日本獣医師会雑誌
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39 巻, 9 号
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  • 照井 信一
    1986 年39 巻9 号 p. 551-557
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 高瀬 勝晤, 日笠 喜朗, 小笠原 成郎, 小笠原 明, 福村 俊美, 安田 賢蔵, 橋本 良也, 苫米 地隆, 渡辺 利久
    1986 年39 巻9 号 p. 558-562
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛のキシラジン投与時における拮抗薬としてのトラゾリンによる鎮静解除の効果を臨床例で検討した. 年齢3ヵ月から8才, 体重100~680kgのホルスタイン種, 黒毛和種および日本短角種, 計56頭を使用した. キシラジンの投与量は0.10~0.30mg/kgで, すべて静脈内に投与し, 伏臥した時点で各種の手術を実施した. 手術例の内訳は去勢術34例, 除角術11例, 蹄の処置4例, その他7例 (乳頭の処置, 血腫など) である. 手術終了後51例には拮抗薬としてトラゾリン0.7~1.3mg/kg (その内40例は1.0mg/kg) を静脈内に投与し, 対照の5例には拮抗薬を投与しなかった. トラゾリンを投与した例では対照例に比較して明らかに起立時間が短縮し, 鎮静解除の効果が確認された. また, キシラジン投与時にみられた第一胃の運動抑制, 流灘, 徐脈ならびに過血糖はトラゾリン投与によって防止することができた. さらに, 心電図検査所見, 血液検査所見においてもトラゾリン投与による悪影響はみられなかった.
    以上のごとく, 牛の臨床例において, キシラジン投与時における拮抗薬としてトラゾリンが有効な鎮静解除効果を示すことが確認され, 同時に障害となる副作用も認められず, 臨床的に応用性の高い拮抗薬であると考えられた.
  • 深瀬 徹, 茅根 士郎, 板垣 博, 石川 亮吉, 田山 四郎, 舘野 尚基, 別部 博司
    1986 年39 巻9 号 p. 563-567
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年8月から1985年12月の期間に室内飼育の純血種犬に認められたStrongyloides属糞線虫について観察を行った. 寄生犬は, パピヨン1頭 (No.1), ヨークシャーテリア3頭 (Nos.2, 3, 5), ミニチュアダックスフント1頭 (No.4), マルチーズ1頭 (No.6) の計6頭で, 下痢や発育不良を主訴としていた. これらの犬の糞便中には, R型の幼虫が排出されており, さらに, 犬No.2においては寄生世代雌虫の排出も認められた. 各例について糞便の濾紙培養を行ったところ, F型幼虫ならびにR型の雌虫と雄虫が得られた. また, 犬No.5に由来するF型幼虫を用いて3頭の犬に対して感染実験を行った結果, 2頭に感染が成立し, 寄生世代雌虫が採取された. なお, この際のprepatent periodは14日と20日であり, 供試犬の糞便にはR型幼虫が認められた. 今回認められた糞線虫は, No.2とNo.5の犬から得たものについては, その寄生世代雌虫や糞便中への排出発育期などから, Strongyloides stercoralisと同定した. また, その他の犬におけるものも, 宿主の糞便中へR型幼虫が排出されることなどから, おそらくはS.stercoralisであろうと考えられる. したがって, わが国においては, 一般に飼育されている雑種犬ではS. planicepsの方が多く認められるのに対して, 純血種犬では, S. stercmlisが普通であり, いわゆる“kennel disease”的な性格が強いものと考えられる.
  • 大西 堂文, 坂本 哲郎, 坂本 勇
    1986 年39 巻9 号 p. 568-571
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    長期間血尿を呈した6才, 雄のジャーマンシェパードの膀胱から, ジャックストーソに類似した結石1個を外科的に摘出した. 結石の突起部および核部の化学 (重量) 分析, 赤外線吸収スペクトル分析および蛍光X線分析の結果, この結石はシリカ結石であることが判明した.
    この犬に約5年間与えられていたアメリカ製ドライドッグフードはすでに198年に新製品と変わり, シリカ含有量を測定できなかったが, 与えられていた井戸水, さらにアメリカおよび国内数社のドライドッグフードおよび市水道水のシリカ含有量を測定し, シリカ結石と館, 性および犬種との関係について若干の検討を加えた.
  • 山崎 政彦, 小林 平治, 平井 孝, 岡田 正実, 近江 嘉博, 浅井 敏文
    1986 年39 巻9 号 p. 572-577
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    北海道檜山家畜保健衛生所管内で, Babesiaobata (Bo) の高度汚染のあった日本短角種放牧場で, 1979年以降6力年間にわたる4項目の衛生対策を行い, 次のような有効な成果を得た.第1は親子分離放牧方式である.親から分離して子牛だけを放牧するので, 野草地から離れたダニ生息の少ない場所に小牧区を設定でき, 殺ダニ剤散布によるダニ駆除が可能になった.また, 定期的衛生検査, 投薬作業, 放牧馴致などが一層徹底され, 子牛の放牧ストレスが軽減され, 平均出荷体重の増体など高い経済的効果があった.第2は抗パベシア剤適期使用指導である.1979年に初めてBoが確認されて以来, 臨床血液学的検査と抗体調査によって, Boの動態を把握することができた.とくにBoの末梢血中出現時期はHt値がもっとも低下し, 体温がもっとも上昇する臨床的落ち込み時期とおおむね一致することが明らかとなった.また1982年以降, 殺タイレリア剤の投与回数を減らし, Boの高度出現時期にバベシア剤の投与時期を設定するタイレリア剤-バベシア剤-タイレリア剤の方式を採用した.この投薬方式によりBo原虫は著減し, Ht値は上昇した.第3はダニ駆除対策である.1981年に親子放牧地の草地ダニ生息調査を行い, 9月中旬に幼ダニの出現ピークがあることが明らかになった.また, 1983年には子牛が放牧されている小牧区について殺ダニ剤の散布を行ったところ, 臨床血液学的にBo感染の軽減が図られた.第4は放牧衛生管理技術検討会を開催し, 技術, 知識の普及と啓蒙を計り, Bo防除に大きく貢献した.上記4項目の対策により, Boの発症が防止された.
