Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
5 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 土井 徹, 華表 宏有
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 373-385
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    度数分布表から算出した平均出生時体重(MBW)を比較する場合には, 度数分布表の様式に留意する必要がある. わが国の人口動態統計(厚生省統計情報部編)に掲載されている出生時体重の度数分布表様式(≦999g, …, 5000g≦の500g間隔10階級)を採用している地域を県, 保健所, 市町村の3つの人口レベルで選定し, この様式を基準(o法)として両端の階級を順次統合し, 階級数を少なくした場合(a, …, h法)のMBWおよび標準偏差(SD)のo法からの変化を検討した. 県レベルではMBWで-2から3g, SDはa, …, d法で-5g以内, 保健所レベルではMBWで-3から-6g, SDではa, …, d法で-8g以内の変化であった.市町村レベルでは変化する地域は少ないが, 変化する場合には変化の程度が比較的大きかった. 高体重より低体重の階級を統合する場合の影響が大きく, 度数分布表の様式が異なる場合には様式の違いによる差を十分考慮してMBWを比較する必要のあることを結論した.
  • 土井 徹, 華表 宏有
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 387-396
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    わが国の人口動態統計(厚生省統計情報部編)が採用している出生時体重の度数分布表の製表方式(≦999g,..., 5000g≦の500g間隔10階級)を基準とし, 両端の階級を順次統合して階級数を少なくした度数分布表から算出した平均出生時体重(MBW)および標準偏差(SD)の変化を, 統合した階級の度数を用いて表現した. MBWの変化は厳密に表現できるが, SDの変化は複雑になる. そこでまず,分散の変化を絶対値が順次小さい3つの構成要素(R1, R2, R3)で表現し, この式を利用してTaylor展開によりSDの変化の近似式を求めた. このうち, 絶対値が最大の項(R1)のみを使用したTaylor展開の第1項の近似の程度を県, 保健所, 市町村の実際の資料で調べたところ, よい近似が得られた. これらの式は基準とした度数分布表から算出したMBW(xo)とSD(so)を様式の異なる度数分布表から算出したMBW(xa), SD(sa)に変換するのを容易にするだけでなく, xa, saからxo, soを推定するのにも役立つ.
  • 北沢 右三, 稲垣 彰, 北沢 高司
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 397-403
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1981年6月から1年間, 産業医科大学構内の落葉広葉樹と常緑広葉樹の混合二次林および付近の常緑広葉樹自然林で, 樹冠から落下する植食動物の糞量をトラップ法を用いて毎月測定し, これに基づき摂食量の推定を行った. 糞量は5月から7月までは二次林より自然林の方が少なく, 8月から4月にかけては自然林より二次林の方が少なかった. 1年間の1㎡当りの糞の乾量は自然林で18.01g, 二次林で19.81gであって, これらは日本の亜高山帯や冷温帯の森林で従来測定された値に比べて著しく多い. 葉食性昆虫の糞量と摂食量の比を0.4-0.8として葉の被食量を推定すると, 1年間1㎡当りの乾量は自然林で22.5-45.0 g, 二次林で24.8-49.5 gとなった. これらはそれぞれ1年間の葉の概略純生産量の5.2-9.9%および5.2-9.9%に当る.
  • 三木 健寿, 佐川 寿栄子, 白木 啓三
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 405-412
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    血漿の膠質浸透圧 (COP) を測定する際の試料の温度およびpHの影響について, また血漿総タンパク濃度から, 推定式を用いてCOPを算出する際の誤差と試料のA/Gとの関係についても検討した. 半透膜を用いてCOP計を試作し, 種々の栄養学的な条件にて飼育された白ネズミ血漿を用いて測定を行った. 温度, pHの変化とCOPの間には, 有意の正相関関係が認められ, 正しいCOP値を得るには, 補正の必要性が示された. 推定式を用いて, 血漿総タンパク濃度よりCOPを推定することは可能であるが, 実測値と推定値の間にかなりの誤差を生じた. 我々は測定値からA/G一定の推定式を誘導し, 種々のA/Gをもつ試料の実測値と推定値を比較した. その結果, 推定式を導くに用いた試料のA/G (推定式A/G) と測定すべき試料のA/Gの差がCOP推定誤差要因である事が明らかとなった. しかし, 推定式A/Gと等しいA/Gを有する試料においてもなお推定値に約10%の誤差が認められた. 従って正しいCOPはCOP計を用いて測定し, この値を温度 (37℃) で補正することによって得られることを証明した.
