ分画および0.4M NaClで溶出される分画には, DNAポリメラーゼγが存在することも分かり, 核小体には, 核で見出されているDNAポリメラーゼα, βおよびγの三種類の総てが存在していることを確認した.
  • 平野 英保, 東 監
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 191-201
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    盛んに増殖をしているマウスのエールリッヒ腹水癌細胞から核および核小体を単離精製し, そこに存在するDNAポリメラーゼの諸性質およびその含量を検討した. 細胞内でのDNAポリメラーゼの分布を調べるに当って, これら酵素の細胞内分布は, 細胞をホモジェナイズする溶液等によって左右され易いので, 全く異なる2つの方法で, 核を単離した. 1つは低張液, MgCl2および界面活性剤であるNonidet P-40を用いる方法で, 他は等張液とCaCl2のみで, 界面活性剤は用いない方法である. 核, 核小体およびクロマチンから DNAポリメラーゼを抽出し, DEAE-セルロース・カラムクロマトの後, α, βおよびγを夫々選択的に測定した. 核と核小体では, 夫々のDNA含量に比例しでDNAポリメラーゼも存在した他, 核小体クロマチンにも強く結合しているDNAポリメラーゼが存在したので, その複製に関与していることを示唆している.
  • 北條 暉幸, 竹本 律子, 篠田 謙一
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 203-205
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    最近, 日本の若い世代の身長が高くなった. このことはよく指摘されているが, 比座高(身長に対する座高の比率)の世代間の変化の研究は少なく, 特に九州人については, これまでのところみあたらない. 今回, 九州人女子407人を用いて比座高の時代的変化の存否について検討した. このうち, 北部九州人は297人(1973年および1980年のデータ)と中部九州人110人(1955年のデータ)であり,これらを1942-45年の日本人女その標準値と比較したところ, 身長および座高については, 現代九州人はいずれも高い値を示しているが, 比座高については変化が認められなかった.
  • 今田 育秀, 白木 啓三, 佐川 寿栄子, 太田 裕造
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    健康成人男子を被験者として, 中指を冷水に浸した際の皮膚温変化を測定し, 末梢血管拡張反応に対する環境圧力の影響について検討を行った. 気圧が高くなると平均皮膚温が低下する. 環境温度のみを低下させて平均皮膚温が低下した際には寒冷血管拡張反応の反応性が減少するのに対し, 2絶対気圧下での反応性は亢進する傾向が認められた. 圧力が血管運動神経系に直接作用を及ぼすことにより, 体温調節に影響を及ぼしていることが推察される.
  • 岩崎 常人
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 215-223
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Specular microscopeを用い, ハードコンタクトレンズ装用者近視眼ならびに対照として非装用者近視眼の角膜内皮細胞を観察した. ハードコタクトレンズ装用者眼の内皮細胞は非装用者眼のものと比べて, 細胞の大小不同性, 多形化が著しかった. 装用年数と平均細胞面積との間には r=0.48, P<0.005の正の相関を示し, 装用年数と細胞面積の標準偏差値との間にはr=0.83, P<0.001の高い相関が存在した. このことよりハードコンタクトレンズ装用に際しては, 装用期間に応じて角膜内皮細胞の平均細胞面積が増加し, 多形性, 大小不同性の程度が高まることがわかった. 特に多形性と大小不同性の増加は装用期間に強い相関を示した.
  • 松隈 秀峻, 馬場 謙介, 木村 一元, 田久 浩志
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 225-229
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    電子顕微鏡写真上のラット下垂体成長ホルモン分泌顆粒を2つの方法によって定量的に解析した. 1つは内分泌顆粒を球と仮定して電顕写真上でそれらの直径を計測し, 単純球に関するstereologicalな変換を施し, 更にGauss近似を行う方法である. 1つは電顕写真上, 限界膜を有する顆粒のみを測定の対象とし, これを直ちに球直径とみなす方法(hypothetical equatorial method)である. 前者の方法では直径の異なる大, 中, 小の3つの顆粒群が出現し, 後者の方法では前者の結果と直径を同じくする大, 小2つの顆粒群が出現し, 中間群は出現しなかった. もし中間群に限界膜を有すると仮定すると, 後者の方法においても, この群は出現するはずであるが, 中間群は前者の方法によってしか出現しなかった. このことより, 従来から知られている2つの顆粒群の中間の大きさを有し, 限界膜のはっきりしない顆粒群が存在することが判った.
