Journal of UOEH
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6 巻 , 1 号
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  • 江川 寛
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    平均在院日数は本来, 病院病床管理の適切な指標の一つの指標として用いられるべき重要なものである. 著者は1973年に在京の大学病院, 公的病院, 個人病院の三つを選び, 同年間に退院した産科を除く患者総数1094人を対象にどのような種類の患者がどのように一般病院病床を利用しているであろうか施設により, また診療科の特性や患者の疾病構造によって病床の利用状況は異なるであろうかなど施設単位にその利用状況について質的関係から観察を行った. さらに1981年に北九州市の医療施設, ならびに産業医科大学のばあいは1979年から1981年の3年間についてICD傷病大分類別に疾病構造別の利用状況を加え同様の質的分析を試みたが10年前と同様の結果をみた. その結果から我が国において平均在院日数は必ずしも病院病床管理のための適切な指標とはなりえないと判断されたので, 米国において平均在院日数が適切な測度として使用できる背景はなにか, 我が国のばあいとの違いを中心に医療施設体系から考察し, 併せて我が国の病院における在院患者と在院日数の関係から妥当な指標となるものは何かについて考究した. さらにまた, 平均在院日数が我が国において妥当な測度となるためには, 地域医療, 特に施設計画の具体的推進こそが基本的要件であることを明らかにした.
  • 藤原 利彦, 池村 邦男, 河野 泰孝
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    口腔外科臨床において, しばしば遭遇する比較的大きな粘膜欠損に対し, 暫間被覆材として凍結乾燥豚皮(LPS)を応用した10例を示した. いずれの症例も良好な治療経過をたどり, 特に術後疼痛の緩和, 食片など外来刺激に対する保護包帯としての有用性が評価された. また, 脆弱なLPSの縫合には連続縫合を工夫した. この方法は従来のtie-over法に比べ, 口腔衛生状態が改善され, 患者の不快感も減少した. 動物実験は日本白色家兎を用い, 両側頬粘膜に径約1cmの円形創を作り, 右側を対照とした. 左側は結節縫合にtie-overを加えた群と連続縫合のみの2群に分けてLPSを固定した. 両群の治癒像に差はみられなかった. なお, 対照群とLPS被覆群の上皮化までの期間の比較では対照群がより早い上皮化を示した.
  • 本村 博, 山田 俊子, 青山 喬, 法村 俊之, 土屋 武彦
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    腹水癌由来のJTC-11細胞のブレオマイシンに対する感受性は培養液中の血清濃度に依存し, 血清濃度が高くなると感受性は低下した. ところが正常細胞由来の3T3のシート上にJTC-11細胞のコロニーを作らせた場合, ブレオマイシンに対する感受性は血清濃度に依存せず, 血清濃度を10%に上げても, シャーレ上に播種し, 5%血清にした場合の感受性に近かった. 正常細胞との相互作用によりがん細胞の感受性が修飾されることはがんの治療を考えるうえで重要であると考える.
  • 中西 こずえ, 平岡 教子, 北沢右三
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    高度開発地域での金属による環境汚染を探る基礎資料を得る目的のため, 北九州市八幡西区とその周辺地域の着生蘚苔類の体内金属量を, コモチイトゴケ1種および群落全体について測定した. Fe, Zn, Mn, Cr, Pb, Ni, Cu, Cdの量は工業の中心地域から遠ざかる程減少する傾向を示したが, Ca, Mgは地域的な差が見られなかった. Fe, Mn, Cr, Pb, Ni, Cu, Cdの蘚苔類体内の含有量の比率は, 大気中の比率とほぼ一致した. コモチイトゴケ1種, 蘚苔類群落全体について, 大気の金属汚染の生物指標となることが示唆された.
  • 上田 宏, 藤本 淳
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ティラピア下垂体の成長ホルモン(GH)の局在を特異抗血清を用いて, プロテインA-金法により免疫電顕的に検索した. GH産生細胞の微細構造およびGHの抗原性とも, 過ヨウ素酸-リジン-パラフォルムアルデヒド(PLP)固定液による前固定と四酸化オスミウムによる後固定した試料で最もよく保存されていることが確認された. 免疫陽性の20-40nmの金粒子は, その微細構造上の特徴からGH産生細胞と同定されている細胞群の分泌顆粒上に限局して沈着しているのが観察された. 本法はオスミウム固定を施した超薄切片上で細胞内抗原の局在を検出する非常に有効な方法であるといえよう.
