暑熱ストレスは人間が居住している自然環境下のみならず, 鉱山や炭抗, あるいは製鉄所に代表されるような高温職場環境においてヒトの健康と安全を脅かす. ここでは高温環境におけるヒトの一般的な体温調節機構を概説し, 高温作業環境での暑熱ストレスを防止するためのいくつかの方法について言及した. ヒトの耐暑性は, 個人差, 暑熱適応, 衣服, 年令, 性, 体力, 労作強度等により有意な影響を受けるので, 高温職場の許容温度は現在なお議論されている. 環境の温熱条件を現わす示標として, WBGT(湿球黒球温度指数)が高温職場の評価や許容基準の判定に用いられている. 労働衛生関係官庁や産業医が, 労働の効率や生産性の上昇につながる職場環境の改善や高温の許容基準の設定を行う際に, 本総説が役立てば幸いである.
抄録全体を表示