Journal of UOEH
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5 巻 , 1 号
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  • 土屋 健三郎
    1983 年 5 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 馬場 謙介
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本病理剖検輯報の1974年から1980年の間に剖検された症例の中に, 222例の悪性中皮腫(0.114%)がみられた. 肋膜の悪性中皮腫は, 145例(0.074%)であった. 1974年から1977年までのいずれの症例にも, 石綿症を合併した症例はなかったが, 1978年に1例, 1979年に3例(内1例は自験例), 1980年に2例の石綿症を合併する症例を得た. うち, 女性2例は, 家婦で, 男性4例は, 造船工, 溶接工, 陶工, 製鉄業者であった. これら6症例は, 大型船造船所の多い, 堺市(2例), 呉市, 貝塚市, 長崎市, 神奈川県を(輯報上の)住所としていた. 西欧における石綿の使用量の急増とわが国におけるそれとの時間差に見合った時間差の後, (1978年から)わが国においても, 石綿症を合併した肋膜の悪性中皮腫で死亡する症例が現われはじめたことを指摘した.
  • 土井 規靖
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    妊娠22週から妊娠41週までの長期間にわたって, 個々の妊娠週数毎の胎児の陰嚢像, 陰茎像, 大陰唇像の作像可能率を求めた報告は見当たらない. ここでは骨盤位, 横位について, 妊娠22週から41週まで各妊娠週数毎の胎児の陰嚢像, 陰茎像, 大陰唇像, M型像, F型像の作像可能率を求め, 各像を観察するのに最も適した時期を求める事を目的として本研究を行った. 分娩を終了した620例について妊娠中に総計3,039回の超音波断層法を施行した結果, 1)胎位別作像可能率は頭位, 骨盤位, 横位の順に低下した. 2)各妊娠週数毎の各像のⅠ・Ⅱ操作法による作像可能率が求められ各像を観察するのに適当な時期が求められた. 3)全体として骨盤位で74.1%(男性胎児), 68.3%(女性胎児), 横位で66.2%(男性胎児), 58.6%(女性胎児)の正診率を示した.
  • 岡井 康二
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    精製したラットの肝細胞のRNAポリメラーゼⅡについて電子顕微鏡を用いてその存在様式と機能について分析したので報告する. 精製したRNAポリメラーゼⅡは, 電子顕微鏡で見るとそれぞれの平均直径が, 324Åと152Åの二種類の粒子像が, 認められた. 他の分析結果と合わせて考えると前者が, 酵素ダイマー, 後者が, 酵素モノマーと考えられた. また, プロモーター領域を含んだファージDNAを用いてそれらの酵素のDNAに対する結合の状態を調べると圧倒的に, ダイマー型の酵素が, 撰択的に結合していた. さらにその結合位置は, プロモーター領域に集中していた. これらの結果より転写のプレイニシエーションの過程でRNAポリメラーゼⅡのダイマーがDNAに対する認識に何らかの役割をしている可能性が示唆された.
  • 白木 啓三, 佐川 寿栄子, 今田 育秀, 中山 英明
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 35-47
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    31気圧にて14日間飽和潜水を行った際の血液学的な変化および赤血球の脆弱性を赤血球膜の脂質との関係において研究した. 31気圧では当初血液濃縮がみられ, これは尿量の増加の結果であると推定された. 赤血球の脆弱性および膜脂質構成成分は日による変動がかなり見られたが, これらの変化は気圧の変化とは直接連動しなかった. 赤血球の脆弱性と膜のphosphatidyl choline分画および血漿中の総cholesterol量とは有意の相関がみられた. 今回みられたこのような相関は気圧の変化によってのみみられるものではなく, むしろ個人差, 日変動等の要因によっても起こる脆弱性の変化は膜および血漿の脂質成分の変化によって惹起するという事実を裏づけたものである. 今回の実験ではヒトが31気圧ヘリウム環境に長時間滞在しても血球の機能には変化がみられないことを実証した.
  • 柳沢 一明, 末永 義則, 西尾 一方, 後藤 貞夫
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒト2か月女性胎児の皮膚より線維芽細胞様細胞系を樹立した. この細胞系の寿命は95-100世代であり, 倍化時間は20時間, plating efficiencyは67%, saturation densityは4.6×104cells/cm2であった. 染色体を調べると正常ヒトの46XX型の核型を示した.In vitroでは自然にトランスフォームしないが, SV40ウィルスを用いると容易にトランスフォームした.
  • 平本 嘉助
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    運動器において骨の計量化はMartin(1928)によって体系化され, その手法による骨の形態に関しての解析が進展している. 同じ運動器に属する軟部組織のなかでは, 筋に関する計量化のみが広く研究されているが, その他では殆ど行われていない. 運動機能上重要な役割をもつヒトの足底腱膜に着目し, その脛側腱膜の計量化を試みた. 8項目からなる計測を行い, 左右差をt検定法によって行ったが, 有意差を示したものは前脛側腱膜厚で, 右側が左側より有意に厚かった. 8項目中6項目は有意差を検出できなかったが, 右側は左側より大きな値をとる傾向が見られた.
