獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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36 巻, 3 号
July
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原著
  • 山下 和人, 玉地 由季, 久代 季子, Umar Mohammed Ahmed, 前原 誠也, 若生 晋輔, 安部 玲央奈, 都築 圭子, ...
    2005 年 36 巻 3 号 p. 55-61
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/03
    ジャーナル フリー
    放射線治療を目的として、僧帽弁口部に収縮期雑音のある犬33頭(NYHA クラスI)をプロポフォール持続静脈内投与(負荷用量4 mg/kg、維持投与量0.3 mg/kg/min:P-CRI群)、心雑音のない犬33頭をメデトミジン10μg/kg-ミダゾラム0.15 mg/kg-ブトルファノール0.025 mg/kgで不動化した(MMB群)。不動化時間の平均値±標準偏差はP-CRI群22.2±12.6分間およびMMB群17.4±5.5分間であった。P-CRI群18.2%およびMMB群6.1%で不動化維持に追加投与を要した。P-CRI群の呼吸循環機能は正常範囲で推移し、MMB群では心拍数が低下した。P-CRI群はプロポフォール投与中止後15.2±5.5分、MMB群はアチパメゾール投与後5.6±5.1分で起立した。いずれも反復不動化による悪影響は認められなかった。軽度の慢性心不全を持つ犬においても、プロポフォールの持続静脈内投与によって最小限の呼吸循環抑制で反復不動化できた。
短報
  • 富樫 美里, 中出 哲也, 中西 遵, 谷山 弘行, 廉澤 剛
    2005 年 36 巻 3 号 p. 63-68
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/03
    ジャーナル フリー
    腰部皮膚瘻管を呈した8歳齢のボーダーコリーの雌犬において、瘻管が卵巣子宮全摘出術後の縫合糸による肉芽腫に起因することを画像診断によって、術前に示唆することができた。肉芽腫は腎実質にも及んでいたが、摘除により瘻管の再発は認められず良好な結果が得られた。また、本疾病を防ぐためには、卵巣子宮全摘出術時に非吸収性多線維性縫合糸の使用を避けるのが好ましいと思われた。
  • 岡本 芳晴, 小倉 恵子, 岡村 泰彦, 石井 宏志, 阪田 功, 袴田 欣也, 宮木 末雄, 中島  進, 南 三郎
    2005 年 36 巻 3 号 p. 69-73
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/03
    ジャーナル フリー
    左前肢に血管周皮腫を有する犬(9歳、雄、雑種、15 kg)に対して外科的切除と新規光増感剤PAD-S31を用いた光線力学療法(PDT)を併用した治療を実施した。PAD-S31(15 mg/kg)を静脈内投与し腫瘍を十分なマージンをとらずに外科的切除後、レーザー耐性チューブを創床に設置し、皮下組織、皮膚を縫合した。PAD-S31投与2時間後、半導体レーザーで発生させた光(670 nm)を光ファイバーにより誘導後、そのファイバーをチューブ内に挿入し、創床を光照射(200 J/cm)した。PDT実施翌日、食欲がやや低下したが3日以内に回復した。その他の副作用はみられなかった。現在2年が経過しているが、再発はみられない。
  • 伊藤 大介, 田中 隆志, 黒澤 明日香, 中山 裕之, 土井 邦雄, 西村 亮平, 佐々木 伸雄
    2005 年 36 巻 3 号 p. 75-80
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/03
    ジャーナル フリー
    2歳齢、避妊雌、体重4.0 kgのマルチーズが左側頭部腫瘤および進行性の右前肢不全麻痺を主訴に東京大学附属動物医療センターに来院した。MRI検査によって、頭蓋内へと成長し脳を圧迫する腫瘤が確認された。外科的に腫瘤を摘出し、腫瘤は骨の多葉状腫瘍と診断された。術後の経過は良好であったが、早期に再発が認められたため再度外科摘出を実施した。3度目の手術後からは放射線療法を開始し、腫瘍の原発巣には有効であったと考えられた。しかしながら放射線療法の終了した時点で肺転移が認められ、転移に対する抗癌剤療法は効果がなく、初回手術から約10ヵ月後に安楽死となった。
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