Journal of UOEH
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42 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • アミット リトー, マラバルバス ジェラルド
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 151-160
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー
    筋肉および腱の痛みは教師にもっともよくみられる訴えのひとつである.本研究はフィリピンの公立学校教師における筋骨格系障害(MSDs)の有病率およびそのリスク要因を調査することを目的とした.フィリピンのサマル州カルバヨグ市地区の200名の公立中等学校の教師を対象とし,筋骨格系症状の分析には韓国産業安全衛生公団(KOSHA)のMSDs質問票(英語版)を使用した.回答者のMSDs有病率の確認には,度数および割合を計算した.カイ二乗検定およびロジスティック回帰を用いて,社会人口統計学的プロフィール,教育に関する変数およびMSDs有病率の相関関係を計算した.MSDsの全体の有病率は74.5%で,中でも脚(56.5%),腰(56%)がもっとも高かった.年齢群(P = 0.032)と賃金群(P = 0.045)にMSDs有病率の有意差がみられた.フィリピンの公立中等学校において,MSDsを有する教師は非常に多く存在しており,学校管理者,カリキュラムおよび方針の立案者,その他の利害関係者は,教師の労働環境を改善すべきである.
  • スリシャワティ スリシャワティ, ロフマヤンティ ロフマヤンティ, ファジャール ファトマワティ
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 161-166
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー
    マラリアはいまだ世界の公衆衛生における懸案事項であり,リスク要因を特定することは,マラリア制御に向けた取り組みを決定するために不可欠である.今回,マラリアの潜在的な環境的リスク要因および人間の行動におけるリスク要因を研究した.2018年6月から8月にかけて,バンジャルネガラのバンジャルマング第一保健センターエリアで対症例対照研究を実施した.構造的調査票およびチェックリストを用いて50名の参加者からデータを集め,カイ二乗検定,フィッシャーの正確確率検定およびロジスティック回帰で分析した.ベッドネットの下で寝ていないこと(OR = 2.087 [95%CI : 1.148 – 3.795]),屋内換気に金網がないこと(OR = 3.9 [95%CI : 0.624 – 24.452]),野外活動時の予防策不足(OR = 2.020 [95%CI : 1.033 – 3.953])にマラリアと正の関連がみられた.ベッドネットの下で寝ていないこと,屋内換気に金網がないこと,屋外で活動しているときの予防策不足が,マラリアの独立したリスク要因として特定された.
  • 田島 貴文, 森 俊陽, 平野 文崇, 佐羽内 研, 川崎 展, 山中 芳亮, 塚本 学, 酒井 昭典
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 167-173
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー
    日常診療において,細菌感染による化膿性関節炎と偽痛風発作などの非化膿性関節炎の鑑別は手術加療を要するか否かを判定する上で非常に重要であるにもかかわらず,早期段階では困難であることが多い.本研究では,発熱を有する関節炎患者において,血清および関節液中のα-defensinおよびβ-defensinが感染の診断に有用であるか否かを検討することを目的とした.対象は,37°C以上の発熱を有し,膝関節もしくは股関節に疼痛を伴った関節炎を発症した患者12例である.化膿性関節炎の診断の確定は,MSIS(Musculoskeletal Infection Society)によるPJI(Periprosthetic Joint Infection)定義を参照とし,感染群と非感染群に分けた.ELISA法で血清および関節液中のα-defensin-1およびβ-defensin-3を測定した.血清中α-defensin-1は両群で有意差はなかった一方で,関節液中α-defensin-1(ng / ml)は感染群で33.6 ± 26.2,非感染群で0.9 ± 0.4と有意に感染群で高値を示した.β-defensin-3は血清,関節液ともに有意差は認めなかった.感染群において,人工関節のない症例においても関節液中α-defensin-1は高値であった.発熱を有する関節炎患者において,化膿性関節炎では関節液中α-defensin-1は非化膿性関節炎と比較して有意に高値であった.関節液中α-defensin-1は化膿性関節炎の診断において有用なマーカーである.
  • ハミドゥアサマン モハマド
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 175-185
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    バングラデシュを含む亜熱帯の国々では,季節の変動が高齢者の身体的健康および疾病の状態にマイナスの影響を与えている.これまでの研究では,特に農村部の高齢者女性をサポートするプライマリケア体制および医療活動において,季節の変動がもたらしたリスクを取り上げたものはない.季節の変動が農村部の高齢者女性の病気や症状を増加させることもあるなかで,本研究は季節の変動が健康に与えた影響を特定し,その地域の女性が医療サービスの利用に関連する決定要因を調べることを目的としている.我々は,農村部の高齢者女性65名および医療従事者11名を対象として録音の半構造的面接といった簡単な調査を行い,混合研究法を使用した.定量的データはSPSSで分析し,定性的データの主題分析はNVivoによって行った.農村部の高齢者女性の自己評価した健康歴から,以下三つの主要な季節的症状の有病率を特定した.頭痛(28 / 43.1%),消化器疾患(27 / 41.5%),および体の痛み(27 / 41.5%).吐き気,頭痛,消化器障害など三つの症状の有病率は,調査した村によって大きく異なった(p <0.05).女性のうち,60-70歳の年齢層に症例数が最も多く,次に71-80歳の年齢層が続いた.症例数は三つの季節で大きく異なった(p = 0.021).一方,女性のうち78.5%と55.4%がそれぞれ一つと二つの症状/疾患を報告したが,地域の外来受診は季節によって大きく異なった(p = 0.011).プライマリケアの利用が低く,医療制度,女性の貧しい生活環境および治療への抵抗感が医療サービスの利用を制限している.我々の研究は予防策と治療の促進において政策の改正が必要であると示唆した.解決策として,地方の診療所機能を強化し,医療スタッフと高齢者女性に対する健康教育を継続させることが挙げられる.

