1970年から1979年までの10年間に宮崎大学家畜病理学研究室で検索した腫瘍材料は実験動物を除くと, イヌ142例, ネコ28例, ウシ40例, 鳥類11例およびその他の動物19例の計240例で, この期間の全病理検索材料2, 416例の9.9%を占めた.
イヌの腫瘍は泌尿生殖器の腫瘍が53例と最も多く, そのうち44例 (83.0%) が可移植性器肉腫であった.ついで多いのが皮膚の腫瘍33例で内訳は, 先人の報告にみられる種類が1~5例ずつ含まれていた.乳腺の腫瘍は31例で3番目に多く, その61.3%(19例) が良性混合腫瘍であった.造血器の腫瘍は12例あり, そのうち9例がリソバ系の腫瘍であった.その他の臓器の腫瘍は13例で, それぞれ1~3例ずつであった.次にネコの腫瘍は乳腺の癌が21例 (75.0%) で圧倒的に多く, 他の臓器の腫瘍はそれぞれ1~2例であった.ウシの腫瘍は皮膚の腫瘍が12例で最も多く, そのうち扁平上皮癌が眼の4例を含めて7例あった.また, 造血器の腫瘍は8例あり, そのうちリンパ系の腫瘍が6例を占めていた.鳥類の腫瘍は鶏のものが6例と最も多かったが, 他の鳥類の腫瘍も5例含まれていた.その他の動物の腫瘍としてはブタが15例で最も多く, イノシシ, タヌキ, ライオンおよび魚が各1例であった.以上のごとくそれぞれの動物にみられた腫瘍の種類は先人の報告にほぼ一致し, リンパ系の腫瘍はいずれの動物にも見出された.
例数は少ないが南九州の地方都市においても東京近郊あるいは外国とほぼ同様の腫瘍発生傾向を示しており, とくにイヌの可移植性器肉種とネコの乳腺腫瘍が他の報告より多い傾向を認めた.
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