Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
33 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 高橋 公子, 川波 祥子, 井上 仁郎, 堀江 正知
    原稿種別: 原著
    2011 年33 巻4 号 p. 271-282
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    耳栓は騒音職場でもっとも頻用されている防音保護具であるが, 耳栓の遮音性には, 着用の習熟度や知識が影響を与える. 本研究の目的は, 個別教育とチェックリストを用いた自己練習が遮音値の改善に有効かを明らかにすることである. 方法は, 男女計10名にSEMI-INSERT型耳栓(E-A-R flex 350-1001)を渡し, 添付の説明書だけで着用させ, JIS T8161-1983に従って, 125〜8000Hzにおける遮音値を測定した. 介入方法は, 5分の口頭と文書による個別教育後, 1回10分, 7日間のチェックリストを用いた自己練習をさせるものである. その後, 遮音値を再測定した. その結果, 遮音値は教育後7.7〜11.7dBと全周波数で有意に改善し, 介入の効果が確かめられた. 本法は, 労働者に適用しうる簡便かつ有効な耳栓着用に関する教育方法である.
  • モーセン ヴィージェ, マリア マザヘリ, ザーラビゴム セエイドアカミリ
    原稿種別: 報告
    2011 年33 巻4 号 p. 283-291
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    イランは最近の十数年間, 年率で平均6%の順調な経済成長を遂げてきた. イラン経済では, 石油と天然ガスの生産および石油化学や化学肥料などの石油関連産業が主要産業である. イランには200万の事業所があり, 1600万人の雇用者がいる. イランの労働安全衛生は主に二つの組織-産業保健業務と法制に関しては保健省, 労働安全関係の法律の制定や施行に関しては労働社会問題省-が統括している. 各省の調査官が産業保健と労働安全の関係法制に従って定期的な産業保健と労働安全の調査を実施している. もっとも多い労働災害は筋骨格系障害, 呼吸障害, 騒音による難聴, および職業性外傷である. 労働安全衛生の体制は, 責任体制が関係組織間で重複する複雑なものとなっており, 労働安全衛生の改善のためには, イランの大学, 企業および政府機関の三者間での緊密な協力と信頼できる基礎資料が必要とされる. この報告ではイランの産業保健と労働安全の現状と活動について概括する.
  • 山崎 政治, 永田 好香, 門司 祥子, 重松 義紀, 馬場 哲郎, 下川 秀彦, 浦本 秀隆, 山田 壮亮, 花桐 武志, 田中 文啓
    原稿種別: 症例報告
    2011 年33 巻4 号 p. 293-301
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    乳腺アポクリン癌は, 全乳腺悪性腫瘍のうち0.3〜1%の頻度と稀である. 症例は55歳女性. 乳癌検診で右乳房の腫瘤を指摘され, 精査加療目的で来院された. 右乳房C領域に約1cm大の可動性良好な弾性硬腫瘤を触知した. 腋窩, 鎖骨上窩リンパ節腫大を認めなかった. 術前の穿刺細胞診にてinvasive ductal carcinomaと診断し, 右乳房温存術および腋窩リンパ節郭清を施行した. 腫瘍径は1.2×1.2×1.0cmであった. 最終病理組織検査では, 核小体が目立つ核と好酸性顆粒状の細胞質をもつ異型細胞が篩状から腺管状に増殖しており, 右乳癌(invasive carcinoma, special type:apocrine carcinoma T1cN0M0 stage Ⅰ)と診断した. ER(–), PgR(–), Hercep test score 0でTNBC(triple negative breast cancer)であった. 術後8年経過しているが, 無再発生存中である.
  • 中野 良昭, 齋藤 健, 山本 淳考, 高橋 麻由, 秋葉 大輔, 北川 雄大, 宮岡 亮, 植田 邦裕, 黒川 暢, 西澤 茂
    原稿種別: 症例報告
    2011 年33 巻4 号 p. 303-312
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    後交通動脈自体から生じる真性脳動脈瘤は少ないことが知られている. 特徴を有する真性後交通動脈瘤の破裂を生じた2症例を文献的な考察を加え報告する. 43歳男性, 胎児型後交通動脈から生じた真性後交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を生じ, 脳動脈瘤クリピング術を施行した. 手術では, 脳動脈瘤が側頭葉に埋没していたため, 脳動脈瘤を露出させるには脳の牽引が必要であった. 脳の牽引を行った際に, 脳動脈瘤の術中破裂を生じたため, 仮のクリッピングを行い, 出血をコントロールし完全な脳動脈瘤クリッピングを行った. 71歳女性, 意識障害が出現し, 同様にくも膜下出血を生じ, 脳動脈瘤クリッピング術を施行した. 脳動脈瘤の発生, 増大, 破裂には血行力学的な要因が関与すると考えられており, 特に真性後交通動脈瘤の発生には重要な要因となる. 文献によると, 真性後交通動脈瘤は胎児型後交通動脈からの発生が81.8%とほとんどであった. つまり, 胎児型後交通動脈による血行力学的な要因が脳動脈瘤の発生に強く関与していると考えられる. また, 解剖学的な位置より脳動脈瘤は側頭葉内に埋没していることが多く, 脳動脈瘤クリッピング術の際には脳の牽引が必要となり, 術中に脳動脈瘤の破裂を生じる危険性が高くなる. 真性後交通動脈瘤を手術する際には, 牽引時の術中破裂を特に注意し, 出血をコントロールする対応策を備えておくべきである.
