著者らは野外の猫から分離した
Isospora bigeminaのオーシストが豚にトキソプラズマ(以下Tp)病をおこさせること, および, このオーシストの感染はSulfamonomethoxine(以下SM)500PPmとPyrimethamine(以下Py)25ppmの飼料添加による投与で予防できることをすでに報告した.今回はこれらの薬剤の投与量をどこまで減らすことができるかを知る目的で, 本試験を実施した.
供試豚としては体重約40kgのTp・HA抗体陰性の豚15頭を用いた.接種原虫としては猫から分離したO-1株の成熟オーシストを用い, 豚1頭あたり1.7×10
3個を経口的に接種した.
供試薬剤としてはSMとPyを用い, 飼料中濃度が下記の量になるように配合し, オーシスト接種7日前から試験期間中連続投与した.
試験区は4群にわけ, 第1群にはSM100PPmとPy5PPm, 第2群にはSM50PPmとPy 2.5PPm, 第3群にはSM 10PPmとPy 0.5PPm, 第4群は対照群とし, 1~3群には各4頭を, 4群には3頭の豚を用いた.なお, オーシスト接種後無発症のまま経過したもの, および, 耐過したものは接種後4週間目にと殺剖検, 原虫分離等を行なった.
第4群(対照群)の3頭はオーシスト接種後5~6日目から発病し, 12日目に1頭が死亡したが, 他の2頭は、20日目頃から回復, 耐過した.
第1群の4頭中3頭は無発病のまま経過し, Tp・HA抗体の上昇もなく, Tp原虫も分離されなかったことから感染を予防できたものと考えられた.しかし, 1頭は対照群と同様に発病し, 22日目に死亡した.
第2群の4頭は全例発病したが耐過した.
第3群の4頭は全例発病し, 2頭が死亡したが, 他の2頭は耐過した.
死亡豚4例はいずれもTp病の病理所見を示し, 原虫が分離された.また, 耐過した8頭も全例から原虫が分離された.
以上の結果から, 本病予防のためには, 第1群に用いたよりも多い薬剤量が必要と考えられた.
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