Journal of UOEH
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7 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 馬場 快彦, 岩尾 総一郎, 児玉 泰
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 257-263
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    各種の粉じん作業に従事している176名の作業者の肺機能に関する追跡研究を1978年より行った. 調査開始時の平均年令は48.3才, 平均作業従事期間は21.6年であった. 対象者全員自覚症状の訴えはなかったが, 胸部X線写真の像はじん肺法の第1型に属していた. 肺機能検査を毎年実施したが, 54名は1980年以降, また49名は1982年以降受検しなかったので, 5年間連続して観察できた者は73名であった. 受検しながった理由は, 停年退職によるもの, 配置転換によるものなどが考えられた. そこでこの3群を1)早期消失群, 2)中期消失群, 3)現役群に分け, 観察開始時(1978年)の各群の肺機能検査結果を比較した. その結果, 早期および中期消失群は現役群に比しFEV1.0/FVCにわずかながら差が認められ, また早期消失群のV25/Hは現役群に比し有意に低下していた.以上のことから, 現在作業に従事している者はより健康な群であり, それが作業を継続できる理由とも考えられる.
  • 北條 暉幸, 中島 民治
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 265-268
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    北九州市とその郊外に住む23人の女子学生の足型の計測学的研究である. 彼等の両親は福岡県人である. 約20年前に計測された北部九州の非都会的環境(農村など)に在住した2つの異なった集団とこれらの女子学生の間に, 足長(足型の長さ)に関して有意の差は存在しなかったが, 女子学生の身長は最も高く, また足指数(足型の長さに対する足型の幅)は小さく足型は細長い形であった. これらの足型の特徴は, 都会的な生活と世代間の相違によるものと考えられる.
  • 池内 希恵, 小原 政信, 平野 英保, 後藤 貞夫, 東 監
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 269-277
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    担癌マウス肝ミクロソームのチトクロームP-450含量の減少の機構を明らかにするために肝におけるヘム代謝, およびチトクロームP-450の生合成を調べた. ヘム合成の律速段階であるδ-アミノレヴリン酸合成酵素は, 担癌肝と正常肝とでは, ほぼ同程度の活性を示したが, ヘム分解を律速する酵素として知られるヘムオキシゲナーゼは, 担癌肝で促進していた. 次に, 肝の膜結合型ポリソームより得たポリ(A)+RNAを, in vitroの蛋白質合成系に加え,〔35S〕-メチオニンでラベルされた産物をSDS-ゲル電気泳動法で分析すると担癌肝より抽出したポリ(A)+RNAの中で, チトクロームP-450のmRNAが減少していることを示唆するような結果は得られなかった. これらの結果は, ヘム合成の低下や, チトクロームP-450のmRNAの減少が, 担癌マウス肝におけるミクロソームのチトクロームP-450の直接の原因でないことを示唆している.
  • 川村 越, 長野 敬
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 279-284
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    犬腎臓髄質外帯から (Na, K) ATPaseを精製し, 分子当り含まれる (-S-S-) 基の数を定量した. この酵素には (-S-S-) 結合は1本しかなく, それは酵素を構成する α, β 2種のサブユニットのうちのβ鎖上に存在することが判明した. β鎖の役割は未だ解明されておらず, (-S-S-) 結合はその役割を探る重要な手がかりとなることが期待される.
  • 黒川 基樹, 緒方 政則, 高良 裕, 門屋 辰男, 田中 孝夫
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 285-290
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    脳動脈瘤クリッピング術の対象患者13名にニトログリセリン(NG)を用いた低血圧麻酔を行い次の結果を得た. NG投与による血圧低下ならびに投与停止後の血圧回復はすみやかで, 抵抗性は認められなかった. 心拍数はNG投与による低血圧に伴ない上昇したが, 心筋酸素需要を示すRate Pressure Product(収縮期圧×心拍数, 以下RPPと略す)は有意の減少を示した. 低血圧中, 動脈血ガス分析においてPaO2, pH, PaCO2, Base Excess(B.E.)には有意の変化を認めなかったが, 肺での酸素化能の指標である呼吸指数(PaO2/FIO2)は有意に低下した.
  • ―じん肺症例およびBleomycin投与症例における検討―
    奥野 府夫, 丸山 勝也, 岡崎 勲, 荒井 正夫, 鈴木 秀郎
    原稿種別: 原著
    1985 年7 巻3 号 p. 291-297
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    血清Type Ⅲ procollagen peptide(Pro(Ⅲ)-N-P) 値の測定が, じん肺およびbleomycin投与悪性リンパ腫患者の肺線維症の診断あるいは早期予知に有用であるか否かを検討した. 健常者の血清Pro(Ⅲ)-N-P値は8.60±2.35ng/mlであり, M±2SDの13.3ng/mlを正常値の上限とした. じん肺24症例のPro(Ⅲ)-N-P値は12.6±6.5ng/mlと有意(P<0.01)に高値であり, 24例中6例に異常高値がみられた. 本peptide値と胸部レ線所見,肺機能検査成績との間には一定の関係はみられなかった. bleomycinを投与された悪性リンパ腫7例のうち3例は投与期間中にPro(Ⅲ)-N-Pの上昇がみられ, うちbleomycinが長期にわたって投与された症例では, 著明な上昇がみられた. これらのことより肺線維症の診断法のひとつとして本peptide測定が役に立つ可能性が示唆された.
