Journal of UOEH
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30 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 久保 達彦, 丸山 崇, 白根 聖弓, 大友 一, 松本 哲朗, 小山 一郎
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    平成11年に労働基準法の女性深夜労働禁止規定が撤廃され, 本邦では女性深夜業従事者数は増加傾向にある. 本報告では初めて三交代勤務に従事する女性44名(44-59歳)を対象に, 就業前に生じる"三交代勤務開始への不安"の分布状況を生活習慣や社会的要因との関連において記述疫学的に報告する. 調査は三交代開始前に自記式調査票を用いて行われた. 不安の評価は「三交代勤務を始めることに不安があるか?」という質問に対し[非常に/かなり]と解答した者を不安症例, [少し/わずかに/ぜんぜんない]と解答した者を対照とすることで行われた. その結果, 朝食の摂取頻度が高いもの(Ptrend=0.09)と睡眠障害の中でも特に熟眠障害を有する者(P=0.08)では就業不安の発生頻度が高い傾向が認められた.
  • 市来 弥生, 青木 智宏, 高島 泰斗, 田村 廣人, 寺本 華奈江, 佐藤 浩昭, 嵐谷 奎一, 吉川 博道
    原稿種別: 原著
    2008 年 30 巻 1 号 p. 11-25
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    佐賀県の10ヶ所のクリークから採取した表層水を10μg/mlストレプトマイシンを含むR2A培地に接種して, ストレプトマイシン耐性菌の探索を行った. 16S rRNA遺伝子解析により, ストレプトマイシン耐性を持つ菌はBacillus, Novosphigomium, Sphingopyxis, Oceanobacillus属に高い相同性を有することが明らかになった. また単離菌の60%がカップ法において700μg/mlのストレプトマイシン溶液を投与しても阻止円を形成しなかった. ここで得られた単離菌に対して, マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS)による分類の有効性を検討した. その結果, MALDI-TOF MSは16S rDNAの1, 000bpに対してAluⅠ, Hae Ⅲ, HhaⅠを作用させたRFLP(restriction fragment length polymorphism)より高い識別能を示した. MALDI-TOF MSは, そのハイスループットな能力を考慮すると, MALDI-TOFマススペクトルデータベースの構築によって迅速な微生物の同定手段になる可能性を持つと思われる.
  • 坂井 伸光, 松井 康人, 山元 昭二, 世良 耕一郎, 藤巻 秀和, 内山 厳雄
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 27-38
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    近年, 光触媒としての二酸化チタン(TiO2)使用量が増加傾向にある. 一方で触媒効果を高めるために, TiO2粒子はナノレベルとなっている. 著者らは, これらの超微小粒子(粒子径が100nm以下の粒子)の生体影響に着目し, マウスへの気管内投与実験を行った. 粒子径が5, 100nmのTiO2粒子をマウスに気管内投与した. 投与から1, 4, 24時間後の血液, 肝臓, 肺, 腎臓, 脾臓, 脳におけるTi量を, イオン励起X線分光光度法(PIXE法), 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP/MS)により定量した. その結果, 肺以外の臓器では, 対照群と投与群との間でTi量に有意な差は認められなかった. そこで, 投与液中のTiO2粒子を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した. その結果, 粒径が約1μmの凝集した粒子が多数確認できた. 本実験では投与液中で粒子が凝集していたため, 肺胞から血液へ移行しなかった可能性が考えられた.
  • 戸次 加奈江, 唐 寧, 鳥羽 陽, 早川 和一
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    大気中には様々な有機汚染物質が含まれている. そのうち多環芳香族炭化水素(PAH)およびニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)は, 化石燃料などの燃焼に伴って発生し, ヒトの健康に影響をおよぼす物質である. 環日本海域の4ヶ国, 中国, ロシア, 韓国, 日本は, 主要エネルギーの種類や生活様式, 産業構造や事業所の設備などが異なり, その結果大気汚染のレベルと中身も大きく異なると推定される. そこで, 本報では中国と日本の製鉄業を中心とする都市である鉄嶺と北九州を選び大気粉塵を捕集後PAH, NPAH, 変異原性, 活性酸素種(ROS)生成能を測定し化学物質と毒性の点から比較評価を行った. PAH, NPAH濃度は中国で高濃度を示し, 冬高夏低の傾向が見られた. また変異原性は冬に高いが, ROS生成能は夏に高くなる傾向が見られ, 変異原性とROS生成能には異なる原因物質が関与すると考えられた. PAH, NPAHとは異なる化合物の寄与も大きいことが考えられた.