  • ウィラワン アイ マディ アディ, グリフィス ロビン, ラーセン ピーター
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 187-201
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    この研究は,低から中程度の心血管疾患リスクを持つ無症候性の人々を管理する際により積極的なアプローチを支える利用可能な証拠を調べ,高血糖,高脂血症,高血圧の服薬治療を開始するための適切な閾値を評価し,航空会社のパイロットへの影響を示すことを目的とする.すべてのEBMレビュー,EMBASE,およびOvid MEDLINEデータベースを含むOvidSPインターフェイスを使用して,体系的な検索を実施した.データーには16件のランダム化比較試験が含まれ,服薬治療を開始するための適切な閾値が抽出された.高脂血症の治療に関する研究では,中リスクの人々の介入開始の閾値は3.36 mmol/l(130 mg/dl)のLDL-Cレベルであることが示された.下限またはさらなる減少が有益とならない最適なLDL-Cレベルはなかった.高血糖症の治療に関する研究では,空腹時血漿グルコースの閾値が5.3 mmol/l以上(95 mg/dl)であり,2時間の食後グルコースレベルが7.8 mmol/l(140 mg/dl)であることが服薬治療の開始に妥当であることが示唆された.血圧が≥130 /≤89 mmHgまたは≤139 /≥85 mmHgの人に治療を開始すると,ステージ1高血圧発症リスクが大幅に減少した.多因子介入研究では,高血圧患者(BP≥160/≥100 mmHg)で,総コレステロール6.5 mmol/l(251.35 mg/dl)以上の患者への治療を開始すると,致死性および非致死性心血管イベントの発生の大幅なリスク削減をもたらした.大規模な試験から得られた証拠は,5年のCVDリスクが5-10%および10-15%の無症候性パイロットの高血糖症,高脂血症,高血圧の管理におけるより積極的なアプローチを支えている.

  • 森本 俊規, 内村 圭吾, 山﨑 啓, 神田 英樹, 榊原 秀樹, 橋本 康平, 中村 圭, 茂見 紗喜, 宮田 依未子, 山口 雄大, 池 ...
    原稿種別: [症例報告]
    2020 年42 巻2 号 p. 203-208
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    症例は,胸部レントゲン写真にて右上肺野にニボー様の透過性低下を伴った肺嚢胞を指摘された37歳の男性.広域スペクトラムの抗菌薬治療にも関わらず,液面レベルは徐々に上昇した.右上葉切除が行われ,抗酸菌を伴った類上皮肉芽腫が病理組織学的に認められた.内腔液の細菌培養検査は陰性であったが,抗酸菌培養検査はMycobacterium aviumが陽性であった.そのため,患者はMycobacterium aviumによる感染性肺嚢胞と診断された.感染性肺嚢胞の切除後,患者は抗酸菌治療薬を用いた追加治療を受けた.我々が知る限り,本報告は,Mycobacterium aviumによってのみ生じた感染性肺嚢胞の最初の英文報告である.

