Journal of UOEH
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9 巻, 2 号
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  • マルコ シャリジ
    原稿種別: 講演
    1987 年9 巻2 号 p. 119-126
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ユーゴスラビアにおける労働衛生の制度および実態について紹介した. まず, 開連法規, 労働衛生および健康管理の関連組織, 予算, 産業衛生機関の活動内容, この分野の卒前, 卒後教育および生涯教育について解説した. ついで, 本分野における研究活動とともに労働者の疾病構造についても簡潔に触れた. 最後に, ユーゴスラビアの産業衛生分野における将来の需要および発展の方向性に関する意見をもって結論とした.

    (この内容は1986年10月21日に行われた産業医科大学3Eゼミナールにおける講演に基づくものである.)
  • 岩崎 常人, 栗本 晋二
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 127-132
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    メチルコバラミンの調節機能低下に対する有用性とブラセボ効果について, 二重盲検法を用いて実験的に検討した. 投与方法は, 実験を行う一週間前から予めプラセボまたは本剤を与えた. プラセボ投与群では, 視作業の後に微動調節運勤の著しい低周波成分の増加が認められた(P<0.05). しかし本剤投与については, 低周波成分の増加傾向を示すものの有意性は認められなかった. またプラセボも本剤も投与しなかった場合には, 視作業後に有意な低周波成分の増加を認めた(P<0.05)ばかりでなく, 視作業負荷前の低周波成分の割合も他の2群に比較して増加していた. これらの事から, メチルコバラミンは視作業による調節機能の低下を抑制する働きがあり, またプラセボ効果の存在する事が考えられた.
  • 岩崎 常人, 栗本 晋二
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 133-139
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業労働者の労働環境に即応したジャンプ法による他覚的な眼球の離反運動測走法, つまり衝動性の離反運勤測走法を考案し, VDT作業による輻轄機能の低下を捉えた. VDTを用いた2時間の探索作業の後, 近視標から遠視標へ移行した場合の相対的な開散運勤に関する開散時間の有意な延長が認められた. ジャンプ法による新しい輻輳機能の測走は, 従来から行われている輻輳機能の測定に比べ, 操作性の容易さと感受性の高さ, さらに機能を定量化することに優れていると考えられた.
  • 唐崎 裕治, 平野 英保, 東 監
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 141-147
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    大腸菌の遺伝的組み換えに開与するrecAタンパクは, 多くの機能を持った酵素であり, 我々は一本鎖および二本鎖DNA依存のATP分解活性に焦点をあて,recAタンパクの構造と機能の研究を行った. ATPのリボースにアントラニロイル基またはメチルアントラニロイル基が結合した基質(以下Ant-ATP, Mant-ATPと略す)はrecAタンパクにより分解を受けず, ATP分解を拮抗的に強く阻害した. PH7.5, 一本鎖DNA存在下でのAnt-ATPとMant-ATPの阻害定数は8.1μMと4.5μMであり, ATP分解の他の拮抗阻害体であるADPの阻害定数46μMに較べてAnt-ATPとMant-ATPはrecAタンパクに非常に強い親和性を示した. pH6.2, 一本鎖または二本鎖DNA存在下でも, Ant-ATPおよびMant-ATPは強い阻害を示した. また, Hill係数を求めた結果, pH7.5, 一本鎖DNAおよびpH6.2, 二本鎖DNA存在下では, Ant-ATPおよびMant-ATPはrecA夕ンパクヘのATPのcooperative bidingに影響を与えることがわかった.
  • 橋本 昌典, 梶原 秀彦, 角谷 千登士
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 149-156
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    脳保護と, 脳浮腫による頭蓋内圧亢進の予防・治療を目的に, 16例の頭蓋内疾患に対してbarbiturate治療を施行した. 予防的投与群6例の転帰は良好であった. 積極的な減圧法としてbarbiturate療法を開始したグループのうち早期からのbarbiturateの使用は好結果をもたらした. しかし脳の不可逆的変化が進行していると思われる症例の予後は不良で, このうち頭蓋内圧が40mmHg以上を示す症例は全例死亡した. また一次性脳損傷部の脳保護を目的としたbarbiturate療法は無効であった. 脳保護剤, 脳庄降下剤としてのbarbiturateの有用性と限界を検討した.
