家畜とくに反芻獣における肝機能検査の判定基準を検討する目的で, 幼緬羊に肝蛭を中等度に感染させ, 各時期を追って各種の肝機能検査を行った結果は, 次のようであった.
1. 血糖, BSP, A/G比は肝蛭が肝実質を通過しているうちに変化が現われる.
2) 血清コレステロール, ビリルビン, 血清総蛋白, 血清膠質反応, 尿中ウロビリノーゲンは肝蛭が輸胆管に落ちついてから変化が現われる.
3. ビリルビン排泄機能の血清ビリルビンと尿中ウロビリノーゲンの診断基準は, 入の場合よりも低くすべきであると思われる.
4. 色素排泄機能のBSP試験の診断基準は, 反芻獣の場合は灘定時間を短縮する必要がある.
5. 蛋白質代謝機能の血清膠質反応は (±) 以上を病的とするのが妥当であろう.
6. 肝は代償性が非常に旺盛であるから, 機能検査が陰性であっても機能障害を否定できず, 繰り返して検査を実施すべきである. また各種機能について少なくとも2種類以上の検査を行わねばならない.
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