  • 藪内 ふじ江, 市川 孝夫, 荒川 みゆき, 千葉 吟子
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 47-55
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    現代の初潮平均年令は我が国の初潮年令の年次推移によっても欧米諸国の年次推移によっても同じ傾向で100年間に3年から4年, 10年間に4カ月位で若年化していることが報告されている. 体操競技では年々技が高度化し筋肉に強い刺激を与える影響からか全国高校選手権から世界選手権までの一部の選手の資料ではあるが初潮の若年化とは逆に選手の初潮は遅れの傾向にある事が判った. 例えば, 対照群である一般の女子グループは14才で既潮率が100%近くに達しているが世界選手権グループは24%と3年も遅れている. 16才では一般の女子グループが100%に対し世界選手権グループは60%と既潮率が低い. 最終的には選手群は対照群に比べて初潮が3年から5年遅れている. 筋肉の過重負担が月経周期の不定期にもつながり影響の大きい事が推察される.
  • 吉永 春馬, 牧 孝, 吉村 厚, 長 哲二, 上原 周三
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 57-65
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    高エネルギー物理学研究所のカウンター実験ホールT1チャンネルのパイ中間子ビームについて, 飛行時間測定法により, ビームで照射された組織等価物質から放出される中性子のエネルギースペクトルの測定と, ビームに混在する電子とミュー粒子の分離測定をこころみた. モーメンタム500MeV/cのパイビームで照射された組織等価物質からの中性子は, 液体シンチレーターNE-213を用いた波高分析回路でガンマー線と分離測定した. その結果, エネルギーと立体角に対する二重微分断面積は, 中性子のエネルギーが低くなるにつれて急激な立ち上りを見せ, 高エネルギー部では,断面積は小さいが約100MeVまで検出された. ビームに混在する粒子の分離測定は, 飛行距離10.6mで実施した. 200MeV/cのビームでは電子とミュー粒子と負パイの3個のピークが明らかに分離されたが, 300MeV/cではこの分離は明瞭ではなかった.
  • 星 正治, 中野 正博, 牧 孝, 鬼塚 昌彦, 長 哲二, 上原 周三, 小西 圭介, 豊原 不可依, 名越 智恵子, 高木 望, 豊島 ...
    原稿種別: 原著
    1984 年 6 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    π-中間子を用いて癌の放射線治療を行う場合に必要な, 照射中に患者の体外からπ-中間子の停止領域(付与線量のピーク領域)を観測する方法(モニターの方法)を議論した. π-中間子が停止したスターを生成する領域からπ原子X線やγ線,中性子が放出されこれらの放射線は照射中の患者の体外で検出できる. 実験では正常の生体等価物質としての水ファントムを用い, π-中間子の到達深度を変えて照射した. π-中間子による核反応に伴うγ線はNal検出器と同時計数回路を用いて測定した. こうしたγ線測走法は深部線量分布のピークと照射すべき患部が一致していることを確めるのに有効であることが分った. 更に正確に患者の体内での深部線量分布のピークの位置ぎめにこの方法を用いる為には, 多孔コリメーターの付いたシンチレーションカメラなど用いることが有効であることが示唆される.
  • 実藤 隼人, 安達 博信, 馬場 謙介, 織田 進, 中田 肇, 林 実
    原稿種別: 症例報告
    1984 年 6 巻 1 号 p. 75-86
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    粟粒結核で死亡した79才男性の剖検例を呈示し, 結核の診断における困難さをのべ, 本例における関質性腎炎と化学療法や粟粒結核との関連性, また, 類白血病反応と粟粒結核との関連性などについて考察した. 本例においては, 生前には結核の診断はなされず, 改めて結核の診断の困難さを教え, 原因不明の発熱に対して, 常に本症を忘れてはならないことを教えている. また, 1974年から1981年の8年間における日本病理剖検輯報に記載されている結核を抽出した. この間に施行された235,095例の剖検例中に3,242例の結核が見つかり, 全剖検例中に占める割合は1.4%であった. このうち粟粒結核は618例であった. 結核は抗結核剤の出現により著しく減少したが, 最近は余り減る傾向を示さず, 忘れてはならない重要な感染症の一つである.
