動物園で飼育される鳥類が剖検上, 頭蓋内側や, 胃, 腸に充出血を伴って相次いで斃死し, そのうちパラワンコクジャク (Polyplectron emphanum) からNDVを分離, 同定した.
分離ウイルスの病原性は比較的強いと考えられ, 本ウイルスの伝播, 宿主域の広さの著しいことが再確認された. 考えられる侵入経路としては, 猛禽類のエサに使用している鶏頭, 園内に飛来する野鳥, 来園者などがあるが, 予防対策としては, 衛生・飼養管理の完備は当然ながら, 少なくとも年2回の予防接種の励行が最善策と思われる.
なおその後, 日生研だより (14巻3号) において宮本がコジユケイからNDVを分離同定したことを報告している. また第66回日本獣医学会において, 清水らが, インドクジャクについて, 橋本らがウズラについて, それぞれ本病の発生を確認したことを報告している.
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