Journal of UOEH
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31 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 岡井(東) 紀代香, 石河 暁子, 安友 小百合, 岡井 康二
    原稿種別: 原著
    2009 年31 巻4 号 p. 311-324
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    中国や日本では古来より乾燥した温州みかんの皮を「陳皮」と称して循環器系疾患や呼吸器系疾患の予防や改善の目的で漢方薬・生薬・薬膳料理などに利用してきた. 本研究ではこれらの陳皮の薬理効果の作用メカニズムのひとつとして抗酸化・ラジカル消去活性に注目して分析した結果, 陳皮の冷水・熱水抽出液にきわめて強い抗酸化・ラジカル消去活性が認められた. そこで水抽出液をエタノール可溶性画分と沈澱画分に分けたところ, 主要な活性はエタノール可溶性画分に認められた. そこでその活性本体に対応する水溶性・低分子性物質としてアスコルビン酸とクエン酸を仮定してそれらの陳皮水抽出液中の濃度を測定し, その濃度に対応する両者の抗酸化・ラジカル消去活性を分析したところアスコルビン酸は強い1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル消去活性を示したが, リノール酸の過酸化脂質の生成に対する作用は弱かった. ところが, クエン酸は逆にDPPHラジカル消去活性は弱かったが, リノール酸の過酸化脂質の生成に対して強い抑制作用を示した. さらにクエン酸は微量金属とアスコルビン酸によるリノール酸の過酸化脂質の生成の促進を消去・抑制することを見出した. 以上の実験結果により陳皮の水抽出液の示す強い抗酸化・ラジカル消去活性はアスコルビン酸とクエン酸がお互いにそれぞれの作用を補完するとともに一方の物質の酸化促進作用を他の物質が消去・抑制するためであることが示唆された.
  • 矢野 弘樹, 曽根 涼子, 山崎 文夫
    原稿種別: 原著
    2009 年31 巻4 号 p. 325-337
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    急性メンタルストレスは交感神経活動を増加させ, 様々な器官の血管運動調節に影響を与える. 本研究では, 急性メンタルストレス中の末梢血管調節におよぼす運動トレーニングの効果について理解を深めるために, 運動鍛錬者と非鍛錬者の暗算(MA)中の皮膚血管反応を比較した. 8名の運動鍛錬者(T群)と8名の非鍛錬者(UT群)が, 中性温度(28℃)条件下で仰臥位にてMAを2分間連続して行った. 皮膚血流量(レーザードップラー流量法)と局所温度が無毛部(手掌, 足底)と有毛部(前腕, 腓腹)でモニターされた. 皮膚血管コンダクタンス(CVC)は平均血圧(トノメトリー法)に対する血流量の比率から評価された. 局所発汗量(SR)は足底部と腓腹部で測定された(換気カプセル法). T群において, 無毛部のCVCはMA中に減少したが(P<0.05), 一方UT群において, ストレスによるCVCの減少は一過性であり, MA中に徐々に回復された. いずれのグループにおいても, 有毛部のCVCの変化パターンは無毛部のものと本質的には類似していたが, 有毛部のCVCの減少は無毛部のそれらより小さかった(P<0.05). 無毛部(特に足底部)の局所温度は, UT群よりもT群で高値(P<0.05)を示した. 足底部と腓腹部のSRはMA中に増加したが(P<0.05), 2グループ間で差異はみられなかった. これらの所見は, 身体的トレーニングが有毛部ではなく無毛部の皮膚温を高めるように作用すること, さらにその皮膚温の変化が急性メンタルストレス中の無毛部と有毛部の交感神経性皮膚血管運動調節に末梢レベルで影響することを示唆している.
  • 王 克鏞, 谷本 昭英, 稲永 隆, 山田 壮亮, 島尻 正平, 丁 妍, 郭 鑫, 笹栗 靖之
    原稿種別: 症例報告
    2009 年31 巻4 号 p. 339-344
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我々は大動脈弁狭窄症を伴った肺毛細血管腫症の1剖検例を経験したので報告する. 症例は86歳日本人女性, 大動脈弁狭窄症による慢性心不全にて血液透析を施行中に, 突然死となった. 剖検すると, 大動脈弁の高度な狭窄と, 両心室壁の肥厚を伴った高度な心肥大とが認められた. 肺の病理組織学的所見では, ヘモジデリンを貪食した肺胞内マクロファージの集簇を伴って, 肥厚した肺胞壁における毛細血管のびまん性増生が認められ, 肺毛細血管腫症に一致する像であった. 以上より当症例は, 大動脈弁狭窄症により長期間慢性的に持続した肺うっ血が, 肺毛細血管腫症を引き起こしたものと考えられた.
  • 行正 徹
    原稿種別: 論説
    2009 年31 巻4 号 p. 345-352
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    精神や意識の問題を科学の対象として取り組む場合は多くの困難を伴う. 科学し学問するその営み自体が考察の対象であり, 一種の自己矛盾が存在し, 科学観の根本に立ち返ってみる必要がある. 一方量子論の基本にも観測問題をはじめとして根本的な未解決の問題がある. 本論では量子論の根本問題を考察し, その中からヒントを得ながら精神の量子論的なモデルの可能性についての試論を述べる.
