日本獣医師会雑誌
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37 巻, 12 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 江島 博康, 黒川 和雄
    1984 年 37 巻 12 号 p. 769-773
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 一条 茂, 高鳥 浩介
    1984 年 37 巻 12 号 p. 773-776
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    くる病を経過中の1例の子犬 (土佐犬, 80日齢, 雌) の頸部と大腿部の3ヵ所に小手拳大から鶏卵大の腫瘤が発生した. 腫瘤は皮膚から遊離して皮下織に存在し, 軽度の熱感と圧痛が認められた. 腫瘤部の生検材料の真菌培養により, Candida zeylanoidesが純粋ひご分離されたので, 治療のためナイスタチンの経口投与を行ったところ, 投与後5日で腫瘤は消失した. したがって, 本腫瘤はくる病の治療のために行ったグルコン酸カルシウム液の皮下注射と, 本菌の遇発的な増殖が関連したものと考えられた.
  • 高橋 良平, 一色 貞之, 林 昌利, 三保 玄城, 中川 浩, 武隈 俊和, 佐藤 勝典
    1984 年 37 巻 12 号 p. 779-783
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1983年4月から6月に, 北海道上川家畜保健衛生所管内占冠村の黒毛和種子牛 (13~77日齢) で発生した白筋症11例について臨床および臨床生化学的検討を行った.臨床所見では起立困難・強拘歩様・心悸亢進・呼吸促迫・躯幹筋硬化が特徴であった.病牛においては血清中のα-トコフェロールおよびセレニウムの減少とGOT, GPT, LDH (とくにLDH4とLDH5), CPK活性の著明な増加が観察された. 病牛の治療にはビタミンEを中心に抗生剤・対症療法を実施したところ, 急死3例を除き回復した. 回復は薬効によるものと推察されたが, 介助による母乳給与も有効に作用したものと考えられた. 給与飼料は乾草およびサイレージが主体で, それらのセレニウム含量は明らかに低値であった. 病理学的所見で主病変は躯幹筋および心筋線維の変性であった.
    以上の所見より, 今回発生した白筋症の原因はビタミンEおよびセレニウム欠乏であると推察された.
  • 山田 明夫, 佐藤 基佳, 宮原 和郎, 広瀬 恒夫
    1984 年 37 巻 12 号 p. 783-787
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年1月から1982年11月までに, 北海道北部および東部で実施した大動物用X線診療車によって臨床的に一見健康な乳牛2,037頭の集団検診を行いその所見のうち, 第四胃が明視できた1,976頭における第四胃内異物の存在率とその性状について検索した.
    1) 第四胃内に全属異物が1,976頭中697頭 (35.3%), 砂粒状物が1,907頭 (96.5%), 磁石が9頭 (0.5%), 塊状陰影物が4頭 (0.2%) に認められた. この成績は, 一般酪農家に飼養されている乳牛の多くが, 金属異物や砂粒状物にもとつく胃粘膜への損傷ないし刺激が原因の一つと考えられている第四胃炎や第四胃潰瘍の危険に曝されていることが示唆された. また, 第四胃に金属異物が到達することはあっても, その可能性はきわめてまれであるという従来の見解を否定する成績であった.
    2) 第四胃内金属異物の存在率は, 第二胃内磁石存在群で25.7%, 第二胃内磁石非存在群で42.2%であり, そのうち5cm以上の金属異物は, 前者で2頭, 後者で43頭に認められた. したがって, 第二胃内の磁石は金属異物, とくに5cm以上の長い金属異物の前胃から第四胃への移動を阻止するのに効果のあることが示唆された.
  • 柴谷 増博, 井本 浩嗣, 鈴木 忠, 長谷川 泉, 板倉 智敏
    1984 年 37 巻 12 号 p. 787-792
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    4~5ヵ月齢の卵用種鶏にアミロイド症が多発した. 罹病鶏の主症状は, 貧血, 呼吸器症状であった. 肉眼的には, 慢性気嚢炎, 肝の腫大を示した. 組織学的には, 慢性呼吸器病変, すなわち, 慢性気管炎・気管支肺炎・気嚢炎が重度であった. アミロイド沈着は肝のグリッソン鞘およびデイッセ腔をはじめ, 気管, 肺, 気嚢, 脾および腸間膜などの血管壁や結合組織に認められた. このアミロイド症は, 慢性呼吸器病に続発して発現したものと思考された.