  • 角谷 千登士, 和田 伸一, 梶原 秀彦, 副島 徹, 松岡 成明
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 157-165
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    近年, 各種誘発電位の臨床的応用が進み, 聴性脳幹反応(ABR)もその1つとして広く行われている. 最近, 一年間に当科に入院した息者の中で47例にABRを記録した. そして, それらの結果の検討から1)Ⅲ波の異常の有無, 左右単耳刺激ABRの比較などにより, 脳幹部髓内腫瘍と髓外腫揚との鑑別や, 1cm以内の小脳橋角部腫瘍をも発見できる可能性が示唆された. 2)術中ABRモニタリングは手術操作の目安や予後の判走に有用であった. 3)経時的に記録することで, 重症頭部外傷の予後の判走や脳死の補助診断に有用であった. 以上の結果より, ABRが種々の中枢神経系疾患の機能的診断に極めて有用であることを示した.
  • 古賀 実, 保利 一, 田中 勇武, 秋山 高, 井上 尚英
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 167-170
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    酸化エチレンを吸入暴露させたラット尿中代謝物の同定を試みた. 7-8適齢のWistar系雄性ラットに酸化エチレン500ppmの濃度で6時間暴露し, 暴露後18時間の尿を採取した. ガスクロマトグラフ-質量分析計を用いて分析した結果, エチレングリコール, 2-ヒドロキシメルカプツール酸, 2-メチルチオエタノール, 2メルカプトエタノールなどが検出され, 吸入された酸化エチレンは生体内で水解反応を受けエチレングリコールを生成すると同時に, グルタチオン包合され, メルカプツール酸として尿中に排泄されることがわかった.
  • 寺嶋 廣美, 石野 洋一, 中田 肇, 法村 俊之, 土屋 武彦
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 171-180
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    実験腫瘍(C3Hマウス自然発生乳癌)を用いて, 放射線と温熱の併用効果をin vivoにて確かめた. 次に臨床的な検討を行った. 1986年4月より12月までに膀胱癌, 子官癌, 直腸癌, 胆道癌, 腎癌, 軟部組織悪性腫瘍, 頭頸部癌の進行例19例に対し放射線・温熟併用療法を行った. 治宗方法は通常の放射線療法と併行して加温を行った. 加温はサーモトロンRF-8を用い, 週1-2回, 照射終了後30分以内に行った. 腫瘍部およびその周辺に熟電対温度センサーを挿入し, 43°-45℃で40-50分間, 計10回を目標とした. 殆どの症例で目的の温度が得られ, 膀胱癌にPRa(80%以上縮小)が1例, その他にPRb(50-80%縮小)が5例に得られた. 放射線単独では制御困難と考えられた進行癌で, 温熱の併用は有効であると考えられた.
  • 吉田 耕治, 林 烱旻, 大塚 治夫, 高島 正樹, 岡村 靖
    原稿種別: 原著
    1987 年9 巻2 号 p. 181-186
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    プロラクチン(PRL)は妊娠後期の胎児肺の成熟に関与しているといわれているが, 妊娠初期・着床周辺期の作用についての報告は少ない. 排卵期前にPRLの一過性上昇や, 体外受精の採卵後に一過性高PRL血症の報告があり, その胚成熟に対しての影響については報告が一致していない. また体外受精・胚成熟に用いる培養液中の血清として臍帯血が良好な成績を示したとの報告もある. そこでddYマウスを用いin vivo受精卵とin vitro受精卵の両系列で2細胞卵の胞胚化と孵化に及ぼすヒトのPRLの作用を10, 30, 100ng/mlの各濃度でin vitroの培養系で検討した. その結果in vivo受精卵ではPRL濃度と胞胚化・孵化率の間に統計学的に有意な逆相関が認められた. in vivoin vitroの受精卵の間では全般にin vitro受精卵の方が胞胚化・孵化率ともに低かった.
  • 増田 博, 田岡 賢雄, 常安 晶子, 原武 譲二
    原稿種別: 症例報告
    1987 年9 巻2 号 p. 187-191
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    69才の女性で癌性腹膜炎, 胆管拡張および胆嚢腫大などが認められ, 剖検時まで確定診断の困難であった膵癌の1例を報告した. 腹水の細胞診ではclass V(adenocarcinoma)であったが, 画像診断では原発巣を特定し得なかった. 剖検時の肉眼的所見でも膵臓に腫瘍塊を認めなかったが, 組織学的検索により膵体部より高分化型腺癌(duct cell carcinoma)がみられ, これが肝内胆管を這うような形で肝内に転移していた.