  • 佐藤 寛晃, 田中 敏子, 笠井 謙多郎, 北 敏郎
    原稿種別: 症例報告
    2009 年31 巻4 号 p. 353-358
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    49歳男性船長が, 船倉タンク内での廃液処理作業中に倒れた船員の救出に降り, 間もなく同様に倒れて死亡した. 船長の剖検の結果, タンク底面に残った廃液の吸引による溺死と診断された. 意識消失に至った経緯を明らかにするために船倉タンク内のガス分析を行ったところ, 酸素濃度は18.86〜19.31%, 二酸化炭素濃度は7.28〜9.07%で, その他に硫化水素を含め特記すべき濃度のガスは検出されなかった. したがって, 意識消失は二酸化炭素中毒によるものと考えられ, タンク内の廃液の発酵により高濃度の二酸化炭素が発生し, 死亡事故が発生したと結論づけた. 二酸化炭素が発生しうる環境においては, その危険性を十分に認識しておく必要があると考えられた.
  • 久原 聡志, 賀好 宏明, 徳尾 美香, 野上 美智子, 竹村 仁, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 症例報告
    2009 年31 巻4 号 p. 359-364
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    理学療法士, 作業療法士, 医師, 看護師, 医療ソーシャルワーカー, ケアマネジャー, 在宅スタッフなど多職種の退院前訪問指導により, 一時的ではあるが自宅での時間を過ごすことができた終末期がん患者の2症例を報告する. 症例1は病的骨折により臥床状態であったが, 理学療法士による訓練で離床が可能となり, 日常生活動作も改善した. 病的骨折による活動制限に対しては, 多職種によるカンファレンスで福祉用具を選定し, 退院前訪問指導を実施して, より有効な環境設定や使用訓練を行い, 自宅退院が実現した. 症例2は, 外出は困難と思われたが, 病室内のベッドの高さ調節などの環境設定を含めて離床を促し, 座位耐久性を向上させ, 外出が可能となった. 退院前訪問指導を活用して自宅へ外出を行い, 自宅で過ごす時間を持てるよう配慮した. 多職種による退院前訪問指導が, 本人・家族の希望を叶え, 生活の質を高める手段となることが示された.
  • 正野 逸子, 鷹居 樹八子, 井野 恭子, 金澤 保, 福澤 雪子, 野元 由美, 河内 しのぶ, 長田 順子, 中村 恵美, 新井 明治, ...
    原稿種別: 報告
    2009 年31 巻4 号 p. 365-376
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    カリキュラム改正に伴い, 2008年から医学部1年次の後学期に「看護と介護」の授業科目が開始され, 看護師同行による看護活動の理解と患者とのコミュニケーションを通して対象を理解することを目的に, 大学病院で半日間の早期体験実習を実施した. この早期体験実習の効果と今後の課題を明らかにするために, 学生への課題レポートを質的帰納的に分析した. その結果, 患者とのコミュニケーションやメンタルケアの重要性, 看護活動の特性と看護師の存在意義, 将来めざす医師像の明確化, チームの一員としての医師のあり方, チーム医療の重要性の学びが明らかになった. 講義では気づけない新鮮な学びがあり, 短時間の実習であったが医師として求められる基本的な資質の理解が早期体験実習の効果として得られ, 1年生の段階で医療現場の早期体験実習をすることの重要性が示唆された. 今後は, 早期体験実習の効果の継続と適切な時期を明らかにするために, 早期体験実習で得られた学びの学年進行に伴う変化を追求する必要がある.
  • 中村 恵美
    原稿種別: 報告
    2009 年31 巻4 号 p. 377-387
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    看護師の職場内・外での学習意欲と職務・生活満足感の関係を明らかにするために, 九州圏内の看護師123名を対象に, 郵送法による質問紙調査を行った(有効回答率52.6%). 分析は, 各満足感の項目得点の平均値および主成分分析により抽出した総合的満足感(以下, 満足度)の平均値を比較した. 職場内学習は学習意欲が高い方が職務満足度が高かった(H群:0.16±0.95, L群:-0.56±0.99, P=0.001). 仕事や学習に対して適切に評価されてないと感じたり, 休日や勤務時間外の学習参加などが不満につながり, 学習意欲が低下していた. 職場外学習でも学習意欲が高い方が職務満足度が高かったが(H群:0.10±1.01, L群:-0.35±0.90, P=0.040), 仕事や学習が適切に評価されてないと感じることや, 心身の健康に満足が得られないことで学習意欲が低下していた. その他の学習でも学習意欲が高い方が職務満足度が高かったが(H群:0.08±0.96, L群:-0.27±1.11, P=0.034), 学習意欲は仕事内容や勤務時間, 時間的負担感などにより低下していることが明らかとなった.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 訂正
    2009 年31 巻4 号 p. 389-
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 2009 年31 巻4 号 p. 391-400
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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