  • 平本 嘉助
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 61-68
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒトの足底腱膜は脛側腱膜と腓側腱膜とからなり, その腓側腱膜の形態は踵骨隆起内側突起に起始し, 第5中足骨粗面に停止する外側腱線維束と, それより内側に向かう内側腱線維束とからなることが知られている. 外側腱線維束は恒常的に存在するものであるが, 内側腱線維束は多様な変異形態が観察されている. 日本人における多様性についての研究はまだ不完全であった. 本研究はこの内側腱線維束の変異について現代日本人39例をもちいて観察したものである. 結果として, 内側腱線維束が脛側腱膜の深層に達する例は69.2%を示し, 外側筋間中隔に終わる例は10.3%を示す. また内側腱線維束の欠損する例は20.5%を示す. これらの変異型の出現頻度を工藤による日本人の結果と比較するとX2検定法では有意差を示さない. ヨーロッパ人を研究したLothによる結果との比較ではこれらの出現頻度は5%の危険率で有意差があることが判明した. このことから内側腱線維束の変異は人種間において差があるものと考えられる. またこの内側腱線維束の存在する例においては外側筋間中隔の一部を形成し, 小指屈筋および母指内転筋横頭の一部筋束の起始を与えるものなどが観察された.
  • 華表 宏有, 土井 徹
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 69-82
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    北九州市内の社会福祉施設ならびに社会福祉行政機関等244施設に常勤または非常勤医師として関与している196人の医師会会員(A会員173人, B会員23人)を対象として, 5地区別, A・B会員別に性, 年令, 診療科目などの属性の分布状況になんらかの特徴があるかどうかを検討した. 地区別にみると門司24人, 小倉78人, 若松20人, 八幡55人, 戸畑19人であり, 性別では男188人, 女8人である. また全体の平均年令は53.7才(昭和55年末現在)である. 診療科目をみると, 全体としては内科を一番目に標榜するものが121人で最も多く, 小児科31人, 外科20人, 産婦人科8人, 整形外科, 精神科各6人, 耳鼻咽喉科3人, 眼科1人となっている. A会員についてみると内科113人で, これは内科全体の32.5%に相当する. 同じく小児科は28人で小児科全体の47.5%となっている. 整形外科と産婦人科はB会員の方が多くなっている. 社会福祉施設に関与している医師の属性は, その施設の目的, 性格によって多岐にわたっていることを考察した.
  • 今田 育秀
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    非蒸発性熱交換量測定は難しく体熱平衡式から産熱量(M)と蒸発性熱放散量(E)を実測してその差として求めることが多い. この場合身体の蓄熱量(S)の推定が必要であり, 短時間の測定時には大きい誤差を生じる. 対流性熱交換量(C), 放射性熱交換量(R)を別個に或いは一緒にして平均皮膚温(Tsk)と環境温(Ta)の差に係数(h)を乗ずることによって算出する計算式も種々提唱されている. C算出の係数(hc)は風速, 圧力等の環境条件および体位, 運動等の身体的状況によって異なる. 更に同一風速において種々の環境温で測定したMSETsk-Taに対してプロットして直線で回帰するとTsk-Ta=0でもMSE=0とならない. これはR+C算出の係数が環境温によっても変化することを意味し, 正しい体熱平衡の推定はR+Cを実測することによって得られることになる. そこで我々は熱流測定素子を用いて(R+C)の実測を試みた. 健康男子を被験者として圧力調節室内で実験を行った. 熱流測定素子はWinslow et al.(1936)の皮膚温測定部位にならい身体15部位に装着し, Tsk算出と同様の重みを乗じて身体の平均非蒸発性熱交換量(Q)とした. 温度, 湿度, 風速を一定に保った環境条件下に長時間安静にさせた平衡状態での測定においても, 環境温を急激に変化させた測定においても(R+C)はQとして実測できることが確認された.
  • 岡村 靖
    原稿種別: 症例報告
    1983 年 5 巻 1 号 p. 91-94
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    現在, 国内においても, 国外においても更年期障害治療に, 体外からestrogenを投与する方法が一般的に用いられているが, estrogenと発癌との関連が近年いくつかの論文で示唆されているので, estrogenを更年期婦人に投与することはなるべく控えることが望ましいと考える. この点に留意して, 筆者はestrogenを投与しないで更年期障害の内分泌療法を行うことに着眼した. すなわち, 更年期障害患者にestrogenを内服もしくは注射することなしに, 無排卵になりかかった卵巣に対して, 穏やかに排卵誘発を行い, 眠らんとする卵巣を再び元気づける方法を筆者は提案したい. 本稿ではこの新しい考え方で更年期障害患者に対して治療を行い,好結果を得たので報告する.
