Journal of UOEH
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36 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
[報告]
  • Ejeatuluchukwu OBI, Orish Ebere ORISAKWE, Charles OKAFOR, Anthony IGWE ...
    2014 年36 巻3 号 p. 159-170
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    この研究は,ナイジェリアにおいて,母体および臍帯血の血中鉛濃度(BLL)を測定し,他の地域と比較することを目的とする.我々は,母親の血液および臍帯血のBLLと,新生児の人類学的計測値との関連性の調査を行った.ナイジェリア南東部ンネウィの別の3病院で出産した119人の女性から採取した,臍帯血および母親の血液サンプルを用いてBLLを測定した(誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を使用).新生児の人類学的計測(頭囲・腹囲・出生体重・出生身長・頭臀長)を行った.母親の血液サンプルの10.9%,臍帯血サンプルの3.4%から,10 μg/lより多い鉛が検出された.母体のBLLは6.19±2.77 μg/dl (平均±標準偏差),臍帯血BLLは4.75±2.59 μg/dl (平均±標準偏差)であった.臍帯血BLLと頭臀長の明確な関連性(R = 0.204,P = 0.026)を除けば,子どもたちの人類学的計測値と,母親の血液および臍帯血BLLには有意な関連性は見られなかった.
[総説]
  • 柳原 延章, 石 明寛, 後藤 幸生, 蜂須賀 徹, 中野 正博
    2014 年36 巻3 号 p. 171-177
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    女性の更年期障害とは,更年期に現れる多種多様な症候群である.この更年期症状に自律神経活動の失調が重要な役割を担っていることが知られている.今回の短い総説において,女性の更年期症状と六角形レーダーチャートで表示される心拍変動パワースペクトル解析にて測定した自律神経バランスとの関係について私達の最近の知見を紹介する.結果は,更年期障害患者において交感神経被刺激度,交感神経興奮度および内在活力(R-R 間隔平均値標準偏差)が健常者のそれらに比べて有意に低下しており,また簡略更年期指数と心拍変動のゆらぎの間に関連性(r = -0.363, P = 0.0167)が認められた.以上の結果より,更年期症状と自律神経活動には密接な関係があり,今回使用した心拍変動周波数解析法によるレーダーチャート式表示法は更年期障害の診断や治療の補助的手段として有力な手法となる.
  • 緒方 喜久代, 成松 浩志, 鈴木 匡弘, 樋口 渉, 山本 達男, 谷口 初美
    2014 年36 巻3 号 p. 179-190
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌は,食中毒や院内感染型MRSA (hospital-acquired methicillin-resistant Staphylococcus aureus (HA-MRSA))の起炎菌として公衆衛生上重要な位置を占めてきた.加えて近年,市中感染型MRSA (communityacquired methicillin-resistant Staphylococcus aureus (CA-MRSA))の増加が問題になっている.しかし,その感染源は明らかにされておらず,疫学情報の報告も少ない.本稿では,市中におけるMRSAの汚染状況を把握するため,大分県下で流通する市販食肉305検体と下痢症患者便1,543検体を対象に,黄色ブドウ球菌ならびにMRSAの分離を試みた.黄色ブドウ球菌は301株分離され,うちMRSAは18株(鶏肉2株,豚肉1株,鴨肉1株,下痢症患者便14株)で,すべてPantonValentine leucocidin遺伝子陰性であった.これらMRSA株の性状比較ならびに分子遺伝学的疫学解析を行い,市販流通食肉がCA-MRSAの来源の一つとして伝播拡大に関与している可能性を明らかにした.
[資料]
  • 康永 秀生, 松居 宏樹, 堀口 裕正, 伏見 清秀, 松田 晋哉
    2014 年36 巻3 号 p. 191-197
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    DPC (Diagnosis Procedure Combination) は,わが国で独自に開発されたケースミックスに基づく患者分類システムであり,入院医療費の包括支払制度とリンクされている.DPCシステム導入の主な目的は,診療報酬の電子請求システムを実装すること,および電子データの蓄積と公開による医療の透明性の確保である.DPCデータには様式1の患者基本情報とEFファイルの診療行為明細情報が含まれる.DPCデータの利点は,臨床研究にも適用できる詳細なプロセスデータおよびいくつかの臨床データが含まれていることである.本稿では,DPCデータベースの構造と内容を説明するとともに,米国の全国入院患者情報と比較しつつDPCデータの臨床研究利用可能性について解説する.
