東洋医学では, 昔から, 病気の原因は, そのエコロジカルな側面を含めて, 人の心身をコントロールする自然良能としての生命力「気」の障害であるとされている. 一方, 「気」という言葉は, 内外で俗語的な日常語としてよく用いられている. また, テレパシー, サイコキネシス, 気功師が発する「気」による病気の治療といった超心理的な現象も, 「気」によって起こるとされている. 昨年11月にワシントンで催された第15回科学の統一に関する国際会議の「気の分科会」で, 私は『従来の俗語的な「気」の表現, 科学的な裏づけに乏しい不可思議な現象については, 今後の課題として残しておくこと, 各人に宿る生命力としての「気」を賦活し, それと自然の生命力との交流を促すことによって, 万人の健康な自己実現を助けるような理論と方法の研究に, 焦点を絞るべきこと』を提案し, 大方の賛同を得た.
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