日本獣医師会雑誌
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36 巻, 9 号
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  • 清水 亀平次
    1983 年 36 巻 9 号 p. 507-514
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 田村 幸生, 山本 実孝, 木村 容子, 小泉 俊二, 尾内 宗次, 左向 敏紀, 本好 茂一, 杉山 公宏, 原田 隆彦
    1983 年 36 巻 9 号 p. 515-520
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    全身性の脱毛, 腹囲膨満, 多渇症, 多尿症, 多食, 皮膚の弾力性の消失などを主徴としたトイ・プードルのクッシング症候群の自然発生例に遭遇し, その的確な診断法と治療法について検討を加え, 次の結果を得た.
    1. 初診時の血液所見では白血球の増多, 好酸球とリンパ球の比率の減少, 高血糖, 高脂血症, GPT, ALP活性値の上昇, 血漿Eydrocortisoneの高値が認められた.
    2. Rapid combined testの結果, デキサメサゾン負荷前のHydrocortisone値は20.0μg/dlで, 負荷後12時間目では9.0μg/dlと50%以上の抑制が認められ, ACTH負荷後1時問目では56.0μg/dl, 2時間目では60.5μg/dlと著しい増加がみられ, これらの所見から, 本症はACTH依存性の両側性副腎過形成であると診断した.
    3. 最初の治療として, 片側副腎摘出手術を実施したが, 術後2週間目には残存する副腎の代償性機能充進が推察され, 臨床症状の軽減も認められなかった.
    第2の療法として, 副腎毒性化合物であるo, p'-DDDの投与を行った. 週1回ずつ血漿Hydrocortisonc値をモニターしながら週1回の投与を6回実施したが, Hydrocortisoneの低下が認められなかったので, 10日間の連続投与を実施したところ, 食欲の減退, 泌尿回数の減少がみられたので, 投与を中止して再度Rapidcombinedtestを実施した. デキサメサゾン負荷前のHydrocortisone値は3.1μg/dlで, 投与後12時間目では2.2μg/dlとわずかに抑制が認められ, ACTH負荷にはまったく無応答であった.
    4. 投与を中止して, 観察を続けたところ, 最終投与後2週間目には発毛の微候が認められ, クッシング症候群特有の血液所見も軽減した.
  • 武辺 千秋, 三浦 信昭, 小笠原 明, 中沢 堅一, 仙北 富士男, 浦田 圭一郎, 中島 靖之, 八木 行雄
    1983 年 36 巻 9 号 p. 521-524
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    昭和56年4月に, 青森県南部の一酪農家で牛5頭にイチイ中毒が発生した. それは, 剪定後放置したイチイの枝葉を採食して数時間後に急性に発症したものである. 重症の2例は約15-18時間後に死亡し, 中ないし軽症の3例は約24時間後に回復した. 発症例に共通した臨床所見は, 元気不良, 食欲減退ないしは廃絶, 反鋼減少ないしは停止などで, そのほか四肢の震戦, 呼吸浅速, 心音不正などの所見が認められた. 死亡例2例の剖検所見では, 第一胃から第三胃にかけて胃内容中から, 半ば咀噛されたイチイの枝葉が大量に検出されたことが特徴であった, また, 2例の第一胃胃汁からアルカロイドが検出された. これらの結果から, 本症例はイチイ中毒と診断された, また, その死因は体内に吸収されたイチイ毒素 (Taxin) により, 呼吸障害あるいは循環障害をもたらしたためと考えられた.
  • 金井 久, 岸 利男, 金岡 五男, 斉藤 喜代司, 藤原 之寿, 五十嵐 丈人, 清水 健
    1983 年 36 巻 9 号 p. 524-528
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    2母豚由来の子豚19頭について, 家畜専用抗生物質のピコザマイシン投与による白痢の治療経過と, 大腸菌の耐性獲得の推移について検討した. ピコザマイシンは1日1回, 3日間の投与で十分な治療効果が得られた. 投与量による大きな差異は認められなかった. 生後1日齢の子豚由来大腸菌でも, ほぼ全株が1種以上の常用薬剤に耐性を示した. 検査期間を通して, TC, SM, SA耐性菌は常時高率に検出された. KM耐性菌も決して少なくなかった. CM, APC耐性菌も低率ながら全期間から検出された. しかし, NA, CL, CEX, MPC, APMおよびBCM耐性菌は全く検出されなかった. 常用薬剤の投与を抑制することにより, 1ヵ月後には耐性菌が約20%減少した.
