Journal of UOEH
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32 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 保利 一, 石田尾 徹, 石松 維世
    原稿種別: 原著
    2010 年32 巻4 号 p. 293-302
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業現場で使用される有機溶剤の多くは, 混合有機溶剤である. 有機溶剤は, 蒸気圧や極性などが異なるため, 混合したときの液相の組成と気中の蒸気濃度の組成比は, 一般に異なる. また, 蒸発に伴って液相中の組成も変化するので, 蒸気濃度も経時的に変化する. そこで容器内に入れた2成分の混合有機溶剤が連続的に蒸発したときの気中の濃度変化を調べるとともに, 気中の蒸気濃度を予測するモデルを作成した. 直径3cm, 高さ3cmの円筒形の容器に2種類の溶剤を所定量入れ, 直径10cm, 高さ15cmの密閉したガラス容器内に静置した. 流量150ml/minの空気をガラス容器内に導入し, 容器を出る蒸気をオートガスサンプラーにより一定時間間隔でサンプリングし, 水素炎イオン化検出器(FID)付ガスクロマトグラフで濃度を計測した. 溶剤は酢酸エチル-トルエン系およびメタノール-トルエン系とした. 揮発性の高い溶剤(酢酸エチルまたはメタノール)の濃度は最初は高く, 時間とともに減少する傾向が見られた, 一方, 揮発性の低い溶剤(トルエン)は最初低く, 時聞とともに上昇した. 気液平衡理論および物質移動速度論を用いて, 発生する蒸気濃度の推算モデルを作成し, 実験値と比較検討した結果, 両者は実験値と比較的良好な一致を示した.
  • 上原 紘平, 曽根 涼子, 山崎 文夫
    原稿種別: 原著
    2010 年32 巻4 号 p. 303-316
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    喫煙と運動はメンタルストレス後の末梢血管運動調節に異なる影響をもたらすという仮説を検証するために, 6名の喫煙者を対象として喫煙と運動に対する皮膚血管反応を含む生理的反応を検討した. 快適な温度条件下(25℃)において喫煙者は2時間の暗算作業(MT)後に10分間の喫煙あるいは自転車運動を行うか, あるいはそのいずれも行わないで安静を保った(time control実験). 皮膚血流量(レーザードップラー流量法)を無毛部(手掌)と有毛部(前腕, 前額)でモニターした. 皮膚血管コンダクタンス(CVC)を平均血圧(MAP)に対する血流量の比率から評価した. MAPは長時間のMTによって77.7±2.7mmHgから86.0±3.0mmHgへ上昇した. CVCはMTによって手掌部では27.4±5.6%減少したが, 前腕部と前額部では有意な変化はなかった. 手掌部CVCはMT後の喫煙によってさらに減少し, その喫煙によるCVCの減少は喫煙後20分間継続した. 一方, 喫煙中の前腕部と前額部のCVC減少は小さくかつ一過性であった. いずれの部位においてもCVCはMT後の運動によって増加し, 運動による手掌部CVCの増加は運動後30分間継続した. Time control実験においていずれのパラメーターもMT後の回復期間中に有意な変化はみられなかった. これらのことから喫煙は長時間MT後に無毛部皮膚血管収縮をさらに強めるが, 運動による血管拡張効果はMTによる血管収縮作用を和らげることが示唆された. 長期間のメンタルストレスと喫煙行動は慢性ストレスに関連した血管系疾患を共働作用的に発症させ, そのストレス関連疾患は習慣的に適度な運動を行うことによって低減する可能性が示唆された.
  • 戸倉 新樹, 森 智子, 日野 亮介
    原稿種別: 総説
    2010 年32 巻4 号 p. 317-328
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    T helper 17(Th17)細胞は生体防御において重要な役割を果たし, その機能が過剰に発揮された場合, 自己免疫疾患を誘導し, 様々な炎症状態を惹起させる. Th17細胞はinterleukin(IL)-17のみならずIL-22を産生し, 皮膚においてはIL-22受容体が表皮ケラチノサイトに存在する. IL-17とIL-22が協調的に作用して, サイトカイン, ケモカイン, 抗菌ペプチドなどがケラチノサイトから産生される. Th17細胞は乾癬の病態に深く関与する. 歴史的に乾癬の病態に関わるT細胞サブセットの概念は, Th1からT cytotoxic 1に変化し, そしてTh1に揺り戻し, 現在はTh17細胞と進展している. IL-22はIL-17とともにsignal transducer and activator of transcription3(STAT3)の活性化, IL-8の産生亢進, 抗菌ペプチドの産生促進など乾癬にとって重要な事象に深く関与する. Th17細胞の機能維持のためにはIL-23が重要であり, IL-23は樹状細胞の一つであるtumor necrosis factor-α(TNF-α)and inducible nitric oxide synthetase-producing dendritic cells(TIP-DC)によって産生される. TIP-DCの活性にはTNF-αがautocrine的に働く. 乾癬に加え, Th17細胞はアトピー性皮膚炎や一部の薬疹の病態形成にも重要な役割を担う.
