5養鶏場に発生したガス水腫病の病例について, 細菌学的検索を実施するとともに, 分離菌を用い再現試験を実施した. 主要な成績は下記のとおりである.
1. 本病は平飼いの3~7週齢のブロイラー4群と, ケージ飼育の120日齢のレイヤー1群に発生し, 発死率はそれぞれA群40%6と40%6, B群15%6, C群5%6, D群8%6, E群0.4%6と6%6と0.2%6であった.
2. 全発生群の症例に皮膚病変がみられ, ほかに皮下組織, 筋肉, 肝, 脾, 腎, 肺, 心, 消化管, 胸腺, 骨髄さらに肢関節に病変がみとめられた.
3. 皮下組織の病変部より, 4群では
Cl.septicum, 1群では
Cl.Perfringens type Aがそれぞれ分離され, また, 全例からStaphylococcusが分離された.
4. 3養鶏場由来の病例より分離された
Cl.septimmと
S.aureusを用い35日齢ヒナへ接種試験を行なったところ,
Cl.septicum接種ヒナは24羽中14羽が死亡し, 5.aureuS接種ヒナは耐過した.
5. 死亡例の
Cl.septicum接種ヒナに野外例と類似の典型的なガス水腫性病変が再現されたが,
S.aureus接種ヒナにはみられなかった.
6. 4養鶏場由来の
Cl.septicum8株について薬剤感受性を調べたところ, ペニシリン, ストレプトマイシン, テトラサイクリンなどに極めて感受性であり, コリスチン, ポリミキシンBに耐性であった.
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