愛媛県下の某養豚場において発生をみた滲出性皮膚炎について調査し, 次の知見を得た.
1) 1974年3~4月の2ヵ月間に分娩された30腹の子豚 (292頭) のうち, 24腹の子豚 (238頭) に皮膚炎を認め, そのうち171頭 (59%) が死亡または淘汰された.
2) この皮膚炎の臨床症状は, 滲出性皮膚炎のそれときわめて類似した. すなわち, 皮膚の異常は下腹部や耳部周辺の湿疹または発疹から始まり, ついには全身に波及し, 体表は滲出物が膠着して黒褐色となるものが多かった.
3) セルロースアセテート膜による電気泳動によって病豚および健康豚の血清蛋白の分画を比較したが, 両者の間に差異は認められなかった.
4) 皮膚の病変部および実質臓器から
E. coliおよび
S. aureusが分離された. これら分離菌はmpおよびCMに対して高い感受性を示した.
5) mpおよびCMによる予防および治療試験を行なったところ, かなりの効果をみた.
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