猫の自然感染Tp症2例に遭遇したので, その所見を報告した
1. 臨床症状は, 持続性発熱, 食欲不振, 呼吸困難が両症例に共通して見られ, 第1例は, 胸水貯留と腸間膜リンパ節の腫大が, 第2例は腹水貯留が認められた.
2. 病理学的検索において, 実質臓器における変性巣の出現, 反応結合織増生および瀰漫性の網内系活性化が主な変化であり, これとともに胸膜および腹膜に炎症性変化が見られた.しかしながら, 両例の病理組織像には若干の差異が認められた.
3. 第1例は, 病状の進行に伴うHA抗体価の上昇と, 臓器接腫マウスの脳内にcystが検出されたことから, 第2例は, 塗抹標本による増殖型Tpの確認, 脳内pseu do cyst様物の検出, ならびに典型的な急性Tp症に一致する病理所見から, それぞれTp症と診断した.
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