  • 久保 利江子, 中村 元信, 戸倉 新樹
    原稿種別: 症例報告
    2011 年33 巻4 号 p. 313-317
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    37歳日本人男性, 交通事故を契機に脱毛が出現した. 病理組織学的に毛包周囲の異常角化細胞を認め, 免疫組織学的にはCD8陽性T細胞の毛包への浸潤を認めた. 初診4週間後, 彼は再度交通事故に遭遇した. プレドニゾロン内服とステロイド外用中であったが, 脱毛は汎発性脱毛へと進行した. 治療開始12週間後に頭皮全体に白髪の毳毛が出現し, 脱毛の改善傾向を認めた. 末梢血フローサイトメトリーにて, 脱毛の重症度に応じてInterferon-γ(IFN-γ)産生T helper 1(Th1)細胞やInterleukin-17(IL-17)産生Th17細胞は増加し, IL-4産生Th2細胞は減少することが示された. 脱毛がTh1, Th17細胞の活性化に惹起される可能性が示唆された.
  • 小川 みどり, 野本 摩利, 福田 和正, 宮本 比呂志, 谷口 初美
    原稿種別: 原著
    2011 年33 巻4 号 p. 319-329
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我々は, 1998年から2000年に産業医科大学病院で起きた非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria: NTM)による内視鏡洗浄機汚染問題の対策の中で, 水場環境中に多数のNTMが存在することを見出した. 本研究では, 病院および一般住居の水場の排水口, 蛇口114検体におけるNTMの分布状況をZiehl-Neelsen染色とpolymerase chain reaction(PCR)法でスクリーニングした. その結果, 病院施設で96%(27/28検体), 一般住居で40%(34/86検体)検出した. 次に培養法でNTMの生菌分離を試み, 病院から11株, 一般住居から24株を分離した. Mycobacterium gordonae(17株)がもっとも高頻度に分離され, Mycobacterium avium(4株)は病院からのみ分離された. M. avium 3株は抗結核薬を含む8剤すべてに耐性であった. また, 病院からの分離株2株は細胞内増殖性を示した. 消毒剤接触試験では, 80%エタノールに感受性であったが, 排水口の除菌効果は認められなかった. しかし, ブラッシングと80%エタノール処理を組み合わせることにより, 3ヶ月間抗酸菌の出現を抑えることができ, 適切な除菌法であると考えられた.
  • 石田尾 徹, 石松 維世, 保利 一
    原稿種別: 原著
    2011 年33 巻4 号 p. 331-336
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    局所排気装置のフードの性能は制御風速と排風量によって決定される. その設計にはDalla Valleの式が用いられることが多い. しかし, Dalla Valleの式は長方形型フードとスロット型フードで排風量の計算式が異なっていて, 両者の境界付近では計算値が異なる上, 実測値と必ずしも一致しない場合がある. 本研究では, 4種類のアスペクト比が異なる(スロット型および長方形型)外付け式フードについて, 開口面からの距離を変えて風速の測定を行い, 両形式のフードに適用可能な排風量と風速の関係を表現する実験式の開発を試みた. 風速の測定はフードの中心軸上を開口面からの距離を変えながら熱線風速計により行った. その結果, いずれのフードとも風速は距離と共に2つの指数関数の和で表現できることがわかった. さらに, アスペクト比を考慮した排風量と風速との関係式を作成し, 実験値と比較検討したところ, アスペクト比が9以下のフードについて, 両者は良好な一致が見られた.
  • 原田 大
    原稿種別: 総説
    2011 年33 巻4 号 p. 337-344
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    オートファジーは, 細胞内の蛋白や細胞内小器官の分解を行う機構である. オートファジーは, 蛋白, 糖ならびに脂質の代謝のみでなく発生や分化, 抗原提示, 微生物に対する細胞の防御, 異常な蛋白の除去や障害された細胞内小器官の排除にも重要な機構である. 近年, オートファジーと各種肝疾患との関連が明らかにされつつある. 本稿ではこれまで明らかにされてきたオートファジーと肝疾患の関連を概説する.
  • 2011 年33 巻4 号 p. 345-356
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top