Journal of UOEH
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35 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
[総説]
  • 真弓 俊彦, 染谷 一貴, 大坪 広樹, 高間 辰雄, 城戸 貴志, 亀崎 文彦, 吉田 雅博, 高田 忠敬
    2013 年35 巻4 号 p. 249-257
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    2005年に急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドラインを作成し,初めてこれらの診断・重症度判定基準を定め,2007年に初の国際的なガイドラインTokyo Guidelines(TG07)として発刊した.しかし,両者には相違があり,また,TG07は胆管炎診断の感度が低いことやガイドラインと実臨床とのギャップも指摘された.そこで,新知見を加えるとともに,両ガイドラインで同一の診断・重症度判定基準を策定することとなった.改訂委員会を組織し,多施設で急性胆道炎と非胆道炎症例を集積し,TG07の妥当性を検証し,新たな診断・重症度判定基準を作成した.国際的な意見交換,3回の国際検討会,35回の改訂委員会を開催した.これらを経て,TG13の診断基準の感度は上がり,偽陽性は減少し,重症度も臨床に即したものとなった.世界初の急性胆道炎の診療バンドルも新たに設けた.日本語版もTG13に沿って改訂し,診断,重症度判定,抗菌薬選択に有用なアプリも開発し,無料でダウンロード可能である.
[報告]
[短報]
  • 保利 一, 石松 維世, 笛田 由紀子, 樋上 光雄, 石田尾 徹
    2013 年35 巻4 号 p. 267-272
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    作業環境中における有機溶剤蒸気を簡便にリアルタイムで測定する方法を検討するため,薄膜干渉増幅法を利用したセンサーを有するリアルタイムモニターを用いて,わが国で作業環境測定が義務付けられている有機溶剤中毒予防規則の第1種,第2種有機溶剤全52物質(異性体を含む)に対するセンサーの特性を網羅的に検討した.20 l のテドラーバッグに溶剤を1~3 μl注入し,完全に気化させることにより試料を調製した.今回使用した52物質のうち,このモニターがまったく反応しない物質はなかった.トルエン,キシレンなど37物質については原点を通る回帰直線が得られ,作業環境測定への応用の可能性が考えられた.しかし,塩素系の溶剤など15物質については,原点を通らないか,または感度が低く,作業環境測定での利用は難しいと考えられた.
  • 厚井 志郎, 佐藤 典宏, 森 泰寿, 上原 智仁, 田村 利尚, 皆川 紀剛, 鳥越 貴行, 柴尾 和徳, 日暮 愛一郎, 山口 幸二
    2013 年35 巻4 号 p. 273-277
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    2002年4月から2012年12月までに当科で経験した閉鎖孔ヘルニア13例(術後再発3例を含む)を対象に,比較的稀な疾患である閉鎖孔ヘルニアの臨床像を明らかにする目的で,年齢・性別・BMI・術前診断・手術方法・転帰などを検討した結果,平均年齢は78.5歳(48-101歳),全例女性で,平均BMIは16.8 kg/m2(12.6-19.1 kg/m2)であった.閉鎖孔ヘルニアに特徴的とされるHowship-Romberg sign(閉鎖神経を圧迫することで生じる大腿内側を中心とした圧痛の所見)は3例に認めた.全例にCTを施行し,閉鎖孔へのヘルニア脱出を認め,術前診断し得た.手術の内訳は,腹腔鏡手術8例,開腹手術3例,鼠径法2例で,ヘルニア門の閉鎖はメッシュ使用8例,単純閉鎖5例であった.術中所見は係蹄型2例,Richter型10例,ヘルニア内容は全例小腸で,腸管壊死を3例に認めた.再発は3例(全例腹腔鏡,ヘルニア門処理:メッシュ使用2例,単純閉鎖1例)に認めた.自験例は高齢のやせ形女性に多く,骨盤部のCTが術前診断に有用であった.