  • 吉田 真一, 占部 慎二, 水口 康雄
    原稿種別: 症例報告
    1984 年 6 巻 1 号 p. 87-90
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ペニシリナーゼ産生淋菌 (PPNG) は東京, 大阪, 福岡など各都市でprostituteを中心に定着しており, 分離される割合は淋菌の10-15%である. この報告の23才男性淋疾患者から分離された淋菌は最初, 迅速ヨード法によりペニシリナーゼ産生が陰性であったのでnon-PPNG株によるものと思われた. しかし7日間のアンピシリン服用によって症状が改善せず再度分離した淋菌は, 迅速ヨード法でペニシリナーゼ産生が陽性となった. 患者は治療中の再感染を否定しているので, 最初non-PPNG株に混じっていた少数のPPNG株がアンピシリン治療により優位となって, 迅速ヨード法が陰性から陽性に変ったと考えられる. 病原菌の複合感染が最近問題となっているが, 淋疾においてもこのような複合感染がみられるので治療上注意を要すると思われた.
  • 北沢 右三
    原稿種別: 報告
    1984 年 6 巻 1 号 p. 91-92
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 中野 信子
    原稿種別: 人間学
    1984 年 6 巻 1 号 p. 93-108
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ロバート・グレイブスは, 英国やアメリカでは著名な神話学者であり詩人である. しかし, わが国に於ては, その厖大な, しかも多岐にわたる作品の量にもかかわらず, なぜかあまり知られていない. さらに, アメリカや英国に於てさえ, ある人々は, 彼を白い女神にとり憑かれた多芸なる偶像崇拝者として, 敬遠しているきらいさえある. 実際, キリストの生涯を描いたフィクション「キング・ジーザス」が世に出た時, その白い女神信仰を基盤としてひき出された, 彼の並はずれた神話的キリスト学は, 当時の人々に強い衝撃を与えたであろうことは, 想像するに難くない. キリストの中に, 彼はユダヤ教のアポロ的教義とは対称的な, 女性原理の断片を発見したが, しかし, 彼の目には, それは甚だ不完全で, 人生の根本的な要素, つまり, 愛と憎しみの理念を欠いているように見えたのである. これは, グレイブスが, 彼の博学を駆使して, いかに自分のキリスト理解をおしすすめているか, その背景と発展の過程を追求した一考察である.
  • 大石 真一
    原稿種別: 人間学
    1984 年 6 巻 1 号 p. 109-120
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    およそ百年余り(1815-1920年代)の比較的短期間に約三千万のヨーロッパ系移民が合衆国に流入してきたことは, 強力な社会の構築を目指す米国民にとって大きな挑戦であった. 「新移民」は新しい文化に同化するという挑戦に遭遇し, 「生粋のアメリカ人」は, アングロ・サクソン文化を基礎とした理想社会の構築を希望していたが故に, 「新移民」の持ち込む多様な文化によって, アングロ・サクソン文化の優越性が挑戦をうけているとみなした. 「生粋のアメリカ人」と「新移民」とがこの問題にどのように直面したのかを理解するために, 本論では,徹底的同化論, 人種のるつぼ論,文化的多元論の三つの主要な見解を検討する. 合衆国社会はなぜ人種のるつぼとして融合しなかったのか, また, なぜ今後もそうならないのかということについての論者自身の理由および, 理想社会の実現に向けて異文化社会がとるべき最善の方法と論者が考える内容に関しては, これを結論の中で述べることとする.
  • 土屋 健三郎
    1984 年 6 巻 1 号 p. i-ii
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 世界保健機構
    原稿種別: 報告
    1984 年 6 巻 1 号 p. iii-
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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