子豚の大腸菌性下痢に対するピロミド酸 (PA) の応用に関する研究の一環として, 病豚より分離された.
Escherichia coliの薬剤感受性ならびにPA投薬による治療試験を行い, 次の結果を得た.
1) 1974年12月から1980年12月までに病豚より分離された
E. coli 29株は, すべてPAおよびその代謝物 (3-hydroxy PA) に感受性を示し, それらの最小発育阻止濃度 (MIC) はPA6.25~25μg/m
l, 3-hydroxy PA 3.13~12.5μg/mlであり, 標準株 (
E. coli NIHIJC-2) とほぼ同様であった.
2) 1980年5月から10月までに98頭の子豚を用いて行った治療試験により, PAは25~50mg/kg/日, 3~7日間の経口投薬で優れた治療効果を示した.
3) 良好な治療成績を示す試験区の体重増加率は治療成績の劣る試験区に較べ, 高くなる傾向が認められた.
4) PA投薬により糞便中の
E. coli数は減少したが, Total anaerobesおよび
Lactobacilli数は変動しなかった.
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