  • 嵐谷 奎一, 児玉 泰
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 231-237
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    大気浮遊粉じん中に含まれるベンゾ(a)ピレン(Bap)を簡易かつ迅速に分析する方法について研究を行った。すなわち, Hi-volume air samplerによる大気浮遊粉じんの捕集→超音波作用による捕集粉じん中の多環芳香族炭化水素類の抽出→二層一次元薄層クロマトグラフィーによるBapなどの分離→Bap分離スポットの薄層デンシトメトリー, による定量からなる方法で再現性の高い結果が得られることを見い出した.
  • 深田 高一, 笛田 由紀子
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒトの脳波とくにα波は内的外的環境による種々の要素によって減衰されるといわれている. 北九州市内の病院(100ベット以上33箇所)の脳波室の環境状態を調査し,その1つに照度がまちまちである. 従って記録時の部屋の照度とα波との相関について検討した. 健康成人8名を対照に安静閉眼状態で0, 0.1, 0.2Lxと照度をかえ, α波の変動をパワースペクトルの面から日本光電製EEGスキャナで調べた. 結果, 普通α波の電位分布は照度とは関係がなかった. ①照度に応じたα波の電位分布は後頭部が最大振幅で頭頂, 中心部と前頭に向かって小であった. ②0Lx時のα波の振幅が最も理想と判断されたが, 暗くて被験者の観察ができない. 照度0.1と0.2Lxではα波の電位変動があまり認められず, 被験者がよく観察できるという点では0.2Lxの照度が最も理想的な明るさで, 0.2Lxは家庭用豆電燈の明るさである.
  • 福長 将仁, 倉地 洋子, 小川 みどり, 水口 康雄, 児玉 泰, 茅原 四郎
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 245-254
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    金属の変異原性について, 酵母の細胞質性呼吸欠損変異誘発と, 核性の3種の異なるタイプの変異, すなわちmitotic crossingover, mitotic gene conversionとreversionの誘発の面から検討した. 呼吸欠損変異の誘発では, カドミウムが最も高い活性を示し, 次いで銅, マンガン, 水銀が陽性であった. また用いたすべての金属は, 非常に強い殺菌作用を示した. Diploid酵母を用いての核性の変異誘発は, コバルト, クロム, 鉛, 砒素, マンガン, ニッケル, 亜鉛, 銅, カドミウム, 水銀などの金属について行った. これらの金属は, diploid酵母に対しても強い殺菌効果を示し, 10-2 -10-4Mの濃度の間で生存率を急激に低下させた. しかしながらmitotic crossingoverはどの金属の場合にもあまり起こらず, コントロールとの間に有意の差は認められなかった. Mitotic gene conversionについては, コバルト, クロム, 砒素, カドミウムが強い活性を示し, 更にconvertant中のcrossoverはクロム, マンガン, ニッケル, カドミウムによって強く誘起された. また鉛, 水銀は, mitotic gene conversionについては活性が低いが, その中のcrossoverを濃度の上昇と共に増加させた. 亜鉛と銅においては, このような活性が殆ど認められなかった. また点変異であるreversionについては, マンガンにおいて強い活性が認められ, 他の金属ではrevertantの数も少なく, そのcrossoverは全く認められなかった.
  • 櫻木 千典, 八尋 正信, 中野 正博
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 255-262
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    核子と原子核の非弾性散乱において, DWBA(Distorted Wave Born Approximation)がCC (Methods of Coupled Channel)の視点から検討され, 通常使われているDWBA (conventional DWBA)では, チャネル結合の効果が重複されていることが示される. 歪曲ポテンシャルの選び方の違いからくる3つの異なる近似式が導かれ, それぞれの近似の評価がなされ, また, 光学ポテンシャルがチャネル結合の効果をある程度取り入れた有効ポテンシャルの意味を持つことも示される.
