乳牛25頭, 30例の関節炎につき, 臨床的に観察し, 治療を行ない, さらに23例については起炎菌の検索を行なった. また, 分離菌を用いて, ウシの感染試験を行ない次のような結果を得た.
1. 30例の発症部位は, 飛節 (足関節) が16例 (53%) でもっとも多く, 次いで腕関節 (手関節) が9例 (30%) あり, 球節ないし蹄冠部は5例 (17%) であった.
2.25頭の症状については, 40℃前後の発熱を伴い, 食欲不振や泌乳量の低下などの全身症状を呈したものが15頭 (60%) あり, 局所症状に止まったものは10頭 (40%) であった.
3.これらを治療の結果, 治癒したと判定されたものは30例中22例 (73%) あり, 再発したもの2例, 廃用6頭であった.
4. 細菌学的検査の結果,
Cory.pyogenesのみ分離されたものが11例 (48%),
Cory.pyogenesとその他の菌 (Streptococcus, Staphylococcus,
E.coli, Proteus) の混合感染を認めたものが3例 (13%), Streptococcusのみのものが2例 (9%), 菌の検出されなかったものが7例 (30%) あった.菌の検出された16例のなかで,
Cory.pyogenesが関与していた例は14例 (87.5%) であった.
5.今回分離した
Cory.pyogenesを乳牛2頭を用いて関節に接種試験し, 2頭とも実験的に関節炎を発症させ得た.また, 接種した関節から接種菌と同じ菌を分離できた.
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