日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
38 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 白水 完治, 阿武 雅夫
    1985 年 38 巻 6 号 p. 353-356
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ミルベマイシンDによる犬糸状虫症の予防効果を知るため, 1~5月齢の犬に昭和58年4月より11月までの間, 5週間隔で1回1.0mg/kgを経口投薬し, 59年4月に剖検して次の成績を得た.
    投薬群25頭中24頭 (96%) は寄生虫を認めなかった. 1頭 (4%) は, 右心室に1隻の虫体が確認された.
    対照群では, 17頭中10頭 (58.8%) に4~17隻の寄生があった.
    投薬群は全例一般状態は良好で, 発育も正常であり, 剖検時主要臓器の肉眼所見においても, 投薬に関連するとみられる異常はなかった.
  • 矢野 安正, 浜名 克己, 黒田 治門, 本田 一良
    1985 年 38 巻 6 号 p. 356-361
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年11月から1983年10月にかけて, 宮崎県児湯郡で発症し治療を受けた分娩前後の起立不能症72例について, 初診時の臨床症状と血液性状を検索し, 治療成績との関係について考察した.
    72例中65例 (90.3%) が治癒したが, 意識障害や体温低下をともなう定型的な乳熱は少なく, 一般症状が比較的軽症とされた群で廃用牛が多く見受けられた. 呼吸数は廃用群の方が有意に上昇し, また体温と心拍数と呼吸数を掛け算して20万以上になると高率に廃用となった.
    血液性状はLDH, LDH-5およびγ-グロブリンで治癒群より廃用群が上昇し, 有意差を認めた. Ca値は廃用群の方が高い傾向にあり, iPは多数の症例で低下し, 廃用牛はすべて低ip群から発生した.
    初診時の予後判定の指標としては, 体温, 心拍数, 呼吸数などの臨床症状とともに, GOT, LDH, LDHアイソザイムおよびγ-グロブリンたどが有用と考えられた.
  • 板屋 民子, 徳丸 雅一, 岩崎 久夫, 池谷 奉文, 草地 恒太
    1985 年 38 巻 6 号 p. 362-367
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    埼玉県下のペットショップと一般家庭のペット動物および野鳥について, Campylobacter jejuni/coliの分布状況を調査するとともに, 輸送培地としてのキャリー・ブレア培地 (以下, C-B培地) の実用性を検討した.
    イヌ230頭中14頭 (6.1%), ネコ113頭中11頭 (9.7%), 小鳥201羽中22羽 (10.9%), ゲッ歯類46匹中24匹 (52.2%) および野鳥27羽中3羽 (11.1%) から分離された.
    一般家庭で飼育されているペット動物より, ペットショップで飼育されているものにおける分布率は高く, さらに特定の店舗に集中していた.
    分離菌74株の生物型は, C. jejuni biotype 1 69株, C. jejuni biotype 2 2株, C. coli 3株であった.
    実験室保存株を用いて実施したc-B培地中のC. jejuni/coli生存性試験の成績から, 検体の輸送・保存にC-B培地を用いることは有効であり, その際には低温に保持することが必要と考えられた.
  • 平原 正, 大田 外之, 安原 寿雄, 山中 盛正, 中井 正久, 佐々木 文存
    1985 年 38 巻 6 号 p. 367-372
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大規模養豚場における呼吸器病について, 総合的な動態調査を行ったところ, 次のような知見が得られた.
    導入豚群には比較的早期に呼吸器症状を呈するものが急増し, 半月後から淘汰例がみられ, 全淘汰率は21.4%に達した.
    導入後, この肥育豚群には種々の病原体に対する抗体上昇がみられ, とりわけ豚パルボウイルス, インフルエンザウイルスならびにHaemophilus pleuropneumoniae, Bordetella bronchisepticaの抗体は呼吸器病の発現に呼応した動きをみせた.
    多くの発病豚の呼吸器系から豚エンテロウイルス, パルボウイルス, さらにActinomyces pyogenes, Pasteurella multocida, Bordetella bronchiseptica, Haemophilus pleuropneumoniaeならびにマイコプラズマが分離された.
    また, 病理学的な検査では多くの例で気管支肺炎や気管支周囲炎, 胸膜肺炎等が観察された. 以上, 大阪府下の一養豚場における肥育豚群の呼吸器病の発生状況と複合感染の実態を明らかにした.
  • 川村 清市, 村岡 登, 酒井 喜義, 渡辺 喜正, 樋口 誠一
    1985 年 38 巻 6 号 p. 375-385
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の四塩化炭素 (CCl4) による急性肝障害の病態変化, およびそれに対するチオプロニソ製剤 (2-MPG) の治療的効果について検討した. 肝障害は, CCl4投与後3-4日目に最も著しく発現し, 以後漸次回復に向い, 23~26日目には検索したいくつかの項目がほぼ投与前値に回復した.
