日本獣医師会雑誌
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39 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 吉原 忍
    1986 年 39 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 野村 紘一, 奥田 喜一
    1986 年 39 巻 3 号 p. 149-154
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    腹囲の膨大と排尿排便障害を主訴とする犬の先天性膣端閉鎖に伴う膣の拡張症の2例を経験した.1例は6年7ヵ月齢の未経産のシーズ種で, 諸検査と試験的開腹の結果から膣-膣前庭癒合不全または形成不全による膣閉鎖に伴う膣拡張症と診断された.本例は膣腔に乳白色の希薄水様液約2lを入れており, 子宮は軽度の嚢胞状肥厚を示していたが, いずれの内容物も菌検査の結果は陰性であった.また, 卵巣には機能的黄体が存在していた.卵巣, 子宮ならびに膣の摘出により治癒したが, 術後2カ月にわたって腎障害が持続し, 治療の結果回復した.他の1例は6年3カ月齢の未経産犬の雑種で, 諸検査および試験的開腹所見から処女膜全遺残による処女膜閉鎖に伴う膣拡張症と診断された.本例は幼若時に不妊手術を受けていたが, 一側の卵巣が遺残しており, 発情回帰とともに子宮切断端や膣内に発情出血や分泌物が貯留したものと推定された.膣内には約1lの黄白色粘稠な液が貯留していた.本例も当該組織の摘除によって治癒した.
  • 斉藤 守弘, 岩田 信之, 小林 精一郎, 山我 英夫, 佐藤 澄美, 中島 董, 渡辺 昭宣, 板垣 博
    1986 年 39 巻 3 号 p. 154-158
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ランドレース系, 去勢, 6ヵ月齢の豚の腹腔内臓器に多発した嚢胞に遭遇し, 寄生虫学的および肉眼・病理組織学的検索を行った.
    剖検所見では肝を主とする腹腔臓器の漿膜面に小指頭大ないし母指頭大の淡黄色嚢胞が認められた. 嚢胞内より取り出した原頭節部の圧平標本では頭節先端に交互に配列する, それぞれ10数個の大鉤および小鉤と, その後方に4個の吸盤が認められた.本嚢虫は嚢虫の形態鉤の形態, 大きさ, 数, 寄生部位などの特徴から細頸嚢尾虫と同定された.組織所見では嚢胞は2層構造を示し, 外層はクチクラ層, 内層は粗造な網状構造を示していた.組織反応としては嚢胞を囲む肉芽腫性炎像が認められた.
  • 中林 大, 本間 穂積, 大宅 辰夫, 石田 秀史, 鶴巻 藤太郎, 遠藤 恭介, 古川 岩雄, 栗山 茂衛, 鍋谷 政広, 竹石 吉男
    1986 年 39 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年5月~9月, 同一導入元の特定系統豚のみを飼養する新潟県内の3農家において, 暗赤色血便を排泄し死亡した豚2頭, 同様の症状を示し急遽屠場へ出荷した豚3頭の計5頭について病理学的検査の結果, 増殖性出血性腸炎 (PHE) と診断した。それらの病変部である回腸粘膜乳剤からCampylobacter hyointestinalisが106.4~107.4CFU/g分離された.分離菌は同一の血清型と判定され, ベンジルペニシリン, アミノベンジルペニシリン, テトラサイクリン, オキシテトラサイクリン, コリスチン, フラゾリドンおよびカルパドックスに感受性を示した.
    県内同一系統豚飼養農家24戸に対しての聞きとり調査では, 1982年6月から1984年9月の間に12戸40頭のPHE様疾病の発生が認められ, その発生率は0.22%であった.
  • 黒木 洋, 秋葉 和温, 久保 正法, 後藤 義之
    1986 年 39 巻 3 号 p. 166-170
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年6月から12月の間に家畜衛生試験場九州支場 (鹿児島市) の牛舎内でヌカカ科のCulicoides (C) 属の昆虫 (ヌカカ) を採取し, 3~4日間飼育後, 種類別に分類したものを乳剤にして乳のみマウスの脳内に接種し, ウイルス分離を試みた.その結果は, 次のように要約される.
    1) 採取されたヌカカの種類は, C. arakawae, C. oxystoma, C.punctatus, C. mculatus, C.jacobsoni, C. actoni, C. brevitarsis, C. kibunensis, C. lumgchiensis, C. mutsuzawae, C.ohmorii, C. sumatorm, C. wadaiの13種類で, このうち前5者が主であり, とくにC.mystomaが優勢種であった.
