17頭のホルスタイン種 (Hol) における自然発情, プロスタグランジンF
2α アナログ (PGa) 投与による発情, 卵胞刺激ホルモン (FSH) 投与による過剰排卵処理時発情のそれぞれ63, 30, 4例, 11頭の黒毛和種 (JB) についても同様それぞれ55, 5, 23例について, その発情前後の基礎体温 (BBT) の変動を調査した.
1) 自然発情周期におけるBBTは, 発情前に下降, 発情日に顕著な上昇, 翌日再下降の変化を示した.
2) PGa投与で誘起された発情日のBBTの上昇は, 自然発情時よりも明瞭であった.
3) FSHで処理した場合は, 発情前のBBT下降が不明瞭で, 発情翌日から低温が3日間続いた.
4) HolとJBについて自然発情時の所見を比較したところ, JBのほうが発情日のBBT上昇が明瞭であった.
5) 過剰排卵処理によく反応した5例では, FSH投与で上昇, PGa投与で下降, 発情日に上昇, 翌日再下降のBBT変化を示したが, 反応のよくなかった4例では, 過剰排卵処理とBBTの変化には関係が認められなかった.
6) 受精卵移植によって妊娠した4頭では, 発情日に性周期中最高のBBT値を示したが, 妊娠しなかった7頭では, 発情日が最高BBT値ではなかった.
7) 気温とBBTには関係が認められなかった.
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