Journal of UOEH
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31 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 佐伯 覚, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 原著
    2009 年31 巻2 号 p. 131-142
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    5年間にわたるポリオ罹患者の下肢筋力の変化を評価するため, 自主的に参加した地域在住のポリオ罹患者(63名, そのうち61名がポリオ後症候群)を対象として, 前向き縦断研究を実施した. すなわち, 5年間にわたって毎年1回, 固定式ダイナモメーター(Biodex)を用いた等運動性膝伸展筋力および膝屈曲筋力(ピークトルク値)を60°/秒および120°/秒の角速度で測定した. 5年後の時点で, 対象者の約90%の者が両角速度での膝伸展筋力の低下を認め, 同様に80%の対象者が膝屈曲筋力の低下を認めた. 膝伸展筋力(ピークトルク値)の1年あたりの低下率は, 両角速度において膝屈曲筋力のそれよりも有意に大きく, その差は角速度の速い場合により顕著であった. ポリオ罹患者の等運動性下肢筋力は, 経年的に進行性低下をきたすこと, また, 荷重筋である膝伸展筋力の低下率が膝屈曲筋力より大きいことが明らかとなった.
  • ロバート・S・マーフィ , マイケル・D・ポスト
    原稿種別: 原著
    2009 年31 巻2 号 p. 143-166
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    マッカーシー(1990)による語連想反応の研究法を用いて, 日本人英語学習者の語彙発達に関して, 1)学習者の発達中メンタルレキシコンに含まれる単語間のメンタルリンクの語連想テストによる分析の可能性, 2)低習熟度学習者にとって音韻的類似性が持つ重要性, 3)語連想テストの結果とマッカーシー(1990)で論じられた語連想パターンによる特徴型との相関関係, の3つの論点が持つ教育上の意義を論じる. メンタルレキシコン中の語彙の発達を明確にすることはカテゴリー間の重複部分が多いために困難であるが, 学習された単語間の統語的, 意味的, 概念的関係は, 語連想の検索過程で明らかに観察されること. さらに, メンタルレキシコンにおける結合に沿って語が解釈される際に文脈が重要な役割を果たすことを論じる. また, 教育および今後の研究についての考えも述べる.
  • 亀崎 文彦, 園田 信成, 小出 真一郎, 尾辻 豊
    原稿種別: 症例報告
    2009 年31 巻2 号 p. 167-172
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は30歳男性. 再発性自然気胸による軽度呼吸苦および右胸痛を主訴に日本原子力研究開発機構荒谷台診療所を受診した. 本症例は, これまで右肺の原発性自然気胸を2度発症しており, 胸腔ドレナージ, 胸膜癒着術や外科的ブラ切除術が施行されていた. その他, 母親を除くすべての家族, つまり父親と2人の姉妹もまた再発予防治療を受けたにも関わらず原発性自然気胸を繰り返してきた. この疾患表現型の伝達様式は, 常染色体優性遺伝を示唆していた. 確定診断には遺伝子解析が必要であるが, 現状では確定診断は有効な治療法に結びつかず, 加えて, 本症例は遺伝子解析を希望しなかった. 気胸に対する病因の解明, 診断技術や再発予防治療における進歩は目覚ましいが, この家族性症例は依然として再発性自然気胸に苦しんでいる. 家族性自然気胸の本症例は, 新規治療指針の必要性を強く示唆している.
  • 鳥巣 伊知郎
    原稿種別: 総説
    2009 年31 巻2 号 p. 173-179
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    円周が3次元空間に自分自身と交わらないように埋め込まれたものは結び目と呼ばれる. 結び目は位相幾何学的に取り扱うことにより数学的な対象となる. 結び目理論では与えられた結び目がどのように結ばれているか, あるいは実際には結ばれていないかなどを研究する. 結び目は交差の上下の情報を持った結び目図式で表すことができる. そのときに交差の上下を入れ替えたものは一般には別の結び目を表すが, この操作は交差変換と呼ばれる結び目理論における重要な概念である. 本稿では結び目の多重交差変換の一種である強自明性について解説する.
  • 松浦 祐介, 川越 俊典, 土岐 尚之, 蜂須賀 徹, 柏村 正道
    原稿種別: 総説
    2009 年31 巻2 号 p. 181-193
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    細胞診による子宮頸がん検診はその有効性を証明する十分な証拠があるにもかかわらず. 日本のがん検診受診率は他の先進諸国と比較して格段に低い. 順調に低下してきた死亡率もここ数年上昇傾向にある. 子宮頸癌の発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが明らかであり, 性意識の変革や性行動の多様化により若年層で子宮頸癌の発症率が特に増加していることは大きな社会的問題である. 細胞診による子宮がん検診には約10%の偽陰性率がありなかでも頸部腺癌症例に偽陰性が多い. 細胞診のみによるがん検診には限界があるため, わが国でもがん検診の精度を上げる目的で液状検体(liquid-based cytology: LBC)を使用したり, 細胞診検査にHPV検査を導入する動きがある. 細胞診によるがん検診は様々な問題を抱えているが, 子宮頸癌による死亡率を減らすためには国・地方自治体・医療機関・企業・教育の現場などが現状を正確に理解し, それぞれが課題に対して積極的に取り組む姿勢が必要である.
  • -一般市民の医学教育への協力を得るために-
    高水間 亮治
    原稿種別: 医学教育
    2009 年31 巻2 号 p. 195-205
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    臨床実習においては学生が診療チームの一員として参加し学ぶ診療参加型臨床実習が導入されている. しかし, 医療安全の確保, 指導医不足, 教育技法および一般社会の受け入れなどの問題が指摘されている. 本研究では産業医科大学病院外来患者とその家族100名を対象とし, 医学生の診療参加についてアンケート調査を行い, 臨床実習における医学生の診療参加のあり方について検討した結果, 医学生が診療に参加することが認められていることはあまり知られていなかった(n=24). 医学生の診療参加には問題があるとする回答があった(n=43). その問題点として, 医療安全や医療情報の取り扱い方また医療の質などがあげられた. 一方, 医学生が診療に参加することは学習する上で必要であるとする意見が多く, 医療の充実のために医学教育に協力したいという積極的な意見が多くみられた(n=63). 今後は医療安全教育を充実させるとともに, 一般社会へ医学教育への協力をアピールして行く必要がある.
  • 賀好 宏明, 舌間 秀雄, 木村 美子, 中元 洋子, 古田 奈美, 本田 香奈恵, 和田 太, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 紹介
    2009 年31 巻2 号 p. 207-218
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    歩行支援ロボットは, 歩行障害を有する患者の歩行練習を支援することを目的として開発された装置である. 歩行支援ロボットの特徴は, 立位・歩行が困難であっても装置が体幹を支持して, ロボットアームが両側大腿, 下腿部を自動制御し, 各種測定機構とバイオフィードバック機構を有することで, ほぼ正常に近い歩行が可能となることである. その操作は省力化されていることが特徴である. 重度の歩行障害を有する中枢神経障害患者や末梢神経障害患者に適応があり, 臨床使用上, 歩行能力の改善を認め, 安全上の問題もなかった. 歩行支援ロボットを臨床で用い有用であった脳卒中片麻痺, 軸索型ギランバレー症候群, 脊髄不全損傷の3症例を提示する.
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