Journal of UOEH
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7 巻 , 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 土井 徹, 華表 宏有, 清水 喜一朗
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 353-364
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    某企業外労働衛生機関による事業所定期健康診断の資料(1982年4-9月)から北九州市内の事業所の従業員男, 30-59才(27,376名)について年令階級別(30-39, 40-49, 50-59才), 職種別(職種計, 現業系, 事務系)別に, わが国でよく用いられている肥満指標のうち10種類をとりあげ, その相互の関連性を検討した. その結果, 1)肥満度の平均は様々であるが, どの指標によっても平均は40-49才が最も高く, 事務系は現業系よりも高かった. 2)箕輪法で肥満度+20以上の割合は約14%で, これは桂, 加藤法で+20以上, NK, 松谷, 松木, 栄養審議会の方法で+15以上, ブローカ法で+5以上, ケトレー指数25以上, ローレル指数156以上に, 大体相当していた. 3)高血圧者の割合は40-49才で事務系の方が現業系よりも高かったが, 肥満度を調整した訂正高血圧者率をみると両者であまり変わらず, どの肥満指数を使っても似た値が得られた.
  • 香川 浩彦, 藤本 淳, 上田 宏, 浜崎 勲重
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 365-372
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒト臍静脈における第8因子関連抗原の局在を特異抗血清を用い, 酵素抗体法(PAP法)により光顕的に, また, プロテインA-金法により免疫電顕的に検索した. 光顕的に, ベルオキシダーゼの反応は血管内皮に局在が, 電顕的には, 内皮細胞の特殊顆粒(Weibel Palade顆粒)に免疫陽性の金粒子の局在が観察された. これらの観察結果は, 内皮特殊顆粒が第8因子関連抗原の貯蔵部位であることを示している.
  • 茅原 四郎, 染谷 孝, 田辺 忠夫
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 373-379
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学病院中央臨床検査部で1982年6月から8月までの間に臨床検体(膿, 創傷浸出液, 他)から分離されたStaphylococcus 88株について, 菌種同定ならびに薬剤感受性試験を行った. 分離された菌種は, S. aureus 76株, S. epidermidis 6株と, この他にS. haemolyticus, S. capitis各2株, S. simulansと未同定の菌各1株であった. 抗生物質17種に対する感受性試験の結果では, S. aureus 76株のうち71株(93%)が耐性菌で, このうち54株(71%)は多剤耐性菌であった. β-ラクタム抗生物質9剤のうち, PCG耐性S. aureus 38株のすべてが, DMPPC, MCIPC, MDIPCおよびCMZに対して感受性であった. アミノグリコシド抗生物質5剤のうちKM, GM, TOBおよびSGM耐性菌はS. aureusのそれぞれ50%以上であったが, AMK耐性菌は5%であった. KM・GM・TOB・SGMの4剤耐性菌の検出率は43%で, S. epidermidis 6株のうち3株もこの型の耐性菌であった.
  • 花田 妙子, 松井 清, 大津 ミキ, 松尾 ミヨ子, 望月 イサ子, 小畑 礼子, 中西 悦子
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 381-392
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    某市在住の老人372人を対象に, 老人の心理的な特徴を矢田部ギルフォード性格検査(Y-G)と顕現性不安尺度(MAS)を用いて調査した資料から, MASをY-Gで推測することを考察した. Y-G尺度の得点より, 次の回帰式でMASの不安得点が得られることを見い出した. MAS不安得点≒0.31×主観的得点+0.41×劣等感得点-0.15×支配性得点+0.34×Y-G神経質得点+0.30×Y-G抑うつ性得点+9.54であり, またMASの不安階級をY-G120項目の項目番号72(たびたび過去の失敗をくよくよと考える), 93(心配性である), 120(たびたび元気がなくなる)によって, 大まかに知ることができるという結果も得られた. 老人とか病弱者の精神的影響を調べるときは, 検査の間の関係をよく調べて, 最小限ですますようにすることが大切である. その方法として以上のように考えた.
  • 大西 晃生, 山本 辰紀, 井上 尚英, 田中 勇武, 古賀 実
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 393-399
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ウィスター系雄性ラットを250ppmの酸化エチレンに, 1日6時間, 週5回, 9ヵ月間曝露させ(実験群), 末梢神経障害が惹起されるが否かを検討した. 9ヵ月間の曝露後, 実験群ラットに明らかな歩行障害, 異常肢位は認められなかった. しかし, 近位部および遠位部腓腹神経, 腓骨神経および脊髄薄束の有髄線維の定性的および定量的な組織学的検索の結果, 実験群ラットでは, 個体により病変の程度とその広がりは異なるが, 腓腹神経の遠位部および脊髄薄束の遠位部ともに, それぞれ近位部よりも高度な有髄線維の軸索変性所見がみられた. これらの病変は500ppmの酸化エチレンの曝露により惹起されたcentral peripheral distal axonal degenerationの病変と同一性質のものであると結論された.