  • 杉田 篤生, 小津 堅輔, 岡村 知彦
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 413-422
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Ureterostomy in situは, supravesical urine drainage設置法として, 手技が簡単で侵襲も少ない方法である. しかしこの法は大凡30年前に発表されているにもかかわらず, いまだに普遍的な方法とはなっていない. 私達は腎盂・尿管手術施行24例にureterostomy in situにより尿管スプリント法, あるいは一時的尿ドレナージ法として腎盂・尿管内にカテーテルを留置し, 各々において, 所期の目的を達することができた. 本法は手技が簡単であり, また症例の状態に応じて, 尿管スプリント法, 一時的尿管ドレナージ法, あるいは永久的尿路変更法などに応用しうる優れた方法である. それで本論文では施行例を紹介するとともに, 本手技を応用するときの注意点を検討し報告した.
  • 田中 勇武, 松野 康二, 児玉 泰, 秋山 高
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 423-431
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    フライアッシュ粒子のラットへの吸入曝露実験装置を試作し, その性能およびラットへの曝露結果について調べた. フライアッシュ粒子は, 連続式流動層方式の発塵装置から, 1日23時間, 1週間に5日で1カ月間曝露された. 曝露されたフライアッシュ濃度は, 光散乱法で常時モニターされ, かつその濃度をコントロールすることによって, ほぼ一定に保たれた. この間の曝露濃度は, 等速吸引法で測定し, 平均73mg/m³であった. また, 空気力学的メディアン径は4.1μmであった. ラットの肺内沈着量を推定するため, フライアッシュ粒子の主成分の1つであるアルミニウム量を測定し, フライアッシュ粒子中の含有量が9.7%であることを用いて求めた. その結果, 曝露したラットの平均肺内沈着量は, 9.4mgであり, 肺内沈着率は, 1.8%であった.
  • 吉村 健清, 古野 純典, 倉恒 匡徳, 渓 正太郎
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 433-439
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我が国の木工作業者の割合の大きい地域において, 鼻の癌(ICD 160)による死亡が高められているか否かを調べることを目的として, 本研究が行われた. 木工作業の盛んな地域として選ばれた, 某保健所と10市において, それぞれ鼻の癌のSMRを求める2つの研究を実施した. その結果, これらの地域において, 鼻の癌のリスクの有意な高まりを見出すことはできず, 木工作業者に鼻の癌のリスクが明確に高いとは結論しがたかった. したがって, 今後さらに調査をすすめる必要があると考える.
  • 勝目 康裕, 吉塚 光明, 今山 裕康, 宮崎 道雄, 藤本 淳
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 441-448
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    今回われわれは鈍的打撃後のサル水晶体の後嚢下水晶体線維に生じた限局性混濁が, ヒトの打撲白内障水晶体にみられる混濁のパターンに一致することを臨床的に確認し, 電子顕微鏡により混濁部の観察を行った. 観察の結果, 混濁部に一致する後嚢下水晶体線維の細胞間隙が開大し, いわゆる, "hydropic cell" へと変性していく水晶体線維が認められる一方, 細胞内に糸粒体を始めとする細胞小器官を増加させた水晶体線維もみられた. 以上の結果から, 打撃による鈍的外傷の結果, 水晶体後嚢下の水晶体線維に水分の貯溜が惹起され, 初期の間は水晶体線維が防御的に水分の細胞外移動を行うものの, いずれは "hydropic cell" へと変性していくものと考えられ, 各種白内障同様, 打撲白内障においても, "hydropic cell" の出現が発症に重要な役割を果たすことを確認した.
  • 児玉 泰, 嵐谷 奎一, 吉川 正博, 松野 康二, 福長 将仁
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 449-460
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    大気汚染の質的変化に伴う汚染物質相互の関係, および大気汚染の総合的指標の検討などを目的として, 浮遊粉じん,多環芳香族炭化水素(PAH), 重金属,変異原活性, 降下煤じん等の継続測定を行った. 浮遊粉じんは27.6-157mg/1000m³, PAH濃度はベンゾ(ghi)ペリレン>ベンゾ(a)ピレン>ベンツ(a)アントラセン>クリセン>ベンゾ(k)フルオランテン>ピレン>ペリレン, 重金属濃度は鉄>亜鉛>鉛>マンガンの順で, 降下煤じんは2.1-9.2t/k m²・月, 降下煤じん中のベンゾ(a)ピレンは0.03-57.5μg/㎡・月であった. 変異原活性値はS-9mix添加の方が無添加に比べ若干高い値を得た. 汚染物質の季節ごとの比較では, 夏に低い値を得た. また汚染物質相互の関係を求めると, 浮遊粉じん濃度とPAHおよび重金属, PAHと重金属, PAH相互間で有意の相関があり, 変異原活性値も浮遊粉じん, PAH, 重金属との間に有意の相関を認めた. このことは従来より行われている汚染物質の測定と同様に, 変異原試験が大気汚染の有力な指標となり得ることを示唆するものである.