  • 塚本 増久, 堀尾 政博
    原稿種別: 総説
    1985 年7 巻3 号 p. 299-308
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    オオカ類の幼虫は肉食性で他の蚊の幼虫を捕食し蚊媒介性の疾病を減少させるので, 人類にとっては益虫である. このオオカを蚊の生物学的防除に利用しようとする試みは古くからあったが, 実際には飼育が困難で容易に産卵せず, なかなか増殖しないので利用しにくく, あまり高く評価されていなかった. 最近われわれの研究室ではオオカの室内飼育系統を確立する技術を開発改良し, その実証として日本産のオオカの全4種類を系統化することに成功した. そこでこの方法を用いればどのようなオオカでも大量に飼育増殖させることが可能な筈で, 正に実用段階に入ったものといえる. ここにオオカを用いる生物学的防除法に新しい観点から考察を加え, 環境汚染や公害の恐れがない空飛ぶ生きた殺虫剤として再認識すべきであるというわれわれの主張を述べ, 論説的な総説を試みた.
  • 松岡 成明, 前山 隆太郎, 大神 正一郎, 中垣 博之, 城間 祥行
    原稿種別: 資料
    1985 年7 巻3 号 p. 309-319
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    バンクロフト糸状虫Wuchereria bancroftiの成虫はリンパ管にすみ, 象皮病などのリンパ系のうつ滞に伴う炎症症状を主徴とし, ミクロフィラリア(Mf)は流血中に現れ, 蚊が中間宿主である. Mf出現の日周性からいえば本虫は夜間強周期型の一つである, Mf保有者11人について, 睡眠脳波, 特にREM睡眠について検討を加えた. Mfの夜間出現は睡眠深度と関係なく, midnightを中心にポアソン型分布を示した. 但し, 睡眠中のREM睡眠時には有意的にMfの出現減少がみられた. この現象を, Hawkingのpendulum modelを参考にして, REM睡眠の生理現象を中心に考察を加えた.
  • 田中 孝夫, 生野 雅治, 緒方 政則, 重松 昭生
    原稿種別: 症例報告
    1985 年7 巻3 号 p. 321-326
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    新しく臨床に導入されたCardionics社製, CardioFlo®の臨床的有用性について6名の患者において検討した. 本装置はパルスドップラー法を用いて非観血的な心拍出量測定用に開発されたもので, 従来のスワン・ガンツカテーテルを用いた熱希釈法による結果との比較においても高い相関が認められた. 測定前の準備としては大動脈径の値が必要なだけで, これもMモード超音波法, あるいは胸部側面レ線像により非観血的に知ることができ, これらの点から緊急時にも本装置を用いて簡便にしかも非観血的に心拍出量を測定することが可能である.
  • 伊藤 幸郎
    原稿種別: 報告
    1985 年7 巻3 号 p. 327-329
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 小川 尚
    原稿種別: 報告
    1985 年7 巻3 号 p. 331-333
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • ―東西の人間観・神観の出会いのために―
    本多 正昭
    原稿種別: 人間学
    1985 年7 巻3 号 p. 335-344
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    世界観は, 超越者との出会いによって変容するが, この出会いの解釈や表現は, 一定の風土や伝統, 気質や教育環境, 他国の文化的影響などによって, 実に多種多様である. だが仔細に検討すると, 宗教的超越には, 心の二つの焦点: egoとselfの強弱関係によって, 上昇的と下降的との二つの方向が存在するように思われる. 概して西洋では前者が, 東洋では後者がより特徴的であるが, 両者は截然と二分できるものでもない. 西洋と東洋という概念も単なる空間的概念というより, 一が他を補完的原理として含む心的概念と考えることができよう. 本稿は, egoとself, 超越の両方向を, いわば隠顕倶成的・矛盾相即的に含み合う, より統合的な人間観と神観に関する一試論である.
  • ―研究・教育の両面から―
    伊藤 幸郎
    原稿種別: 人間学
    1985 年7 巻3 号 p. 345-352
    発行日: 1985/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学の医学概論(総合人間学)は1978年の開学と同時に開講され, 1-6必修22単位の授業が行われて満7年を経過した. この間, その内容と方法について学内, 学外から様々な批判がなされ, とくに1984年3月本学で開催された「医学概論を考える会」では全国から集まった有識者から貴重な提言があった. 1985年,医学概論の専任教員が2名に増員されたのを機会に, 専任者の立場からあらためて本学医学概論の問題点, 目的, 研究および教育の内容を検討し, 将来の展望を試みた. 総合人間学の原点は医を志す者の初心と根を一にする. 研究分野として(a)医学哲学, 医学史, (b)生命論理, 生存科学, (c)人間学, 比較思想の三者の内容を概説した. 教育面では講義偏重を避けて体験学習, 小グループ討論, 公開講座の活用を図るとともに, 卒後教育, 生涯教育まで延長することを提言し, 最後に未来の研究施設の構想を示した.
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