封入体肝炎 (IBH) の原因とされるトリアデノウイルスのブロイラー群への侵入, IBH発生の様相を知る目的で, 汚染養鶏場内に導入された1, 033羽の1群を餌付け時より出荷まで経日的に追跡検索した. 1群の観察は5-7日ごとに行って, 病鶏と思われるものを含めて5羽ずつ取り出し, 病原学的, 血清学的および病理学的に検査した.
追跡検査群では飼育期間中とくに異常に病ヒナの多発することは認められず, 育成率や増体重は平常と変わらなかった.
全検査羽数51羽のうち, 肝細胞の核内封入体は31日齢に4羽, その後2羽, 計6羽にみられた. 31日齢の1羽の肝は肉眼的にも明らかな出血や脆弱, 脂肪化を伴ったIBHであったが, 他の5羽は変化に乏しく, 封入体出現細胞もわずかであった.
トリアデノウイルスは肝病変の有無にかかわらず, 直腸から21日齢以後20株, 肝から31日齢以降7株, 気管から56日齢以後4株が60日齢までに分離された. 分離ウイルス株の血清型はTR-59, SR-48, Otc株の3つの異なったものであった.
野外において, トリアデノウイルスに汚染している養鶏場では, 一見平常に経過していると思われる鶏群において, 本追跡群のような例は常時発生していることが示唆された.
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