  • 岡崎 勲, 丸山 勝也, 奥野 府夫, 鈴木 秀郎, 青柳 和裕, 瀬良 良澄
    原稿種別: 原著
    1983 年 5 巻 4 号 p. 461-467
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    じん肺は鉱物性粉じんの吸入により惹起される線維増殖性変化を主体とする. 粉じんに曝露されている職業従事者におけるじん肺の早期発見に血清Type Ⅲ procollagen peptideが有用であるかを検討した. 特発性肺線維症, 膠原病にみられる肺線維症などの一般肺線維症6例, 珪肺24症例, じん埃に曝露されている職業従事者19症例を対象とした. 対照正常人の血清Type Ⅲ procollagen peptide値は8.3±2.6 (mean±SD; n=32) ng/mlであった. 平均値+2SDは13.4ng/mlであり,この値以上を異常値とした. 一般肺線維症では19.0±9.6ng/mlと2対照正常群に比し有意 (P<0.02)に高く6例中4例 (67%) に異常高値がみられた. 珪肺では12.6±6.5ng/ml (P<0.01) と有意に対照群より高く24例中6例 (25%) に異常高値がみられた. 本peptide値と胸部エックス線写真所見・肺機能検査成績との間には一定の関係はみられなかった. じん埃に曝露されてぃる19症例中2例に異常値がみられ, 今後の経過観察が望まれた. 本検査法は肺線維化の症例でコラーゲン代謝が活発な症例を発見するのに有用と考えられた.
  • 児玉 泰, 吉村 健清
    原稿種別: 資料
    1983 年 5 巻 4 号 p. 469-480
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我が国においては, 産業医学卒後教育に関する系統的なシステムは今日まで何等確立されていない. しかし, 産業医科大学設立の時点で, 特色ある産業医学の教育・研究は卒後教育において充実させるよう示されており, したがって本学卒業生や産業医に対して産業医学教育を行うことは本学の重要な使命の1つであると言える. 昭和59年春第1回の卒業生を世に送り出すに当り, 本学の産業医学卒後教育基本講座のカリキュラムや生涯教育を含めた我が国の産業医学教育のあり方を, 日本の現状を踏まえて考えることが必要であろう. その参考資料として, 産業医学に関する歴史的背景と経験を有する英米両国の現状を紹介する.
  • エルヴイン・ニーデラ
    原稿種別: 言語学
    1983 年 5 巻 4 号 p. 481-492
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    哲学, 心理学, 社会学, 特に言語学の分野では, 多領域に亘る様々な理論を背景に言葉と思考との関連性が論じられているが, 現在なお意見の一致をみるに至っていない.これは, 言葉と思考の本義が問われる時, 常に生じる問題であり, 例えば,言葉を意志疎通の手段と定義するならば, 動物ですら言葉を有すると言えるであろう. この場合, 我々の言葉の特に人間的な面を動物の伝達方法と判別するのは困難となる. また, 心理学者, O.Setzの説のように, "考えること" を "Know How" と定義するならば, 猿も "考える" ことになる. 猿は手の届かぬ所にあるバナナを棒を利用して獲得するからである. 人間個有の思考能力を勘案する時, 人間の思考を単に動物的能力の上昇したものにすぎぬと解するのは, 適切とはみなされえないだろう. この小論では,特に, 人間の言語獲得能力とその再生的, 生産的思考性の考察を基に, 言葉と思考の関連性が論述される.
  • 大石 真一
    原稿種別: 人間学
    1983 年 5 巻 4 号 p. 493-502
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1810年代から1920年代にかけて, 約三千万のヨーロッパ人がアメリカへ移住した. この夥しい移動の最大原因としては, 急激な人口の増加, 封建的土地制度による圧迫, 経済の近代化の3つが挙げられる. ここでは, これらの三大原因を考察し, さらに, さまざまな個人的理由や宗教的, 人種的差別, さらに少数派に対する差別をも論じた. また, 当時の二大発明であった汽船と鉄道について, その移民に及ぼした功罪に言及した. 移民は本来, 歴史的事象であるが, この小論では, むしろヨーロッパの貧しい人々が, 如何にして移住せざるを得なかったか, その原因について人文学的に考察した.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    1983 年 5 巻 4 号 p. 503-537
    発行日: 1983/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top