Journal of UOEH
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32 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 亀崎 文彦, 園田 信成, 中田 靖, 尾辻 豊
    原稿種別: 原著
    2010 年 32 巻 3 号 p. 211-220
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    わが国では, 特定健診制度の導入以降, 直接法がFriedewald計算法に代わりLDLコレステロール測定法として急速に普及しているが, 臨床診断への影響は不明である. 本研究目的は, 2つの測定法の高コレステロール血症診断への影響を決定することであった. 原子力科学研究所に従事する労働者のうち中性脂肪値が400mg/dl以上の18名を除外した合計1,655名(男性1,451名, 平均44歳 ; 女性204名, 平均38歳)において, 直接法およびFriedewald計算法によりLDLコレステロール値を検討した. 2つの測定法で算出されたLDLコレステロール値は, 強い正相関関係(R2=0.975, P<0.0001)を認めた. 一方, 直接法の平均LDLコレステロール値は5.9mg/dl高く, 対象者の89.1%でFriedewald計算法より高値であった. また, 高コレステロール血症の有病率は, Friedewald計算法(25.1%)より直接法(31.7%)で有意に高かった(P<0.0001). 本研究結果は, 高コレステロール血症の臨床診断・管理決定において測定法を考慮に入れなければならないことを示唆している.
  • 谷山 ゆかり, 竹内 昌平, 黒田 嘉紀
    原稿種別: 総説
    2010 年 32 巻 3 号 p. 221-236
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    高い疾病率や予後不良の点から口腔癌は世界的に重要な問題である. 口腔癌の主な病因は喫煙や飲酒であり, 化学物質の代謝活性は癌感受性に影響をおよぼしていることが示されている. 煙草の煙にはベンゾピレンやニトロサミンなど多くの発がん物質や発がん前駆物質が含まれ, 第1相および第2相酵素によって活性化または解毒される. これらの酵素遺伝子にはいくつかの遺伝子多型が存在し, これらの酵素の機能は遺伝子多型によって修飾される. 一方, がん感受性に関与する遺伝子には, これらの酵素遺伝子以外にもいくつか存在する. 我々はこの論説で口腔癌に関与する遺伝子多型の相互関係について紹介する. 口腔癌に関与する遺伝子多型について多くの論文があるが, 相反する結果も多く, 今後, 発癌物質および遺伝子多型との相互作用を評価するためには, さらなる研究が必要である.
  • 竹中 賢, 花桐 武志, 岡 壮一, 馬場 哲郎, 安田 学, 小野 憲司, 浦本 秀隆, 宗 知子, 竹之山 光広, 山田 壮亮, 安元 ...
    原稿種別: 報告
    2010 年 32 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    肺クリプトコックス症は, Cryptococcus neoformansが吸入されることによって生じる肺真菌症であり, 免疫能が低下した易感染性宿主に発生する日和見感染症とされるが, 健常人における罹患も知られており, 近年では健康診断および他疾患精査中などで偶然発見されることが増加している. 今回, 外科治療を施行した肺クリプトコックス症8例について検討した. 年齢は49歳から85歳, 男性4例, 女性4例であった. 1例を除いた全例が無症状であり, 8例中2例がステロイド内服中であった, 単発例7例, 多発例1例であり, 腫瘤径は最大21mm, 最小9mmであった. 全例で画像上結節影を呈し, 術前確定診断に至っておらず悪性腫瘍を否定できずに, 外科切除を行っている. 手術術式は, 肺部分切除5例, 肺区域切除1例, 肺葉切除2例であった. いずれの症例も術後は髄膜炎などの合併はなく良好に経過し再発も認めていない. 肺クリプトコックス症の画像所見は多彩とされており, 肺癌との鑑別がしばしば問題となる. 肺クリプトコックス症の外科治療について文献的考察を加えて報告する.
  • 山田 智美, 太田 真由, 内山 茂久, 稲葉 洋平, 後藤 純雄, 欅田 尚樹
    原稿種別: 原著
    2010 年 32 巻 3 号 p. 245-255
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    居住環境には多くのガス状有害物質が存在している. これら有害物質の評価および低減化を行うためには, 正確なモニタリングが不可欠である. 本研究では, ボランティア60戸において拡散サンプラーを用いて, カルボニル化合物, オゾン, 酸性ガス, 塩基性ガスを測定し, 冬季の屋内, 屋外における汚染の実態を把握した. さらに, 物質間の関係, 二次生成機構, 発生源などについても検討を行った. その結果, カルボニル化合物および二酸化窒素濃度は屋内が, オゾン濃度は屋外が高いことが明らかになった. また, 二酸化窒素濃度は, 全体の約43%の住宅で環境基準値を上回る汚染が明らかにされ, 主に汚染源は燃焼系ストーブにあることが推測された. さらに, 屋内のホルムアルデヒド濃度とギ酸濃度の間に正の相関が, ホルムアルデヒド濃度とオゾン濃度の間に負の相関関係が認められたことから, ホルムアルデヒドがオゾンにより酸化され, ギ酸が生成することが推測された.