  • 有働 武三
    原稿種別: 原著
    1981 年 3 巻 3 号 p. 263-277
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Mycobacterium smegmatisをグリシンとリゾチーム, およびlytic enzyme no. 2で処理することにより高率に細胞壁欠損細胞に変換する方法を考案した. また得られたプロトプラストが細胞壁を有するもとの親型桿状形態へ復帰する経過を位相差顕微鏡および電子顕微鏡により観察した. M. smegmatisは結核菌を代表とする他のマイコバクテリアと同様, そのままの状態では各種溶菌酵素に抵抗性を示すことから, グラム陽性菌群の細胞壁合成阻害剤として知られるL-グリシンで前処理を行った. 至適グリシン濃度は培養時期あるいは菌株によって異なるが, 本菌では0.75ないし1.2%の範囲内にあった. この前処理によって細胞壁と細胞膜のあいだに間隙が生じ, 細胞壁はほぼ完全に細胞膜から剥離された.さらにグリシン存在下で低濃度のリゾチームと lytic enzyme no.2を含む最少培地で培養を継続することにより90%以上の桿状菌体が球状のプロトプラストとなった. プロトプラストから菌状桿菌体への復帰はおおむね二通りの様式で行われることがわかった. 即ち1つは出芽とそれにつづく伸長, 分岐, 隔壁形式であり, その間に菌糸状桿菌体の分裂が起こって正常な親型桿状菌体がもたらされた. 第二の方法はプロトプラスト内部に数個の娘細胞elementary bodyが生じ, プロトプラストから遊離するという方法であった. 娘細胞はプロトプラストが巨大化すると同時に, その内部に形質膜による不規則な隔膜が生じて細胞質が区切られ, のちにそれが収縮することによって生ずるものと思われた.
  • 山岸 稔, 白幡 聡, 野田 正紀, 野尻 外士雄, 佐藤 雄二, 八木 滋郎
    原稿種別: 症例報告
    1981 年 3 巻 3 号 p. 279-289
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    正常の妊婦は, レニン-アンギオテンシンーアルドステロン系が亢進して2次性高アルドステロン血症となるにもかかわらず, 症状(浮腫, 高血圧など)は認めない. 新生児では同系は更に一層亢進しているが, これも一種の生理的現象とみなされている. すなわち母体, 胎盤, 胎児, 新生児は, それぞれが個別的に内分泌, 代謝機能を営んでいるのではなく, いわばmother-placenta-fefus relationshipまたはmother-infant relationshipという特殊な内分泌, 代謝的環境を形成し, たとえば循環血液量, ナトリウム量についてみても, その需要量は個別的のときと比べて遥かに増大し, そのため相対的な低Na血症をきたして細胞外液量が増加し, これがレニンーアンギオテンシン-アルドステロン系を亢進させる. かような周産期のホメオスターシスの失調した例として, 最近経験した新生児一過性高および低アルドステロン血症の新生児各一例ずつを紹介し, かつ討論を加える.
  • 野呂 影勇
    原稿種別: 論説
    1981 年 3 巻 3 号 p. 291-297
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本における人間工学の研究は1920年代から行われている. 研究の方法として, 1つは労働科学的なアプローチ, もう1つはシステムズアプローチがある. ヨーロッパの人間工学研究は主として前者に影響を与え, アメリカにおける人間工学研究は主として後者に影響を与えた. 日本における人間工学研究の特徴を示す代表例として, 自動車工業と鉄工業および新幹線の開発の場合を述べる. これらの研究, 開発においては, 日本独特のシステムでのアプローチおよび終身雇用制が果たした役割は大きい. 日本の人間工学が直面する今後の大きな問題は, 経済的社会的変化に対応して人間と機械の役割の適正分担を考えることである.
  • 堀尾 政博
    原稿種別: 総説
    1981 年 3 巻 3 号 p. 299-314
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    硝酸塩中毒は, 反芻動物では国の内外を問わず多発しているが, これは大量の糞尿を施肥した土地に生育した作物を摂食した際, その中に多量の硝酸塩が含まれていたことに起因することが報告されている.すなわち, 反芻動物では摂取された硝酸塩は, 第1胃内の細菌によって還元される過程で中間代謝産物としての亜硝酸に変化する. 硝酸およびその還元物質は, 第1胃壁から速かに吸収されて血液中に入るが, 亜硝酸はさらに赤血球内でヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビン(MHb)を形成する. これは酸素運搬能カを持たないため組織は酸素欠乏におちいり, 動物は死に至る. この中毒は一般にヒトでは発生しないと思われているが, 近年発ガン物質N-ニトロソアミンの先駆体となっていると言われている硝酸塩等について, ヒトでも再考する必要のある事例が知られてきた. その意味で反芻動物は現象が強調された1つのモデルとしてみなすことができるので, 硝酸塩の代謝, MHbの消長およびそれらが生体に与える影響などについてここに総説としてまとめて紹介した.
  • 鶴 コトミ, 大津 ミキ
    原稿種別: 報告
    1981 年 3 巻 3 号 p. 315-316
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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