  • 奥田 稔, 千田 広文, 山下 秀之, 井田 孝司, 宮本 守人, 宮本 栄作, 山岡 鉄太郎
    1983 年 36 巻 9 号 p. 528-533
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年2月から3月にかけて, 流涙, 鼻汁漏出, 歩様蹌踉, 盲目などを主徴とする, 乳用雄去勢肥育牛の疾病が発生した. 剖検では頭頸部, 前胸部などの皮下および筋肉間質の水腫が著しかった. これらの部位の病理組織学的検査では, 筋間質の水腫性拡張が著明であり, 間質小血管の変性, 筋線維の萎縮あるいは硝子様変性も認められた. 血液生化学的検査では, 血漿中ビタミンA濃度は, 10例中5例が痕跡程度, そのほか4例が22.11U/dl以下であった.
  • 久木 義一
    1983 年 36 巻 9 号 p. 533-537
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Mesocestoides属の条虫は2種類の中間宿主を必要とすると思われる. 第1中間宿主として報告されているものはササラダニ類などの無脊椎動物であり, 第2中間宿主は両生類, 爬虫類, 鳥類, 哺乳類などの脊椎動物である.M. paucitesticulusの第1中間宿主と予想される土壌に生息する小動物 (ササラダニ類, 糞食昆虫類など) を採集して調査したが本条虫の寄生は認められなかった. また, スズムシ, コオロギ, ゴキブリなどに対する実験感染も成立しなかった. 第2中間宿主として鳥類と哺乳類を調査した結果, キジとヤマドリから幼虫を発見した. 幼虫は楕円形ないしハート形で, 大きさは1.2×2.3mm, 直径2-2.5mmの白色の虫嚢に入って, 宿主の内臓と筋肉に認められた. 終宿主はタヌキ, キツネ, 犬で, 犬では感染後13日で片節の排泄が認められた. 犬に感染させたときの本条虫の寿命は8年6ヵ月であった.
  • 大嶋 吉道
    1983 年 36 巻 9 号 p. 538-539
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    豚の膣脱整復法として, 家畜の個体識別用イヤータッグを用い, 5例に応用し好成績を得た. 術式は, 左右それぞれの陰唇の中央部になるべく深くイヤータッグを装着し, そのイヤータッグに紐を用いて, 纒絡縫合の要領で結び, 陰門を閉鎖するものである.
  • 鈴木 達郎, 村嶋 孝志, 明石 良信, 伊藤 尚志, 金子 晋, 岩渕 功
    1983 年 36 巻 9 号 p. 540-543
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    子牛6頭に下痢治療の目的でフラゾリドン製剤を投与したところ, フラゾリドン中毒が発生した. その概要は次のとおりであった.
    1. 約15日齢の子牛6頭にフラゾリドンを体重1kg当たり20mgを投与したところ, 投与4日目より特徴的な神経障害の症状を示し, 6頭中2頭が斃死した. 1頭は重度の症状を示し, 安楽死の処置をとった. 他の3頭は耐過生存した.
    2. 10日後, 耐過生存した3頭に試験的に, 同様の方法で再投薬したところ, 投与3日目に1頭が発死し, 1頭は重症のため安楽死の処置をした. この両例について, 病理学的および細菌学的検索では, 中毒を疑う結果を得た.
    3. 臨床症状は, 沈うつや興奮・騒狂状態を示した. 興奮状態は5~10分間ぐらい継続し, 1~2時間ぐらいの間隔で発生した. 重症例は四肢の強直や後弓反張の神経症状を現わし, 死の転帰をとった.
  • 3. 抗菌性薬物の薬理 (その4)
    吐山 豊秋
    1983 年 36 巻 9 号 p. 543-546
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 藤本 胖, 笹本 修司
    1983 年 36 巻 9 号 p. 546-551
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/06/17
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