  • 岡田 洋之, 松川 清, 千早 豊
    1986 年39 巻9 号 p. 578-581
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ニホンカモシカ (Cepricornis crispus) の伝染性膿疱性皮炎の丘疹性病巣から調製した乳剤を牛および山羊の口唇に皮内接種したところ伝達に成功し, 典型的丘疹病巣が出現した.病巣は, 紅斑期, 膿疱期, 結節期および乳頭腫様期の経過をとったのち治癒した.病理組織学的に, 紅斑期, 膿疱期および結節期の変性上皮細胞には細胞質封入体が, また膿疱期には核内封入体も認められた.電顕的に細胞質封入体は, 成熟あるいは未成熟ウイルス粒子を含むピロプラズマよりなり, 成熟ウイルス粒子はパラポックスウイルスの形態学的特徴を示した.核内封入体は線維状物を含む構造であった.
  • 平原 正, 安原 寿雄, 大田 外之, 山中 盛正, 中井 正久, 佐々木 文存
    1986 年39 巻9 号 p. 582-588
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    素豚を導入して肥育する大阪府下の某大規模養豚場に発生する呼吸器病を調査するため, 導入肥育豚の臨床症状を観察するとともに, 肥育豚の導入当日におとり豚を同居させて, 剖検, 病理検査, 病原検索, 抗体測定などを行い次のことが明らかになった.
    導入肥育豚は, 導入直後より発咳や鼻漏などの呼吸器症状が増加し, 激しい症状の場合には淘汰される豚も多く, 淘汰率は導入後3週間で28.2%, 緩やかな症状の場合でも4週間で10.1%に達した.
    おとり豚の肺病理変化は, 激しい呼吸器症状の例では胸膜肺炎が圧倒的に多く, 緩やかな症状の例では気管支周囲炎が多く観察されたが, 病変の程度は同居日数とともに重度化する傾向がみられた.
    細菌検索では多くの菌種が検出され, 中でも激しい呼吸器症状を示したおとり豚の肺病巣からは Haemophilus (Actinobachillus) pleuropmumoniaeがほぼ純粋に検出されたことは注目に値する.
    ウイルス検索の結果, 症状の激しさ, 緩やかさには関係なく, 豚エンテロウイルス, 豚パルボウイルス, A豚型のインフルエンザウイルスなどが多数分離された.
    各種病原の抗体調査の結果, 豚パルボウイルス, インフルエンザウイルスA豚型, 豚エンテロ ウイルスの多くの血清型, Haemophilus (Actinobachillus) peuropneumoniaeのII型, V型, ならびに Bordetella bronc Hisepticaの抗体上昇が認められた.以上, 述べたように, 一大型養豚場において, 導入肥育豚群および同居おとり豚に発生した重症
    と軽症の呼吸器病の発生状況を調査し, 同症状の発現に複合的に関与したとみられる病原を類別した.
  • 更科 孝夫, 谷山 弘行, 佐藤 和男
    1986 年39 巻9 号 p. 593-596
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1980年8月に, 北海道空知地方の一農家で3-4才のチャボの3羽にトリアシビゼンダニ症を認めた.病鶏の脚部は肥厚し, 痂皮の蓄積による多数の結節がみられた.組織学的には表皮の肥厚とともに, 真皮綱状層に血管周囲性の軽度の細胞浸潤と水腫が認められた.痂皮中にはKnemidokoptes mutansの各発育期虫体が認められた.雌虫のnymphの時期は2期にわかれ, 雌前若虫および未成熟雌虫が形態的に確かめられたが, 雄虫のnymphは認められなかった.痂皮中の各期虫体の検出率では, 幼虫 (47.4%) が最も多く, 次いで雌前若虫 (23.8%), 雌成虫 (15.7%), 未成熟雌虫 (10.0%) および雄成虫 (3.1%) の順であった.
  • 村田 浩一
    1986 年39 巻9 号 p. 597-600
    発行日: 1986/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    神戸市立王子動物園で飼育中のワオキツネザル (雄) に多飲・多尿, 尿糖強度陽性および高血糖が認められた.イソシュリン投与などの治療で一時寛解したものの再燃した.現在, 食餌療法を行ってコントロール中である.病期中, 血中アミラーゼは最高値で2, 190.9SUを示し, 尿中アミラーゼも776.5SUにまで上昇した.これにより膵炎による2次性糖尿病が疑われたが確定はできなかった.発症時の総エネルギー摂取量は約110.5kcal/kgと高く, 運動が制限されるケージ内の飼育形態と併せて環境の要素も大きな誘因であることが推察された.
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