  • 永松 悠二, 龍田 恵美子, 八木田 真光, 三浦 良史, 田岡 賢雄
    原稿種別: 症例報告
    1987 年9 巻2 号 p. 193-199
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は28歳, 女性. 下痢・粘血便を主訴に入院. 注腸造影検査等より潰瘍性大腸炎(全結腸型・慢性持続型)と診断され, その治療経過中に妊娠した. 薬の胎児への影響を懸念してステロイドを漸減中止した所, 症状が悪化, 経口摂取での栄養管理が不可能となったため妊娠の中期以後をTPN(Total Parenteral Nutrition)とLRD(low residue diet)で管理し, 無事出産できた. 本邦では, 潰瘍性大腸炎と妊娠について検討した報告は少なく, 本例のような重症例をTPNとLRDで出産まで至らしめた報告はない. 潰瘍性大腸炎患者の妊娠中の薬物療法の現況と, 妊娠の本症に及ぼす影響について若干の文献的考察を加えるとともに, 本例のTPNに関して, 投与カロリー・栄養組成・微量元素・ビタミン等について検討した. 結論として, 妊娠中に症状の増悪を来すような重症の潰瘍性大腸炎患者に対して, 治療を含めた栄養管理としてTPN療法が有効であることが示唆された.
  • 中野 盛夫, 佐藤 房枝, 小出 紀, 二階堂 義彦, 宮崎 信義
    原稿種別: 症例報告
    1987 年9 巻2 号 p. 201-207
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    lgAの単クローン性高ガンマグロブリン血症を伴ったLymphoid interstitial pneumonia(LIP)の一剖検例を報告した. 剖検時, 肺のみならず全身のリンパ節でリンパ球を混じた形質細胞の増生を認め, これらの形質細胞には免疫組織学的にlgA(κ)の局在が確かめられ単クローン性増殖が示唆された. このことは, 本症例の全身疾患性的性格を示すと共に腫瘍化の可能性を示唆すると考えられ, LIPという疾患の成因を考える上で, 極めて興味ある事実と考えられた.
  • ―重症度判定におけるCT scanの有用性―
    田中 裕, 高田 伸一, 山村 譲, 森田 翼, 田岡 賢雄
    原稿種別: 症例報告
    1987 年9 巻2 号 p. 209-213
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    われわれは急性重症膵炎2例を経験したので報告する. 第1例は53歳男性で, 昭和60年1月に上腹部痛出現し腹部超音波検査およびERCPにて胆嚢管と総胆管に結石を認めたが手術を拒否していた. 同年11月, 上腹部疝痛により当科へ入院し急性重症膵炎と診断され, 総胆管切開ドレナージ術施行されたが多臓器不全をきたし第21病日死亡した. 第2例は60歳女性で, 昭和40年胆嚢摘出術後左季肋部痛をくりかえしていたが, 昭和60年10月上腹部疝痛により当科へ入院しCT scanにて膵膿傷がみとめられ, ドレナージ術を施行された. 第33病日に十二指腸穿孔を起こし死亡した. 第1例は従来の臨床症状および臨床検査による重症度判定基準で重症と診断された. 第2例は中等症の判定で あったが, 画像診断による所見を加味し重症と診断された. 急性膵炎の重症度判定に際し, 臨床症状, 臨床検査成績とともに画像診断における所見を加えることの有用性が示唆された.
  • 山岸 稔, 小松 啓子, 白川 嘉継, 河田 泰定, 石見 哲朗, 宮川 隆之, 梶原 康巨, 野田 正紀
    原稿種別: 総説
    1987 年9 巻2 号 p. 215-225
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    成人病の温床ともいわれる肥満は, 小児期に発症しそれが継続しているものが少なくないため, 小児の肥満は成人病予防の立場からも軽視できない. しかし肥満児の多くは動作が鈍く運動が苦手でしかも食欲は異常に亢進しており, 激しい運動や厳しい食事制限は長続きしないのが通例である. そこで出来るだけ緩和な食事制限と効果的な運動とを組合わせた新しい栄養・運動療法を考案し, すでに数年間良好な成績を得てきた. すなわち食事制限は, 今後の身長の伸び, 栄養素比(蛋白:脂肪:糖質)などを検討することにより可能な限り緩めた. また運動は, 有酸素運動の原理よりエネルギー源として脂肪を最も高率に消費する乳酸第1変位点を求め, この運動量を最も実行しやすい歩行のスピードに換算して歩かせた. この療法の効果は, 血清脂質, リポ蛋白, アポ蛋白値の改善から, また無害性は代謝回転迅速蛋白値の不変からも, 証明できる.