  • 山崎 文夫
    原稿種別: 総説
    2010 年32 巻4 号 p. 329-340
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    暑熱ストレスは, 労働を安全に行うことを妨げる主要な環境因子である. 暑熱ストレスは起立時に失神を起こしやすくさせ起立耐性を顕著に低下させる. その低下機序には心拍と末梢血管運動の圧反射機能の変化を含むいくつかの生理的因子が関与する. この総説では人の心拍と末梢血管運動の圧反射機能におよぼす暑熱ストレスの影響について考察する. 人を対象とした研究の結果から得られた主要な所見は以下の通りである. 1. 暑熱ストレスを受けると, 心拍数と末梢血管運動の動脈圧反射反応は遅延し, 急速な血圧低下刺激に対するそれらの反応は減少する. 2. 起立時の心拍数の迷走神経性血圧反射調節の感受性は, 暑熱ストレスによって低下する. 3. 皮膚血流量の増加に伴って中心血液量は減少し, 総末梢血管抵抗の統合的血圧反射調節の感受性は低下する. 4. 総末梢血管抵抗の圧反射感受性の低下は, 少なくとも部分的には皮膚血管収縮反応の低下によって説明できる. これらの血圧反射反応性の変化と中心血液量の減少は暑熱下での起立耐性の低下に関与すると考えられる.
  • 永田 好香, 小野 憲司, 下川 秀彦, 竹中 賢, 山崎 政治, 山田 壮亮, 花桐 武志
    原稿種別: 症例報告
    2010 年32 巻4 号 p. 341-348
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    乳腺紡錘細胞癌は, 紡錘形の肉腫様の癌細胞からなる乳癌の特殊型で稀な疾患であるので, 今回経験した乳腺紡錘細胞癌の3切除例を文献的考察を加えて報告する. 症例はすべて女性. 年齢は26, 52, 58歳であった. 最大腫瘍径は, それぞれ3.5, 3.5, 9.0cmであった. 手術は3例とも, 胸筋温存乳房切除術を施行した. 3例中2例に内部の壊死を伴う嚢胞性病変を認めた. 3例中1例に腋窩リンパ節転移を認めた. 3例ともに, エストロゲンレセプター(ER)陰性, プロゲステロンレセプター(PgR)陰性であった. 3例とも, 異型性の強い紡錘形細胞あるいは多稜形細胞が充実性肉腫様に浸潤増殖している所見が認められ, 一部に明らかな上皮性性格を有する明瞭な癌胞巣の存在が確認された. 以上より, 紡錘細胞癌と診断された. 予後は, 1例において術後2年目に肺転移, 骨転移, 脳転移を認め死亡したが, 他の2例は, 術後5年以上の再発の所見なく生存中である.
  • 久米 恵一郎
    原稿種別: 論説
    2010 年32 巻4 号 p. 349-365
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    内視鏡医療に代表される低侵襲治療は, 各々の方法の意図通りに成功すれば, 患者には低侵襲で終わるが, この結果を担保する医療側の負担は過大になりつつある. 進みゆく低侵襲治療時代の入口戦略として, 臨床医学の場へ提供すべき治療法やデバイスの評価基準の必要性を感じていた. 今回, 独自の判断基準による筆者の取り組みを紹介した.
  • 阿南 あゆみ, 椎葉 美千代, 柴田 英治, 川本 利恵子
    原稿種別: 総説
    2010 年32 巻4 号 p. 367-374
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    女性が安心して妊娠・出産ができ, 継続して就労できる職場環境や社会が求められている. 本調査では妊娠中の労働による母体や出生児への健康影響と心理的ストレスに関する国内の調査を検討することを目的とし, 関連する28文献を検討した結果, 就労妊婦は高率に異常を認めるとした調査が多数であったが, 労働による影響を明らかに実証したものはみられなかった. また就労状況や妊娠中の症状を詳細に調査した報告も認められなった. ストレスや不安に関する調査は心理テストを主体とする主観的評価法が行われており, ストレス関連物質を計測する生化学手法は行われていなかった. 今後の課題として, 就労形態や職種調査の標準的な指標の検討や, 家事労働に伴う労働負荷の調査を行い, 妊婦の生活全般を多角的にとらえる必要がある. ストレス測定に関しては生化学指標を用いたストレス測定も同時に行い, 多方面から妊婦の労働による影響を調査することが必要である.
  • 2010 年32 巻4 号 p. 375-385
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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