Journal of UOEH
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34 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • ブ キュン キム, ドナルド ウィルソン, ヨウン シック チョイ, ヨーハン パク, ユンキー パク
    原稿種別: 原著
    2012 年 34 巻 2 号 p. 151-161
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    動脈硬化を脈波伝播速度を用いて評価することで,心血管疾患の罹患率および死亡率が予測できることが報告されている.メタボリックシンドロームと喫煙は,それぞれ心血管疾患のリスクを高めることも知られている.今回の研究目的は,メタボリックシンドロームと動脈硬化の関連性への喫煙の影響を評価することである.これまでに高神大学病院の健康診断において,上腕・足首脈波伝播速度(baPWV)を測定した男性(1,530名)を対象に,レトロスペクティブに調査した.PWVと正の相関を認めた変数は:年齢(r0.391P < 0.0001),収縮期血圧(r0.438P < 0.0001),拡張期血圧(r0.377P < 0.0001),LDLコレステロール(r0.068P0.008)とHDLコレステロールr0.027P0.287)であった.BMIPWVの関係は,有意ではなかったが,負の相関を認めた(r=-0.026P0.309).現在喫煙者では,PWVBMIが増加するにつれて低下し(1,387.9から1,311.6),HDLコレステロールが増加するにつれて上昇した(1,342.7から1,385.4).一方,非喫煙者では,PWV BMIが増加するにつれて上昇し(1,382.3から1,458.8),HDLコレステロールが増加するにつれて低下した(1,391.2から1,369.7).PWVは,BMIHDLと逆の関連性が見られ,これらの差は喫煙の影響によると考えられる.
  • 藁科 彬, 井上 真澄
    2012 年 34 巻 2 号 p. 163-173
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    広い範囲の副腎髄質細胞において神経入力および試薬により誘発される興奮性の変化を調べるために,Ca2+イメージング法を開発した.ラットおよびモルモットの副腎髄質に副腎静脈を介して逆行性にCa2+ 指示薬を取り込ませた.副腎に残存する神経線維を電気刺激すると,副腎髄質細胞にシナプス応答が誘発された.試薬は潅流液中に加えて副腎髄質に投与した.この方法により,γ-aminobutyric acid(GABA)がモルモットのほぼすべて,ラットの40%の副腎髄質細胞において細胞内Ca2+ 濃度の上昇を引き起こすことが分かった.
  • 中西 貴江, 渡邉 哲朗, 池田 篤志, 和田 太, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 症例報告
    2012 年 34 巻 2 号 p. 175-182
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    脊髄損傷後対麻痺で,右部分骨盤切除と左股関節離断術を施行した患者に対して,骨盤義足ソケットを作製した.重要な問題点は,骨盤切断端が非対称であることによる座位保持困難であった.我々は,座位保持の再獲得を主な目的として,骨盤義足ソケットを作製した.構成は,2重ソケット式で,外側は硬く,内側は柔らかい素材を用いた.特徴として,褥瘡の再発を予防するための圧分散を図り,安定した座位保持のためにソケットをわずかに後方に傾斜させた.加えて,通気孔,排泄管理のための腹部の窓,着脱のための2つのストラップを装備した.また圧分布測定器により断端と装具間の内圧分散を確認し,皮膚損傷の再発を予防した.患者は2ヶ月間の機能訓練を行った後,座位保持を再獲得し,自動車の運転ができるまで日常生活の拡大が可能となった.
  • ドナルド ウィルソン, マゼン ザクート, ジョン フン ホー, ユンキー パク, チュルホ オーク, 上野 晋
    2012 年 34 巻 2 号 p. 183-191
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    近年における研究によると,二酸化チタン(TiO2)ナノ粒子が肺,腎臓,肝臓および脳など様々な細胞で炎症反応を誘導することが示されている.その炎症反応が誘導されるメカニズムについては未だ明らかとされていないが,これまでの文献によると酸化ストレスがその根本的な役割を果たしていることが示唆されている.一方,核内因子κB(NF-κB)が炎症性サイトカインに反応して活性化されることも示されている.そこで本研究では,ヒト肺上皮腺癌(A549)細胞において,TiO2が誘導する炎症反応にNF-κBが関与しているかを検討した.24時間処理後におけるA549細胞からのIL-8放出量は対照群と比較して,10,50および250 μg/mlのP25 TiO2ナノ粒子において統計学的に有意に増加した.IL-8放出量の結果は,報告された知見を裏付けるものである.しかしながら,P25で6 時間処理した後のNF-kBのDNAへの結合性には影響を与えなかった.NF-κB検討の結果から,NF-κBのDNAへの結合がTiO2誘導性の炎症反応を生じるための転写経路とは考えにくい.
  • 花香 未奈子, 吉井 千春, 矢寺 和博, 伊藤 千与, 長神 康雄, 長田 周也, 山崎 啓, 西田 千夏, 川波 敏則, 川波 由紀子, ...
    原稿種別: 症例報告
    2012 年 34 巻 2 号 p. 193-199
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    症例は82歳男性.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease : COPD),肺結核後遺症などで当科外来通院中であった.通信販売で購入した5種類の健康食品を服用した翌日より38℃台の発熱が出現した.血液検査にて腎機能障害,炎症反応の上昇,creatine kinase(CK)の高値を認めた.病歴と検査データから横紋筋融解症,急性腎不全が疑われ,大量輸液にて解熱し,改善を認めた.5種類の健康食品のうちノコギリヤシの薬剤リンパ球刺激試験(drug lymphocyte stimulation test: DLST)が陽性であり,ノコギリヤシによる横紋筋融解症と考えられた.本例は健康食品が原因の横紋筋融解症の日本での初報告である.
  • 中本 充洋, 皆川 紀剛, 山口 幸二
    原稿種別: 症例報告
    2012 年 34 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    膵漿液性嚢胞腺腫(serous cystadenoma: SCA)は,悪性はまれであり経過観察されることが多い.今回我々は,嚢胞が増大傾向を示し,intraductal papillary-mucinous neoplasm(IPMN)との鑑別が困難であったため切除し,SCAであった1例を経験したため報告する.症例は58歳,女性.Meigs症候群を伴う右卵巣莢膜細胞腫に対して摘出術を施行された際,CTで膵頭部の多房性嚢胞性腫瘤を指摘され経過観察されていた.14ヶ月後のCTで嚢胞が2.4cmから3.5cmへ増大傾向を示し,嚢胞内に壁在結節を疑う所見を認め,IPMNの可能性が否定できなかったため,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後の病理診断ではSCAの診断であった.発見の時点ではMeigs症候群による多量の腹水のため嚢胞が圧迫され,実際の嚢胞の大きさよりも小さく見えていた可能性が考えられた.
  • 鷹居 樹八子, 弓削 なぎさ, 中村 恵美, 梁原 裕恵, 児玉 裕美, 山田 美幸, 柳井 圭子, 井野 恭子
    原稿種別: 報告
    2012 年 34 巻 2 号 p. 207-216
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    本研究は,看護学科2年次の学生に実施の基礎看護学実習における実習達成状況を連想法により明らかにする.分析の結果,療養環境の理解,生活援助を計画し実施すること,対象との援助的人間関係を築くことに関しては,実習体験を通した多様な学びの記述があった.実習目標は達成されたと言える.学習に取り組む姿勢も知識や基本や根拠を重視し,「応用する」,「振り返る」など体験を通して学びの姿勢を示した.しかし,療養環境の整備や援助計画の立案の方法に関すること,プライバシーの尊重は記述されていなかった.今後は,レポートの分析などから学びの具体的内容を加味して検討することが必要である.
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