    血清酵素活性値では, いずれも著明な上昇を認めたが, GOT・γ-GT・MAOはCCl4投与後23日目でもなお投与前値よりも高値を示した.血清脂質では, 遊離脂肪酸 (FFA)・中性脂肪 (TG) の上昇, リン脂質 (PL) の低下を認めたが, 肝内ではFFA量の軽度の, またTG量・コレステロール量の中等度の増加を認め, さらに, グリコーゲン (Gly) 量・Glucose-6-phosphatase活性値の低下, Hexokinase活性値の上昇を認めた. BSP試験は著しい陽性化を示し, 血清アルブミン (Al)・A/G比・血清尿素の値は低下した.
    この人工肝障害牛に2-MPGを投与した牛群は, 検討したすべての項目が対照群よりも回復が早かったが, とくに肝内のTG・Gly量, BSP試験成績, 血清中のFFA・PL・TG・A1・A/G比・ビリルビン値およびGOT・γ-GT・OCT活性値は回復が著しく早かった.これらの成績は, 2-MPGが, SH基化合物として, SH基供給に基づいて各種の肝臓病, とくに肝細胞の脂肪化または脂肪肝に治療的および予防的効果の発揮することを示唆するものである.
  • 鵜飼 重明, 武居 和樹, 藤田 耕, 内藤 慎吾
    1985 年 38 巻 6 号 p. 385-389
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    北海道から滋賀県に約48時間かけてトラック輸送された後, 2週間以内に呼吸器症状を示し淘汰された10頭の子牛の肺炎病巣を病原学的ならびに病理学的に検索した. これらの肺炎病巣からUreaplasma sp. とMycoplasma disperおよびPasteurella multocidaが高率に分離された. 肉眼的には, 左右の肺に種々の大きさの暗赤色を呈し硬度を増した病巣が見られた. 組織学的には化膿性気管支肺炎を示し, 気管支周囲に多数のリンパ球の浸潤をともなった病巣が特徴的であった. また, 上記の菌種と同時にActinomyces pyogenes, Fusobacterium necrophorumが分離された肺病巣には, 肉眼的に大小の膿瘍様の病変が多発し, 気管支の断面から多量の膿汁が漏出した. 組織学的には気管支腔内に多数の好中球, 菌塊および変性細胞が充満し粘膜上皮細胞は壊死に陥り, 周囲の結合組織は著しく増生していた. これらの成績から, 今回の子牛の肺炎から分離された各種の細菌とともにMycoplasmaが病変形成に重要な役割を果たしているものと考えた.
  • 中元 緑
    1985 年 38 巻 6 号 p. 390-393
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    壼形吸虫 [Pharyngostomum cordatum (DIESING, 1850)] のセルカリアは, ツチガエル (Rana rugosa) のオタマジャクシに最も感染しやすく, 100%が感染してメタセルカリアを形成した. しかし, 実験動物として多用されているアフリカツメガエル (Xenopus laevis) のオタマジャクシには感染しないことが判明した.
  • 橋本 元秀, 田中 幹郎, 中間 實徳, 後藤 直彰
    1985 年 38 巻 6 号 p. 393-395
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    スコッチテリア種の雌犬で生後3カ月頃から下顎の疼痛を示し, 7カ月齢で受診した. 患犬は体温が40.1℃ と高く, 下顎骨の激しい疼痛のため, 口の開閉と咀しゃくが困難であり, 両下顎骨には明瞭な硬結性肥大がみられた. X線検査で下顎骨の対称性の肥厚が認められたが, 他の頭蓋骨には明確な変化はなかった. 下顎骨の生検材料の組織学的検査で明らかな細胞浸潤が認められ, 以前に何らかの活動性変化が起こったあとの組織像と考えられた. プレドニゾロン, アスピリンおよび抗生物質の投与を5カ月間間欠的に行ったところ症状は消退し治癒した.
  • 7. 輸液剤・栄養剤・ビタミン剤 (その2)
    田村 俊二, 清水 祥夫, 佐藤 栄輝
    1985 年 38 巻 6 号 p. 396-400
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 勝屋 茂實, 門田 耕一, 森脇 正, 成田 實, 播谷 亮, 本間 惣太, 谷口 稔明, 石野 清之, 富澤 勝, 末吉 益雄, 中村 菊 ...
    1985 年 38 巻 6 号 p. 403-408
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top