著者らは1984年8月11日, 肢行を主訴として来院した雌猫を診察し患部の切除手術を行い, 病理組織学的検査によって骨軟骨腫と診断した.
症例: シャム猫, 雌, 2.5才, 体重4.0kg.
現症: 体温38.7℃, 脈拍数95, 呼吸数25で右後肢は混肢を呈し, 触診により右下腿部に腫瘤が認められる以外, とくに目立った所見はみられなかった.
X線所見: 右脛骨近位の内側に化骨様の腫瘤が認められ, その陰影は比較的均質で, 骨自体に異常があると思われるような所見はみられなかった.
血液学的所見: X線像より得られた所見から, 限局性石灰化を起こす疾病に必要と思われる血液検査を実施した結果, PCVの増加, 白血球分類では桿状核とリンパ球の増多, 血清無機成分ではMg値とCa値の上昇がみられた.
治療: ハロセンによる吸入麻酔下で, 脛骨の内側近位端から皮膚切開を行い, 皮下筋膜を同一線上に切開し, 深部の腿筋膜を開き, 骨膜に沿って切除した. 切除によって摘出した腫瘤は17gであった.
病理組織学的所見: 腫瘤は線維性被膜に囲まれ, その腫瘍には軟骨組織およびそれに連続的に移行する骨化部よりなる軟骨内化骨の像がみられ, この像は旺盛な腫瘍増殖性変化を示す骨軟骨腫であった.
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