  • 吉田 真一, 田辺 忠夫, 山本 晴香, 千葉 省三, 水口 康雄
    原稿種別: 症例報告
    1983 年 5 巻 1 号 p. 95-100
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は再生不良性貧血の診断で昭和56年3月より入院中の59才男子である. 同年7月26日外泊中に全身倦怠感, 悪寒, 頭痛を訴えて帰院した. 帰院後39-40℃台の発熱が続き, 下痢と腹痛, 腹部膨満感を訴えたため, 腹腔内出血と感染症が疑われた. 帰院11時間後より血圧が下降しショック状態となり諸治療にもかかわらず, 20時間目に呼吸停止, 心停止をきたし, 上半身から全身におよぶ強直性痙攣を繰り返して23時間後に死亡した. 死亡前に施行した静脈血培養でVibrio vulnificusが検出されたため, 本菌による敗血症が死亡の原因と考えられた. 患者には再生不良性貧血に対する輸血によって鉄過剰症があったことがこのように激烈な経過をとった宿主側の要因と考えられた. 分離菌の検索では, グラム陰性の桿菌で極鞭毛を有し運動性(+), oxidase(+), ONPG(+), lactose(+), sucrose(-), 食塩耐性試験0%(-), 6%(+), 7%(-), 神奈川現象(-)など典型的なV.vulnificusの性状を示した.
  • 栗本 晋二, 岩崎 常人, 野村 恒民, 野呂 影勇, 山本 栄
    原稿種別: 報告
    1983 年 5 巻 1 号 p. 101-110
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    発光画面をみながら作業をする労働者が急増し, このvisual display terminals (VDT) による視機能障害が社会問題となっている.VDT作業2時間負荷前後の調節機能をaccommodo polyrecorderとinfrared optometerを用いて測定した. 作業負荷により調節近点距離は延長し, 調節緊張時間も遅延した. 毛様体筋の微動調節運動波形の低周波化が認められた. この調節機能低下は一般の事務作業を模したハードコピー作業負荷による低下より著しく, また中・高年者に著明であった. VDT作業負荷前にメチルコバラミンを経口投与することによりこの調節機能低下は軽減されることが示唆された.
  • 田中 勇武, 秋山 高
    原稿種別: 資料
    1983 年 5 巻 1 号 p. 111-115
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    「作業場の気中有害物質の濃度管理基準」に関する専門家会議の第1次報告書(1980)によって, 作業管理濃度に, 測定値と同時に変動の大きさを考慮した濃度管理水準を設定することが提案された. この管理水準は,実用上何ら支障はないが, 論理的には矛盾した水準となっている. この原因は, 2つの管理水準に異なった基礎式を用いたことにあることを明らかにし, さらに, 論理的にも矛盾を生じない濃度管理水準の設定方法の1つを提案した.
  • 西尾 右, Erwin NIEDERER
    原稿種別: 言語学
    1983 年 5 巻 1 号 p. 117-125
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    国際交流が盛んになった現在, 日本の外国語教育, 特にその実用的成果について, 様々な批判や提言がなされている. ドイツ語教育に於ても, 旧来の文法事項の説明と演習を主体とした, いわゆる線形授業, および, 読解力養成を目的とした, 辞書利用の受容的学習に対して反省が生じ, 積極的な自己表明のための語学力の育成が, 目下, 重要課題の1つとなっている. ここでいう基礎ドイツ語とは, 日本の大学で一般教養課程の一還として行われるドイツ語履修コース(1-2年間)であるが, この短い授業時間数と多数の履修生を対象として成果をあげるためには, 当然, 教授法, 授業内容に充分の配慮がなされなければならない. 日常生活活動に於けるコミュニケーションの手段として, 最少限度の語学力, および, 文献読解の基本的知識を習得させるため, この小論では, 学習心理学を参考にしながら, 具体的調査資料を基に, 現状下に於ける, より効果的教授法が考察される.
  • J.William LLOYD
    原稿種別: 講義
    1983 年 5 巻 1 号 p. 127-132
    発行日: 1983/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本学の医学概論の講義が多く医師あるいは哲学者の立場からなされているのに対し、本講義は死に直面した癌患者の立場から生と死の問題を論じた. まず, 堕胎, 生命維持装置の使用, 安楽死, 自殺, 抗癌剤の使用等の問題に対する米国民の態度を, 特に法廷, 教会, 家族らの制約に重点をおいて論じた. これらの問題についての日米両国民の態度の比較も試みたが, 文化的・宗教的背景があまりにもかけ離れているため, 比較は困難であった. 次いで, 筆者自身が癌患者として死の淵に立った体験から生じた人生観の変化について語った. 生きていることに今までにない歓喜を覚える一方で, 抗癌剤の副作用による不快と不都合をも体験した結果, 人生とは"耐えうるもの"だという境地に到達した. 結局のところ, 癌の化学療法の激しい副作用に耐える癌患者にとって, 人生の"質"が問題だと考えられる. このことは, 死か, 悲惨な生存かの二者択一を迫られる患者・医師の双方にとって考えねばならぬ問題である.

    (本稿は, 昭和57年10月17日, 本学5年生に対して行われた医学概論の講義内容)
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