  • 鈴木 恒平, 齋藤 健, 酒井 恭平, 宮川 正, 本田 裕子, 保科 隆之, 小川 将人, 浅井 完, 山内 健, 山本 淳考
    原稿種別: [症例報告]
    2020 年42 巻2 号 p. 209-216
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    脳室腹腔(VP)シャント術は水頭症に対して一般的に行われ,手術に伴ういくつかの合併症についてもよく知られている.一方,VPシャント後に迷入した腹側カテーテルによる横隔膜の刺激に伴う肩への放散痛は稀な合併症として数例の報告があるのみである.今回,Propionibacterium acnesP. acnes)関連腹膜炎による腹膜の炎症と癒着のため,VPシャント再建術後にも繰り返し肩への放散痛を呈した9歳女児の症例を経験した.P. acnesは一般培養検査で検出されず,16SリボソームRNA遺伝子ポリメラーゼ連鎖反応(16SrRNA遺伝子PCR)および嫌気性培養,増菌培養で検出され,十分な抗生剤治療の後,脳室心房(VA)シャント術を施行し,その後肩への放散痛は再燃なく経過している.腹側カテーテルによる横隔膜への器械的な刺激は肩への放散痛を引き起こし,カテーテルの入れ替えによって改善するとされるが,感染性腹膜炎による腹膜の炎症や癒着はカテーテルの入れ替え後も症状を再燃させる因子になる可能性がある.稀ながら腹側カテーテルによる肩への放散痛はVPシャントの合併症として認識する必要がある.また,カテーテル交換後も症状再燃を繰り返す際には,弱毒菌による感染症の除外のためPCRや嫌気・増菌培養を行い,VAシャントへの切り替えを検討する必要がある.

  • 梅村 武部, 西澤 茂, 宮地 裕士, 山本 淳考
    原稿種別: [症例報告]
    2020 年42 巻2 号 p. 217-222
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    脳実質内の海綿状血管腫は拡張した腔を持つ血管奇形である.我々は,二箇所の海綿状血管腫が高次脳機能障害を呈した稀な症例を経験したため報告する.症例は74歳男性で認知機能障害を呈していた.MRI検査にて左前頭葉に出血を伴う二箇所の腫瘍性病変を認め,術前診断では海綿状血管腫の出血と診断された.腫瘍と皮質静脈との関連を調べるために,この腫瘍に対して三次元モデルを作成した.二つの腫瘍の関連を把握することで二箇所の腫瘍は小さな皮質切開から摘出を行うことができた.今回の症例は,二箇所隣接して存在する稀な海綿状血管腫であり,三次元モデルが二箇所の腫瘍を摘出するのに有用であった.

  • 神田 英樹, 内村 圭吾, 原 幸歌, 榊原 秀樹, 森本 俊規, 茂見 紗喜, 中村 圭, 橋本 康平, 岩永 優人, 山口 雄大, 宮田 ...
    原稿種別: [原著]
    2020 年42 巻2 号 p. 223-227
    発行日: 2020/06/01
    公開日: 2020/06/08
    ジャーナル フリー

    近年,超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration; EBUS-TBNA)は,肺癌のリンパ節転移診断のみならず,良性疾患においても有用性が多く報告されている.今回我々は2010年11月から2016年1月に当科でEBUS-TBNAを施行した結核性リンパ節炎の検査結果に関して後方視的に検討した.同期間に行われたEBUS-TBNAは427例であった.最終的に結核性リンパ節炎と診断された症例は6例であった.穿刺したリンパ節は8病変であった.病理組織学的には,6例全例(100%)で結核性リンパ節炎に矛盾しない所見が得られ,6例のうち3例(50%)において,組織標本のチールネルゼン染色にて抗酸菌染色陽性であった.なお,6例全てにおいて,穿刺針洗浄液の抗酸菌塗抹検査は陰性で,2例で抗酸菌培養検査が陽性(33.3%)であり,2例で結核菌PCR検査が陽性(33.3%)であった.本検討では,病理所見の結核性リンパ節炎との一致率は高かった(100%)が,穿刺針洗浄液の抗酸菌培養・結核菌PCR検査の陽性率は低かった.結核性リンパ節炎においては,穿刺針洗浄液の抗酸菌培養・結核菌PCR検査の陽性率が低いことを念頭に置いて,EBUS-TBNAの検査結果を慎重に判断する必要があることが示唆された.

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