  • 深瀬 徹, 茅根 士郎, 板垣 博, 相原 照佳, 大熊 光隆, 島村 健郎, 渋谷 健児
    1984 年 37 巻 12 号 p. 792-796
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬・猫の糞線虫症の疫学的研究の一環として, 1982年10月~1983年12月に, 神奈川県の犬420頭について, Strongyloides属糞線虫の検出を目的に糞便検査 (直接塗抹法, 飽和食塩液浮遊, 濾紙培養法) を行った.その結果, 調査した420頭のうち275頭 (65.5%) が寄生蠕虫陽性で, 検出された蠕虫は, Metagonimus属吸虫 (2頭, 0.5%), マンソン裂頭条虫 (2頭, 0.5%), 犬鞭虫 (132頭, 31.4%), 犬回虫 (86頭, 20.5%), 鉤虫 (160頭, 38.1%), およびStrongyloides属糞線虫 (5頭, 1.2%) であった. このStrongyloides属糞線虫の寄生が認められた5例について, それぞれ犬または猫に対して感染実験を実施し, それにより得た寄生世代雌虫をはじめ発育各期の虫体と虫卵の形態学的観察, ならびに新鮮糞便中への排出ステージなどの生態学的観察を行った結果, 4例はStrongyloides planiceps, 1例はS. stmomlisと同定した.したがって, 犬では実験用ビーグルのような特殊な例を除いて, S. stmomlisよりもむしろS.planicepsの方が一般的であると考えられる.
  • 自家筋膜片のパッチグラフトとしての使用
    岸上 義弘, 仲庭 茂樹, 佐藤 典子, 藤江 延子, 橋本 久典, 松田 和義, 山根 義久
    1984 年 37 巻 12 号 p. 801-804
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    日本ネコ, 雌, 2ヵ月齢の先天性横隔膜ヘルニアの1例に遭遇した. 外科的処置を試みたが, 横隔膜欠損孔が大きく, 縫合閉鎖が不可能であったため, 自己外腹斜筋筋膜を欠損孔へのパッチグラフトとして使用し, 良好な成績を得た.
  • 村田 浩一, 谷岡 正之, 橋本 昭一, 権藤 真禎
    1984 年 37 巻 12 号 p. 805-808
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ケージ内の事故により上嘴の2/3以上を欠損したコウノトリ (Ciconia ciconia boyciana) の義嘴を歯科用の樹脂で作製し, 8回にわたりさまざまな方法で装着を試みた. 当初, TBB-Oを重合開始剤として4-METAを用い接着を行ったが, 嘴の組織新生のため24日後に脱落した. 現在まで最も良好な方法はシリコンチューブで被覆したステンレス鋼線を鼻孔に通し, これと義嘴を結び合わせる方法である.
  • 魚類ワクチンの開発
    佐々木 文存
    1984 年 37 巻 12 号 p. 808-813
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    近年, 給飼養殖漁業の産業化にともない表面化してきた問題として, 魚類の伝染病の多発による著しい経済損失と, その対応に使用される多量の医薬品の残留などに起因する養殖水産物の食品としての安全性に対する社会的不安がある.
    このような事態に対処するために, 国は魚病対策総合検討会を発足し, 医薬品等分科会ワクチン部会を附設して, 魚類用ワクチンの開発研究とその実用化を企画している.
    獣医学および魚病学領域では, 病原微生物による伝染性疾患に対する防御免疫が魚類に成立することがすでに確認されている.
    獣医学領域においては, この免疫機序にもとついて, 魚類用ワクチンに関する研究開発が動物用生物学的製剤協会魚類ワクチン委員会によって行われ, 2, 3のワクチンの実用化がすでに方向づけられている.
    魚類用ワクチンの実用化には, なお行政サイドでの問題が残されてはいるが, ワクチンの生産・供給体制が速やかに確立され, 魚病被害による給飼養殖の経済損失の救済, あるいは食品衛生上での問題点の解決に役立つことが強く望まれている.
  • 田中 良男
    1984 年 37 巻 12 号 p. 814-821
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 37 巻 12 号 p. 829
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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