  • 真喜屋 清, 塚本 増久, 真鍋 英夫, 浅野 茂利, 岩田 康
    原稿種別: 症例報告
    1987 年9 巻2 号 p. 227-232
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    北九州市に住む50才の男性が集団検診で胸部の異常陰影を指摘され, 気管支鏡・X線などによる精査の結果肺癌の疑いで入院した. 開胸手術により摘出された病巣は10.6×95mmの楕円形で境界が鮮明な肺組織の壊死と異物による肉芽腫であって, 血管腔内に虫体の断面が確認された. 2個の線虫断端の径は216-240×296μmで角皮は少なくとも3層から成り, 角皮の外側には縦走隆起がなく, 内側に縦走隆起の横断像が認められた. 側索は筋層の高さに達し, 多数の筋細胞(1 quadrant 当り30個以上)が見られた. このような虫体断端の大きさと形態的特徴から犬糸状虫Dirofilaria immitisの未成熟虫と判定され, Ouchterlony法と免疫電気泳動法を用いた免疫学的診断でもこの結果と一致したため, 本症は犬糸状虫による肺肉芽腫と診断された. 患者の自宅周辺で媒介蚊の調査を行ったところヒトスジシマカが多く, この蚊の犬糸状虫媒介の可能性について考察した.
  • 真喜屋 清, 塚本 増久, 影井 昇
    原稿種別: 総説
    1987 年9 巻2 号 p. 233-242
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我国における犬糸状虫の人体寄生例は, 1964年に皮下寄生例が初めて報告されて以来ここ数年の間に急増したが, 現段階で実際に何例目であるのか文献によっても症例が洩れていたり混乱していて正確な数がつかめなかった. 我々は正規の刊行物として印刷された文献を可能な限り探索することにより, 全症例を網羅すべく努めた. すなわち, これらの症例を発表の順序に従って整理し一連番号を与え, さらに一覧表を作成して今後の研究者のために正確な文献集としても利用できるよう心掛けた. その結果, 最近北九州市で発見された症例を含め1986年末迄に日本では56例(肺寄生症は39例, 肺外16例, 場所不明1例)が報告されていることになる. 体内での寄生部位としては, 肺X線撮影の結果特に右肺の銭型陰影として発見される例が圧倒的に多く(29症例), 肺以外ではその大部分が各所の皮下組織から腫瘤として報告されている. 犬糸状虫症は, その殆どが癌などの疑いで摘出されてから後に寄生虫によるものであることが判明しているので, 最近急激に増加している人畜共通感染症としでの重要性を強調したい.
  • ―6年間の成績に関するまとめ―
    野見山 和彦, 桐生 博愛, 末永 義則, 西尾 一方
    原稿種別: 報告
    1987 年9 巻2 号 p. 243-248
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    過去6年間の産業医科大学皮膚科外来受診者におけるパッチテスト施行例とその結果をまとめ報告した. 何らかの接触アレルギーが疑われた患者394名に対し18種類の標準的感作源によるテストが施行され, 約80%が陽性であり半数以上は複数感作源に対して陽性反応を示した. 年齢別分布では30歳代, 40歳代に陽性者が多く高年齢者は少ない. 感作源としてはウルシオール, 塩化コバルトなどの金属類, ホルマリンなどで陽性率は高い結果を得た.
  • 矢野 統, 大久保 享一
    原稿種別: 報告
    1987 年9 巻2 号 p. 249-253
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1980年1月より1985年12月までの6年間に当科において角膜移植術を施行し, 術後1年以上の経過観察を行いえた31眼について術後1年目における透明生着率, 術後視力, 拒絶反応出現率および白内障同時手術例について検討した. その結果, 1)術後視力1.0以上の症例では, 手術時年齢が若く, 角膜提供者年齢が若いことが特徴であった. 2)術前に母角膜に血管侵入のある症例では侵入のない症例より透明生着率は低く, 拒絶反応出現率も高かった. 3)以上の結果より, 角膜移植を成功させ, 術後良好な視力を得るためには, 患者および角膜提供者の年齢が若く, 対象となる疾患は円錐角膜および角膜白斑で, 母角膜への血管侵入のないことが重要であることが判明した.
  • ―日米の議論をめぐって―
    大林 雅之
    原稿種別: 人間学
    1987 年9 巻2 号 p. 255-262
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本において, バイオエシックス(生命倫理)の語が登場し, その議論がなされるようになってから10数年の時が経つ. しかし, それらの議論については, バイオエシックス発祥の地である米国の議論との著しい相違があることも指摘されている. ここでは, これらの指摘を手掛りとして, 主に米国でのバイオエシックス成立の背景を探ることによって, 日米のバイオエシックスをめぐる議論の相違について考察した. また, それを踏まえて, 今後の日本におけるバイオエシックス研究の展望を示すことを試みた. その結果として明らかにされたことは, まず日米の間には, バイオエシックスの議論を成立させる社会的背景に大きな相違があること, また, バイオエシックスの議論の前提となる「倫理観」にも相違が見られることである. それ故に, 今後のバイオエシックス研究は, これらの相違点の考察を踏まえて, より広い国際的な視野の中で行われなければならない.
  • 高橋 謙
    原稿種別: 報告
    1987 年9 巻2 号 p. 263-265
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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