日本獣医師会雑誌
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36 巻, 7 号
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  • 安藤 敬太郎
    1983 年 36 巻 7 号 p. 365-372
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 河南 雅夫, 井本 浩嗣
    1983 年 36 巻 7 号 p. 373-378
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    兵庫県下のF養豚場において飼育中の哺乳子豚 (7~21日齢) を用い, 大日本製薬 (株) より提供されたピロミド酸 (PA) 投与による子豚下痢の治療試験を行った. また, 治療試験と並行してPA経口投与後の糞便中PA濃度ならびに健康な補乳子豚の糞便細菌叢の変動についても検討を行い, 下記の結果を得た.
    1. 健康な哺乳子豚にPA25mg/kgを1日2回, 3日間強制経口投与することにより糞便中のEnterobacteriaceae (Escherichia coli) 数の減少およびStreptococcus数の増加がみられたが, その他の菌数には大きな変動は認められなかった. また, 菌数に変動の認められたE. coliおよびStrept Ococcusは投与を中止すると, いずれも4日目には投与前の菌数にまで回復した.
    2. 正常および下痢子豚にPA 50mg/kgを1日1回, または25mg/kgを1日2回, それぞれ3日間強制経口投与し, 投与終了後15~24時間の糞便中PA濃度を測定した結果, いずれの場合においてもその濃度はE. coli増殖を十分に抑制し得る濃度 (MIC値の3~15倍) であった.
    3. 治療試験において、PA 25mg/kgを1日2回, 3~7日間強制経口投与することにより有効率78.8%の良好な成績が得られた. また, PA投与により治療効果の認められた子豚では増体率の改善があった.
  • 北野 良夫, 宮里 俊光, 高良 一成, 藤原 直躬
    1983 年 36 巻 7 号 p. 379-382
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鹿児島県南薩摩地区の繁殖・育成牛を飼養するE牧場において, 1980年以降子牛下痢症が多発し, その原因究明と予防・治療法の確立が強く要望されていた.
    1981年4月に入り, 生後6~33日齢の子牛10頭に下痢が見られたため, ウイルスおよび細菌検査を行ったところ, 次のような成績が得られた.
    1. 10頭の下痢子牛中3頭の下痢便から, それぞれ1株ずつ, 計3株のウイルスが分離された. これらのウイルスはいずれも螢光抗体法により牛ロタウイルス (BRV) と同定された.
    2.BRVに対するHI抗体価は下痢発症時20~160倍で, 1カ月後の5月にはウイルスが分離された1例で明らかに有意上昇が認められ, その他の例においてもほぼ発症時と同じレベルの抗体価を保持していた. BRV以外の下痢に関与するウイルスに対する抗体価には変動はみられなかった.
    3. 検査した5例の下痢便中の大腸菌数は108~109コロニー数/gであった.
    4. 今回の子牛下痢症には, BRVと大腸菌が関与していることが明らかになった.
  • 島田 保昭, 凾城 悦司, 石田 史郎, 岡田 啓延
    1983 年 36 巻 7 号 p. 382-387
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    レバミゾールを潜在性乳房炎の牛53頭 (100分房) に対して7.5mg/kg, 1回経口投与したところ, 泌乳期投与では分房別の有効率は58.9%であり, 投与後2~3カ月には乳量と乳質, 細菌数に著しい改善がみられた.乾乳期投与では, 乾乳期用乳房炎軟膏の併用の有無にかかわらず, その分房別有効率は75%以上であった.
    乳汁中の細胞数は, 投与後2~3日目に著減し, 4~7日目に著しく増加した.細菌数は4-11日目に著しく減少した. 投与後7日目の末梢血中のリンパ球数は増加し, Tリンパ球比率も上昇, 細胞性免疫能の改善が示唆された.
  • 鈴木 要, 金井 久, 五十嵐 丈人, 小泉 俊二, 清水 健
    1983 年 36 巻 7 号 p. 387-394
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    サルモネラの感染は人獣を越えた非常に広い宿主域をもっている. SPF卵由来のひなおよび成鶏にSalmuella typhiuriumを接種し, その感染様式を検討した.
    ひなの感染試験ではク溶アカからの菌検索を実施したところ, 接種後1週間で-同居ひなを含む92%~100%から菌が検出され-感染率はきわめて高かった. 死亡した10羽は菌分離と組織所見から敗血症死が確認された.
    成鶏の感染試験ではひなの感染試験に供した無接種同居の生残ひな259日齢のものに接種し1クロアカからのS. typiuriu検索を実施した. 接種3週以降になって, 10羽中の7羽から菌が検出された. 排菌の期間は短かったが, 糞1g当たg5.5×103個の菌量を棟出した. 接種48目後に剖検したところ-菌は実質臓器には認められず, 7羽の盲腸と, その他の1羽の直腸とから検出したが-クロアカから菌が検出されたものはすべてこの中に含まれていた. 卵のS. typhimurium汚染を調べるために, 12羽が7日間に産卵した43個, 11羽が11日間に産卵した71個, さらに10羽が9日間に産卵した58個, 計172個について菌検索を実施した. 菌は122個中22個, 18%および消毒卵40個中1個, 2.5%から分離された. その後20日間に産卵された139個は菌陰性であった.
    菌分離陽性のものは-常に卵黄と卵殻の両者から菌が分離された.
    鶏におけるS. typhiuurium感染試験から, ひなの感染率はきわめて高く, 成鶏は保菌状態となり, 卵が汚染し, 感染が繰り返されたことで, 重大な生産障害となるが, 卵の消毒で保菌卵がかなり減少することを明らかにした.
  • 小林 章二, 伊藤 裕和, 渡辺 広美
    1983 年 36 巻 7 号 p. 394-399
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    リンパ腫が発生した9羽のウズラについて病理学的および免疫学的に検索した. 剖検所見としては, 肝の腫大と限界不明瞭の灰白斑, 脾や腺胃の腫大, 腸粘膜の灰白色肥厚および卵胞萎縮が見られた. 病理組織学的には, 肝, 脾, 腺胃, 十二指腸, 小腸, 肺, 腎, 卵巣, 心, 膵および坐骨神経に大小不同のリンパ様細胞の禰漫性浸潤が見られた. また, 鍍銀染色した肝では, 好銀線維が網目状に増生していた. 免疫学的検査では, マレック病 (MD) 抗原を9羽すべての羽毛根部に認めたほか, 2羽の血清にMD抗体を認めた.
  • 角田 修男, 金 商緑, 西浦 岩雄, 河田 啓一郎, 阿部 光雄, 中尾 敏彦, 安藤 由章
    1983 年 36 巻 7 号 p. 399-402
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    卵巣腫瘍と診断され, 廃用と殺された2才のホルスタイシ種雌牛 (流産歴1回) の生殖器を病理組織学的に検索した. 罹患卵巣は右側で対側卵巣は正常であった. 罹患卵巣は大きさ16×15×11cmで, 大きな嚢腫卵胞1個と硬さを増した実質部からなっていた. 後者は軟X線撮影により骨様組織を含んでいることが判明した. また, 組織学的検査により, 硝子軟骨, 肺組織, 気管支組織腺組織, 表皮, 毛などの卵巣以外の組織が認められたことから, この腫瘍は奇形腫と診断された.
  • 3. 抗菌性薬物の薬理 (その2)
    吐山 豊秋
    1983 年 36 巻 7 号 p. 402-406
    発行日: 1983/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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