[症例報告]
  • 丈達 陽順, 野口 真吾, 矢寺 和博, 篠原 周一, 岡 壮一, 山﨑 啓, 西田 千夏, 川波 敏則, 川波 由紀子, 石本 裕士, 宗 ...
    2014 年36 巻3 号 p. 199-203
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    症例は73歳,男性.動悸と呼吸困難を主訴に来院した.精査の結果,原発性肺腺癌(cT1aN2M1b(BRA),stage Ⅳ)と診断されたが,積極的な治療は希望せず,無治療で経過観察されていた.2週間前から徐々に増悪する呼吸困難が出現したため当科を受診した.胸部CTでは心嚢液貯留を認め,癌性心膜炎による心タンポナーデの症状が疑われたため,緊急入院となった.入院後,心嚢液ドレナージ目的で心膜開窓術を行ったが,術中所見にて心筋転移および心膜転移を疑う所見を認め,また,心膜切開直後にショックにより一時心停止となった.心嚢液貯留を認める肺癌患者では,癌性心膜炎や心膜転移のみならず,稀ではあるが心筋への転移の可能性についても考慮する必要がある.
[報告]
  • 松浦 祐介, 岡 ハル子, 山縣 数弘, 菊池 譲治, 井上 功, 大久保 信之, 土岐 尚之, 川越 俊典, 蜂須賀 徹, 柏村 正道
    2014 年36 巻3 号 p. 205-215
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    子宮頸癌は日本においてもっとも頻度の高い婦人科悪性腫瘍である.細胞診による子宮頸がん検診はその有効性を証明する十分な証拠があるにもかかわらず,日本の子宮頸がん検診受診率は約20%であり,他の先進諸国と比較して格段に低い.2001年度の北九州市の子宮頸がん検診受診者数は15,501人(受診率は6.8%)と全国平均の半分以下であった.厚生労働省は女性特有のがん検診事業の一環として2009年度から20,25,30,35,40歳の女性に対して「がん検診無料クーポン」を配布した.すると2012年度には北九州市の検診受診者数は31,970人(受診率は22.3%)と倍増し,ほぼ全国レベルまで到達してきた.子宮頸癌の発生にはハイリスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが明らかであり,HPVはおもに性行為によって感染する.近年,若年者を中心に子宮頸部初期病変・子宮頸癌が増加しており,2008年には異常細胞診症例(要精検者)を2.3%に認めた.子宮頸がん検診受診率向上のためには,費用対効果を考慮した効果的な検診システムの確立も重要である.子宮頸癌による死亡率を減らすためには国・地方自治体・医療機関・企業・教育の現場などが現状を正確に把握し,積極的に子宮頸がん検診受診率向上の課題に対して取り組むことが必要である.
  • 岡原 伸太郎, 李 秉雨, 小笠原 隆将, 森 晃爾
    2014 年36 巻3 号 p. 217-226
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    韓国では従業員50人以上の中規模から大規模事業場では保健管理者や産業医を選任する法的義務がある.しかし,従業員数50人以上300人未満の中規模事業場では,従業員数300人以上の大規模事業場に比べて経済的な基盤がぜい弱であることなどから,自立的に産業保健活動を行うことが難しい場合が多い.そのため韓国では1990年の労働安全保健法改正によって,中規模事業場では事業場における保健管理業務を保健管理代行機関に委託できるようになった.この保健管理代行機関による保健管理業務の委託は,日本における健康診断や作業環境測定,産業医機能の外部委託に類似している.しかし,その法律背景や実際の活動について韓国独自の発展を遂げており,我が国とは異なる点がある.特に法規制および行政監督による保健管理代行機関に対する品質管理や多職種連携による保健管理代行サービスの提供は,中小規模事業場の産業保健を普及,推進することに寄与している.韓国の保健管理代行機関制度の特徴は日本の今後の中小規模事業場に対する産業保健サービスのあり方を考える上で参考になる.
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