  • 一木 孝治, 浦本 秀隆, 篠原 義剛, 北川 直子, 原 禎博, 木下 貴之, 牛尾 敏彦, 江藤 精二, 塚田 順一, 高橋 浩二郎
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学病院では, 2003年10月に当院で頻用されるがん化学療法レジメンを収集管理し, 院内レジメン集を病棟や外来に配置した. しかし, レジメンをリアルタイムに管理することは困難であり, リスクマネジメントの観点から問題があった. そこで2006年6月に化学療法センターが中心となり医師, 看護師および薬剤師から構成されるがん化学療法レジメン検討委員会を設置し, 委員会で承認を得たレジメンのみを実施可能とするレジメン登録制度を構築した. レジメン登録は制吐剤などの前処置薬を含めたものとし, これをレジメンセット処方として, 専門修練医以上の臨床経験を有する医師が処方することにした. 本制度によりすべてのレジメンを把握でき, 薬剤師による疑義照会は抗がん剤の適正使用に関連した内容へと変化した. また, 委員会を通じて医師や看護師との情報交換が緊密となり, 医療事故防止の観点から評価されている.
  • 長 聡子, 柴田 弘子
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 55-73
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    4年制看護系大学の看護基礎教育課程における「がん看護学」系科目の設置状況を明らかにし, 「がん看護学」系科目の設置の必要性を検討するための基礎資科を得ることを本研究の目的とし, 2006年度日本看護系大学協議会加盟校142校中「がん看護学」系科目を設置している大学19校を対象としてアンケート調査およびシラバスの分析を行った. アンケート調査の結果, 有効回答は15校(有効回答率78.9%)であり, 4年制看護基礎教育課程における「がん看護学」系科目の設置の必要性について「ある」と回答した大学は15校中12校(80.0%)であった. 4年制看護系大学の教育課程において, 他領域の看護学との連携を図った上で「がん看護学」を独立した科目として教授していくことに関しては, カリキュラム全体の教育目標を明確にし, カリキュラムに位置づけることが望ましいことが明らかとなった.
  • 長尾 扶美, 浦本 秀隆, 木下 直美, 村上 彰善, 梅野 孝子
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    従業員の健康は企業活動の源である. しかし, 本邦における定期健康診断の有所見率は増加傾向にある. 今回マルチリスク者を対象に1年間の健康教育活動を推進した結果, 身体活動・運動, 休養・心の健康づくりに関しては全項目で有意に改善し, 栄養・食生活, 生活習慣病の知識や予防方法についても3項目を除いて有意に改善していた. 定期健康診断データは尿酸, 空腹時血糖を除く全項目で有意に改善が見られた.
  • 藤田 佳代子, 弓削 なぎさ, 川本 利恵子, 米田 由美, 村瀬 千春
    原稿種別: 実践報告
    2008 年 30 巻 1 号 p. 83-95
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    学生の清潔援助の技術習得度と学生が技術習得のためにどの学習方略を活用したかを明らかにすることを目的として, 看護学生の1年生71名を対象に洗髪と清拭・足浴・寝衣交換の自己評価(各19項目)と学習方略の活用度(15項目)の調査を行った. 各援助の自己評価は平均評価点を算出し, 両援助の総合評価および認知, 精神運動, 情意領域の評価を高低群に分け, 2群間における学習方略の活用度の比較をMann-Whitney U検定で行った. 回収率は81.7%であり, 清潔援助の自己評価は, 精神運動面の項目は高いが認知・情意面の項目は低かった. 総合評価の高評価群は, 講義, 事前学習, 演習を活用していた(P<0.05, P<0.01). さらに, 認知面の高評価群は講義や演習での教員の説明・指導を活用し, 精神運動面の高評価群は, 講義での基本動作の説明, 実習室での練習や練習時の教員の指導を活用していた(P<0.05, P<0.01). また, 情意面での高評価群に技術習得を狙った学習方略の活用はなく, 情意面における学習方略の検討が課題となった.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    2008 年 30 巻 1 号 p. 97-131
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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