獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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36 巻, 4 号
October
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原著
  • 三川 和博, 伊東 輝夫, 石川 憲一, 串間 清隆, 内田 和幸, 椎 宏樹
    2005 年 36 巻 4 号 p. 87-91
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/29
    ジャーナル フリー
    犬49頭に発生した耳血腫59例を再検討した。体重5 kg以下、5~10 kg、10~20 kg、および20 kg以上の頭数はそれぞれ1(2.1%)、6(12.8%)、11(23.4%)、および29(61.7%)頭であった。ゴ-ルデンレトリバ-とラブラドールレトリバーで全発症犬の55.1%を占め、これらの犬種の高いリスクが示唆された。全59例の45例(76.3%)は外耳炎を併発しており、52例(88.1%)は5歳以上で発症していた。罹患耳を病理組織学的に検査した4例では耳介軟骨の糜爛が認められた。これらの結果から、耳血腫発症には大型犬(ゴールデンレトリバーおよびラブラドールレトリバー)、中高齢、および共存する外耳炎など複数の危険因子が存在し、さらに自己損傷や耳介軟骨の加齢性変化が、軟骨骨折の発生と続発する血腫形成に寄与していることが示唆された。
  • 三川 和博, 伊東 輝夫, 石川 憲一, 串間 清隆, 椎 宏樹
    2005 年 36 巻 4 号 p. 93-96
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/29
    ジャーナル フリー
    犬の耳血腫59例の治療と予後を再評価した。無処置の2例のうち、追跡できた1例には著しい変形が生じていた。吸引治療した23例では、全ての例ですぐに血腫の再発がみられ、吸引の反復のみで治癒した例はなかったが、吸引後に副腎皮質ホルモンの局所注入を反復した9例は4週以内に治癒していた。吸引治療から手術に移行した9例を含む、外科治療を行った43例では抜糸前の再発はみられなかった。治癒後の再発はステロイド治療を受けた9例中2例(22.2%)と縦切開治療を受けた15例中4例(26.6%)でみられ、生検用パンチによる治療を受けた28例には認められなかった。以上のことから、吸引後の血腫再発に対するステロイドの抑制効果および生検用パンチを用いた手術の良好な予後が示唆された。
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