犬子宮蓄膿症204例について, 卵巣の肉眼的性状を観察したところ, 次の結果を得た.
卵巣に黄体だけが存在するもの, 卵胞だけが存在するもの, 黄体と卵胞の共存するもの, 黄体と嚢胞, 卵胞と嚢胞, 黄体と卵胞と嚢胞, さらに黄体と腫瘍がそれぞれ共存するものなどがあった. 黄体の存在するものは合計で195例 (95.6%), 卵胞の存在するもの13例 (6.4%), 嚢胞の存在するもの57例 (27.9%) および腫瘍の存在するもの3例 (1.5%) であった.
子宮蓄膿症の大部分の症例で黄体が見られたことから, 本症の発症には黄体の関与の大きいことが推察されたが, そのほかに, 卵胞や嚢胞あるいは腫瘍が共存している症例もあり, また黄体の存在しない例もあったことから, 黄体ホルモン以外の卵巣ホルモンの分泌異常に基づく本症の発症も考えられる. 今後, 卵巣ホルモンがどのようなかたちで本症発症に関与しているかについて, 子宮側からも検討を加える必要があろう.
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