  • 大田 俊行, 植村 昭男, 江藤 澄哉, 鈴木 秀郎
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 401-407
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチ(RA)および全身性エリテマトーデス(SLE)における血清シアル酸(SA)の測定意義について検討した. まずRAではSAは赤血球沈降速度(ESR)と強い相関(n=30, r=0.74, P<0.001)を示し, 疾患活動性の指標および治療指針として従来より用いられてきたESRに代用出来る可能性が示唆された. 一方SLEでもSAとESRの間に相関(n=22, r=0.62, P<0.01)を認めたが一般にSLEの活動性の指標となる抗DNA抗体および補体価との間に有意な相関を認めずSLEの活動性をみる検査としては適さないと考えられる.
  • 吉田 耕治, 大塚 治夫, 岡村 靖, 門田 徹
    原稿種別: 原著
    1985 年 7 巻 4 号 p. 409-417
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    子宮内膜症治療薬として注目されているprogestin剤であるgestrinoneをヒト子宮内膜・内膜癌細胞,豚卵胞顆粒膜細胞の単層培養系にin vitroで負荷して細胞増殖やホルモン産生に及ぼす効果を調べた. in vivoではXY gonadal dysgenesisと子宮筋腫の患者に25mgを3日間内服させた時のgonadotropinと性ステロイドの変化を検討した. 内膜の単層細胞のコロニーに本剤の10ng/ml添加により分泌期様の変化をきたし, 内膜癌細胞の単層培養は50ng/mlで増殖のピークが認められたが培養が長期にわたると逆に抑制された. 豚顆粒膜細胞のestradiol-17β産生はgestrinoneでdose-dependentに増大しprogesterone産生は50ng/mlで刺激され500ng/mlでは抑制された. XY gonadal dysgenesisに内服させたところLH, FSH値は低下したがestradiol-17β値は上昇した. 筋腫の症例では月経周期の7,8,9日の内服で排卵は抑制されず血中ホルモン値も大きな変化はなかった. 以上の成績からgestrinoneは, 現在広く子宮内膜症に使用されているdanazolに比して, 偽妊娠療法剤的mini-pillとしての作用がより大きく中枢とともに性腺, 子宮内膜に直接作用することが推測された.
  • 小林 利次, 林 実, 荒井 正夫
    原稿種別: 総説
    1985 年 7 巻 4 号 p. 419-434
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    西欧においては乳癌の発生率は非常に高いのは周知の事実であるが, 本邦においてもその発生率は上昇の一途をたどっている. 乳癌の超音波診断法はレントゲン被曝の懸念のない非観血的検査であり, 診断率も高く臨床的に広く普及, 脚光をあびている. 乳腺腫瘍の超音波画像の特徴とその病理組織像の対比検討, すなわち乳腺腫瘍の超音波組織特性の研究は乳癌の診断率向上のため重要な基礎的・臨床的研究領域である. 今回, 通常型の乳癌, 希有なる乳腺悪性リンパ腫, リンパ性白血病浸潤, 良性嚢胞, 線維腺腫, 葉状肉芽腫, 女性化乳房および脂肪壊死を伴った結節性線維化巣などについての超音波組織特性を中心に報告した.
  • 小出 紀, 谷野 幹夫, 吉松 博
    原稿種別: 総説
    1985 年 7 巻 4 号 p. 435-452
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    胸腺が中枢性免疫器官として注目をあつめてから, 既に四半世紀が経過した. 胸腺に発生する腫瘍は, 免疫異常疾患との関連あるいはリンパ球のsubpopulationとの関連などの点から関心をもたれている. 一方,形態学的立場では, 超微形態学, 酵素組織化学, 免疫組織化学などの発達が, それら腫瘍の組織像と機能との関連の解明に役立つとともに, その組織発生に関する知見も増加している. 特に近年モノクローナル抗体の入手が容易となり, リンパ球のマーカーを組織切片上で証明出来るようになって, 胸腺腫における微小環境の解析なども緒につきつつある. 今回は, 胸腺に原発する腫瘍として, 胸腺腫, リンパ腫, カルチノイド, 胚細胞性腫瘍(奇形腫群)をとりあげ, それぞれの組織像と組織発生を中心に病理学的所見を概観し, あわせて胸腺腫の組織化学的所見にもとづいて, 胸腺腫における微小環境の問題についてのべた.
  • 長江 寿恵子, 馬場 快彦, 井上 尚英
    原稿種別: 報告
    1985 年 7 巻 4 号 p. 453-459
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    身体障害者の雇用状況と健康管理状況を知るため, 民間企業を対象にアンケート調査を実施した. 身体障害者の雇用率は, 小規模企業ほど高かった. 特に「脊髄損傷」や「片麻痺」など, 重度障害者の雇用率は総体的に低く, 労働災害による身体障害者の雇用率も全体的に低かった. また障害の原因は「私傷病」(59.2%)「先天性」(30.6%)「労働災害」(10.2%)であった. 身体障害者の作業能率を左右している因子を,回答を基に計量化すると, 障害の程度, 部位, 労働意欲, 作業内容, 生来の能力, 働く動機などの因子得点が高かった. 脊髄損傷や片麻痺者の復職や採用については, 条件つきながら約50%の企業が肯定していた. 身体障害者の健康管理は, 中小企業においては充分とは言い難いが, 受け入れのための環境や設備改善につとめ, 要員不足や組織の不充分さを補う企業努力がみとめられた.
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