    2) ウイルス分離を, C. oxystoma, C. punctatus, C. maculatus, C. jacobsoniの4種類から試みたところ, 10月12日, 15日および11月4日に採取されたC. oxystoma (ウシヌカカ) のそれぞれの混合材料から計3株のアカバネウイルスが初めて分離された.
    3) おとり牛の2頭の経過血清について, 8種類の節足動物媒介性ウイルス (アルボウイルス) の抗体調査を行ったところ, アイノウイルスに対しては10月1日と15日に各1頭に, またアカバネウイルス (分離ウイルスおよび既知ウイルスの2株を使用) に対しては, 2頭とも11月1日にそれぞれ中和抗体の陽転が認められた.しかし, ゲタウイルス, 牛流行熱ウイルス, イバラキウイルス, 日本脳炎ウイルスおよびブルータングウイルス1型に対する抗体陽転は認められなかった.
  • 下澤 智宏, 井上 勇, 天野 敦子, 栗原 智子, 田中 一郎
    1986 年 39 巻 3 号 p. 171-175
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    新しく配合した消毒剤 (VEK-100-124, 主成分はオルトジクロロベンゼン) の殺オーシスト効果試験をEimeria tenellaのオーシストを用いて実施した.さらに, ブロイラー鶏舎で野外試験を実施して, つぎの成績が得られた.
    未成熟オーシストに対しては400倍希釈液まで100%, 500倍液10分感作で97.4%の殺オーシスト率であり, 一般の市販品よりも優れた成績であった.
    未成熟オーシストに対しては, 糞便が5%混入しても効力の低下は認められなかった.いっぽう, 市販品の殺オーシスト率は95.8%から77.9%と低下がみられた.100倍液に24時間感作した成熟オーシスト接種による雛の盲腸病変はほとんど認められず, また再生産オーシスト数も少なかったが, 完全にオーシストを殺滅することはできなかった.
    ブロイラー鶏に対しての野外試験成績では, 市販品と同様の成績であった.
  • 原田 良昭, 内田 幸治, 平元 清和, 村山 以道, 矢野 泰臣
    1986 年 39 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Mycoplasma汚染種鶏場に新たに導入されるヒナ群に、オキシテトラサイクリン (OTC) 250PPmを飼料に添加し, 5~60週齢まで連続投与するとともに、ドキシサイクリン (DOTC) 50PPmを0~50週齢の間, 15回飲水により間欠投与 (以下, 組み合わせ投与) した.それによって得られた成績を, その農場における慣行の間欠投与 (以下, 間欠投与) によって得られた成績と比較・検討した.
    1) 組み合わせ投与群では60週齢までにMycoplasma gallisepticumおよびM.synouiaeの侵入をうけた群は39群中わずか2群 (約5%) であった.いっぽう, 間欠疫与群ではそれらの汚染は37群 (約95%) に認められた.
    2) 生産性の面でも、組み合わせ投与群が間欠投与群より優れていた.すなわち、ヘンハウス (HH) 産卵個数の差はLayer種鶏で8.4個, broiler種鶏で10個, 平均艀化率の差はそれぞれ1.8と1.5%であった.
    3) 組み合わせ投与群のHH産卵個数および艀化率はそれぞれの銘柄で標準とされている値とほぼ一致し, OTCの連続投与が鶏に対し安全で, 生産性に悪い影響を及ぼさないことが認められた.
  • 津野 健一郎, 立山 晉, 野坂 大, 山口 良二, 仲村 和夫, 萩尾 光美
    1986 年 39 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種, 雌の双子子牛に発生した白血病を血清学的・病理学的に検索した.両牛とも各体表リンパ節が腫大し, 末梢血中には腫瘍性リンパ球が多数出現していた・両牛はそれぞれ生後155日と199日で死亡した.病理解剖の結果, 胸腺, 体表・胸腔内・腹腔内各リンパ節, 腎臓および脾臓に腫大を認め, 組織学的には腫大臓器の他, 肝臓, 肺, 骨髄に腫瘍性リンパ球の浸潤を認めた.とくに肝臓では子牛型の特徴といわれているグリソン鞘への腫瘍性リンパ球の浸潤を認めた.両牛に病理学的所見上の著明な差異はみられなかった.両牛の牛白血病ウイルス抗体は, ゲル内沈降反応により陰性であった.以上のことより子牛型白血病が双子子牛に発生したものと考えられた.
  • 中毒症関係の検査機器
    吐山 豊秋
    1986 年 39 巻 3 号 p. 184-186
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 児玉 洋
    1986 年 39 巻 3 号 p. 186-188
    発行日: 1986/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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