英国における労働者健康支援の新しいかたち -Fit for Work- /[報告]
  • 松田 晋哉
    2013 年35 巻4 号 p. 279-289
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    高齢化の進行と傷病構造の変化,そして医療技術の進歩により急増する医療費をどのようにコントロールするかは先進国共通の課題となっている.英国は医療費増の抑制と医療の質向上を目的として,市場原理主義による医療制度改革を行ってきた.具体的には,General Practitioner(GP)によるゲートキーピングを内部市場の中で行う仕組み(GP Fundholding)の導入,公的病院建設における民間資本の活用(PFI),利用者が予算を持ちケアを購入する仕組み(Personal budget)などを導入してきた.しかしながら,その効果は十分に上がってはいないのが現実である.他方,社会保障制度を維持していくためには,雇用政策の充実が必要となる.具体的には雇用率の改善と労働生産性の向上を実現する政策である.こうした視点から,欧州では失業者に対する雇用訓練の義務化やワークシェアリングの導入など積極的な雇用政策が行われてきた.そして,近年では本号の他の著者が詳細に論述しているように医学的な面からも復職や雇用の継続を支援するための方策(Fit for Work: FFW)が展開されている.
  • 藤野 善久, 久保 達彦, 村松 圭司, 渡瀬 真梨子, 松田 晋哉
    2013 年35 巻4 号 p. 291-297
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    英国では,健康問題を抱える労働者の就業を支援する制度として,2010年からThe Statement of Fitness for Work(通称,Fit Note)と呼ばれる文書を医師が発行する仕組みが導入された.Fit Noteは,病気や外傷などの健康問題を抱える労働者が,就業に適しているか,もしくは就業配慮が必要かに関する意見を医師が記載したものである.通常,Fit Noteは,労働者が雇用主に提出し,就業配慮を求めるために利用されたり,もしくは就業できない場合には,休業補償(Statutory Sick Pay)の申請書類として用いられる.今回,英国におけるFit Note導入の背景と運用状況に関する調査を,General Practitioner,産業医,理学療法士のインタビューを通じて行ったので報告する.
  • 久保 達彦, 藤野 善久, 村松 圭司, 松田 晋哉
    2013 年35 巻4 号 p. 299-303
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    英国では2010年からThe Statement of Fitness for Work(通称Fit Note)と呼ばれる就業支援を目的とした医療文書を地域医療を担うGeneral Practitioner(GP)が発行する仕組みが導入されている.今回,我々はFit Noteの導入影響に注目しつつ英国の産業医制度の現状について現地で2名の産業医に対してインタビュー調査を実施した.現地の産業医からは産業医が不足して国民全体,とりわけ中小企業や自営業者には産業保健サービスが行き渡っていないことへの強い課題認識が繰り返し聴取された.Fit NoteはGPの産業保健への参加を誘導するツールとして位置づけられ,地域医療の担い手であるGPは産業保健の新たなパートナーとして期待されていた.現地の産業医はFit NoteおよびGPの産業保健への参入を英国の産業衛生の着実な前進と評価していた.
  • 村松 圭司, 久保 達彦, 藤野 善久, 松田 晋哉
    2013 年35 巻4 号 p. 305-311
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    英国の雇用関連給付には,我が国の傷病給付金や雇用保険に対応するものとしてStatutory Sick Pay, Jobseekerʼs Allowance, Employment and Support Allowanceがある.英国では「福祉から労働へ」(Welfare to Work)のスローガンのもと,つねに労働のインセンティブが働くよう福祉制度改革が行われており,貧困と福祉への依存を解消するために,非拠出制給付を一本化したUniversal Creditという新たな給付方式が2013年から開始となった.また,これまでのフレキシブル・ニューディール政策は廃止され,「福祉から労働へ」施策はすべて「ワークプログラム」にまとめられ,就労を継続することにインセンティブが働くよう労働施策も改革が行われている.
  • 村松 圭司, 久保 達彦, 藤野 善久, 松田 晋哉
    2013 年35 巻4 号 p. 313-316
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    英国の労働災害給付には,長期的な労働不能に対する給付であるIndustrial Injuries Disablement Benefit (IIDB,労働災害障害補償)がある.IIDBは個人事業主や軍関係者,見習いの一部は対象外となっている.IIDBの給付は業務関連災害および疾病と該当する業務のリストが存在し,その災害および疾病が原因の障害を評価し,額が決定される仕組みとなっている.我が国で行われている療養(補償)給付に関してはNational Health Service (NHS)の枠組みで行われており,労働災害給付の枠組みには含まれていない.我が国における二次健康診断等給付に該当するような予防的事業も労働災害給付のスキームでは行われていない.また,石綿肺を含むじん肺に関してはIIDBのスキームで給付などが行われている.
[訂正]
[第35 巻(1-4号) 総目次]
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