  • 浦本 秀隆, 下川 秀彦, 馬場 哲郎, 重松 義紀, 永田 好香, 小野 憲司, 竹之山 光広, 花桐 武志
    原稿種別: 原著
    2010 年 32 巻 3 号 p. 257-264
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    悪性胸膜中皮腫は近年増加傾向にある. 早期発見は困難であり, 予後は極めて不良である. 当科で経験した悪性胸膜中皮腫28例について後方に解析した. 2例を除き男性であり, 平均年齢64.5歳. 胸膜肺全摘術を施行した症例が12例, 生検を施行した症例が16例. 組織型は, 上皮型 / 二相型 / 肉腫様型がそれぞれ14 / 8 / 6例であった. IMIG Stage Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳはそれぞれ3, 8, 9, 8例であった. 全身化学療法を14例に, 放射線治療を8例に施行した. 1年以上生存は11例のみで中間生存期間は8.7ヶ月であった. 全症例の2年生存率は25.7%. 化学療法または放射線治療例は未施行例より予後良好であったため, 手術だけにとどまらず, 積極的に集学的治療を検討すべきである.
  • 矢田 浩紀, 大森 久光, 舩越 弥生, 加藤 貴彦
    原稿種別: 総説
    2010 年 32 巻 3 号 p. 265-272
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    入職後間もない看護師の離職率やバーンアウト率が高いと言われている精神科看護師の職業性ストレスについて概観し, 今後の展望を示した. 先行研究から精神科看護師の職業性ストレスは精神科急性期・慢性期・老人病棟など病棟機能ごとに異なることが推測され, 精神科看護師のストレスに関した報告は多数あるが, 現在, 精神科看護師のストレスを測定・評価する質問紙調査の多くは, 精神科看護師の職業性ストレスを主とする知見を基に標準化された尺度を用いていない. 今後, 精神科看護師のストレスの報告は, 精神科看護師の職業性ストレスを測定・評価できる信頼性と妥当性を兼ね備えた尺度を用い, その評価に基づいた, 精神科病棟の特性に応じるメンタルヘルスケアの展開が必要である.
  • 王 克鏞, 島尻 正平, 吉田 敏弥, 山田 壮亮, 笹栗 靖之
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 32 巻 3 号 p. 273-279
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は87歳の男性. 食欲不振と全身倦怠感のため来院となり, 血液検査上C-反応性蛋白(CRP)が15.6mg/dlと白血球(WBC)が12500/μlで炎症反応が高値で, CT画像上では気管支肺炎を疑う所見を認めていた. 抗生剤ペニシリンを投与したが炎症反応のCRPとWBCの改善を認めず, その後抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)が107U/mlの上昇を認めたため, 血管炎が考えられた. ステロイドプレドニゾロン20mg/dayを投与し, CRPが2mg/dl, WBCが10000/μlまで改善したが, その後気管支肺炎の増悪と全身状態の悪化のため発症から3週間で死亡に至った. 剖検では多数の腎小葉間動脈のフィブリノイド壊死を伴う血管炎が認められた. また, 大動脈弁に細菌感染性疣贅形成を認め, 感染性心内膜炎の状態であり, 多臓器に細菌性塞栓と微小膿瘍形成を伴っていた. 我々は心内膜感染症を合併し, 急速な進行を示した顕微鏡的多発血管炎の1剖検例を報告する.
  • 中村 佐紀, 永田 智久, 永田 昌子, 丸山 崇, 立石 清一郎, 梶木 繁之, 茅嶋 康太郎, 堤 明純, 森 晃爾
    原稿種別: 報告
    2010 年 32 巻 3 号 p. 281-290
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学産業医実務研修センター主宰の産業医学実務講座を受講した産業医科大学卒業生60名に受講前後のアンケート調査を行い, 有効回答を得られた38名を対象者として回答内容の変化について評価を行った. 産業医学実務講座は年に3クール開講されており, カリキュラムは総括管理部, 健康管理部, 作業管理部, 作業環境管理部の4つに分かれている. 評価の結果「産業保健活動の実践への興味」は産業医学実務講座受講前後で有意な肯定的変化を認めたが, 「自分の専門分野の産業保健領域についての興味」は有意な変化を認めず, 診療科によってはその専門性と産業保健との関連性を認識することが難しいことが示唆された. また「産業医活動に関する知識・技術」および「産業保健の役割と産業医大の使命」については受講前後で有意な肯定的変化を認め, 産業医学実務講座が受講者の知識や使命感の向上に寄与していることが示された.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 報告
    2010 年 32 巻 3 号 p. 291-292
    発行日: 2010/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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