日本獣医師会雑誌
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34 巻, 1 号
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  • 萩尾 光美, 久保田 学, 野坂 大, 幡谷 正明, 吉村 隆美
    1981 年 34 巻 1 号 p. 2-5
    発行日: 1981/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の細菌性腎孟腎炎はBRUCKMÜLLER (1869) が腎孟の拡大を伴う腎膿瘍の1例を報告して以来, 欧米はもとよりわが国においても, 寒冷地方を中心に広く発生がみられるようになった, 著者らは生後, 発育不良な5カ月齢の黒毛和種の雄子牛において, 膿瘍化した右腎を外科的に摘出した結果, ほぼ良好な治癒を得た.摘出した右腎の重量は2.3kgで大きさ25×20×18cmであり, 術前の尿細菌検査および摘出腎の病理組織検査の結果, Corymbacterium renaleEscherichia coliの混合感染による細菌性腎孟腎炎と診断された.術後8カ月余にわたって経過を観察し, 一般臨床所見にはとくに異常は認められず, 発育も概ね順調であった.術前にみられた血液濃縮像, やや高い値を示した血清のBUN, Creatininc, ZTTは術後次第に正常に復した.尿の白濁は術後2週間目にはほとんど消失したが, 尿中の細菌検出では菌種の変動はあったが陽性状態が続いた.
  • 清水 清, 藤居 直樹, 清水 信美, 愛洲 隆一郎, 高附 敏幸, 浜岡 隆文, 武居 和樹
    1981 年 34 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 1981/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1978年7月から1979年4月の間にClostridium Perfiingensによる6頭の壊疽性乳房炎牛に遭遇し次の結果を得た.
    1.発生は2月から4月までの冬季から早春にかけての発生が多く, 1飼育地では1カ月間に続いて発生を認めた.
    2.発症は6例とも分娩後にみられ, うち5例までは分娩後3日以内であった.
    3.生体時の顕著な全身症状と乳房の腫脹, 紫色, 硬結の共通所見, 剖検における壊疽部分房の出血, 壊死, 悪臭の共通所見, さらに実質臓器の出血性変化が注目された.
    4.壊疽罹患乳房を検査した5例のうち3例からはC. Perfringensが単独で分離され, 臓器19中の菌数は107~108個であった.2例からはC. Perfringensと大腸菌またはグラム陽性球菌が混在分離され, C. Perfringensが優位であった.
    5.各実質臓器の細菌検査では, 検査した5例全てからC. Perfringensが1g当たり102~106個前後で菌血症的に分離された.
    6.各症例から分離したC. Perfringensの毒素型別は全てA型であり, そのα毒素値は0.05~0.2であった.
    7.病理組織学的検査により, 乳房組織内にC. Perfringensの菌塊を認めた.
    8.分離したC. Perfringensの薬剤感受性試験を実施したところ, テトラサイクリン, クロラムフェニコール, ロイコマイシンに強い感受性が認められ, カナマイシン, コリスチンには全く感受性が認められなかった.
  • 1.炉過用金網の改良と術者の熟練度が肝蛭卵検出数に及ぼす影響
    川村 芳夫, 松本 忠, 佐藤 裕一, 平詔 亨
    1981 年 34 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 1981/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝蛭卵検査法の一つである平法を実際に応用する立場から, いくつかの実験を行ない, その改良を試みた.まず, 沢過操作をより容易にするため平法に用いる遠心管に適合した直径2.5cm・60メッシュのふるいを試作し, これによる沢過状況を調べた.その結果, 金網に肝蛭卵が残る率はわずか数パーセントであり, 応用上問題はないものと考えられた.そして, このふるいを用いた平法による肝蛭卵検出率は, 64.22 (60.93~67.51)%であった.
    つぎに, 術者の熟練度のちがいによって肝蛭卵検出数がどの程度異なるかを調べたところ, 全くの未経験者による検出虫卵数は熟練者のそれより少数であった.しかし, 数回の練習と処理操作のコッを教えられた後の, この未経験者の検査結果は, 熟練者のそれとほとんど変わらなかった.
    渡辺法 (1953), 原法 (1969) および平法 (1978) の3法を比較したところ, 肝蛭卵検出数の多い順は, 平法, 渡辺法そして原法であった.平法には, 特殊なビーズや回転装置を必要とするが, 他の2法よりも鏡検する沈渣が少量であり, 実用的価値の高い検査法であることが明らかとなった.
  • 坂本 一美, 酒井 ゆかり, 藤井 振, 近藤 守人
    1981 年 34 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1981/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    発症後短時間で急死した110日齢のホルスタイン種 (雌) と約12カ月齢の黒毛和種 (去勢) の2症例について病理検索を行なった結果, 解剖所見では病巣は脳に限局して見られ, 脳質の随所に大小さまざまの暗赤色病巣が認められた.病理組織学的には脳の暗赤色病巣部は好中球を主体とした細胞浸潤が著しく, 血栓形成を主徴とした化膿性髄膜炎であった.
  • 1981 年 34 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 1981/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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