素豚を導入して肥育する大阪府下の某大規模養豚場に発生する呼吸器病を調査するため, 導入肥育豚の臨床症状を観察するとともに, 肥育豚の導入当日におとり豚を同居させて, 剖検, 病理検査, 病原検索, 抗体測定などを行い次のことが明らかになった.
導入肥育豚は, 導入直後より発咳や鼻漏などの呼吸器症状が増加し, 激しい症状の場合には淘汰される豚も多く, 淘汰率は導入後3週間で28.2%, 緩やかな症状の場合でも4週間で10.1%に達した.
おとり豚の肺病理変化は, 激しい呼吸器症状の例では胸膜肺炎が圧倒的に多く, 緩やかな症状の例では気管支周囲炎が多く観察されたが, 病変の程度は同居日数とともに重度化する傾向がみられた.
細菌検索では多くの菌種が検出され, 中でも激しい呼吸器症状を示したおとり豚の肺病巣からは
Haemophilus (Actinobachillus) pleuropmumoniaeがほぼ純粋に検出されたことは注目に値する.
ウイルス検索の結果, 症状の激しさ, 緩やかさには関係なく, 豚エンテロウイルス, 豚パルボウイルス, A豚型のインフルエンザウイルスなどが多数分離された.
各種病原の抗体調査の結果, 豚パルボウイルス, インフルエンザウイルスA豚型, 豚エンテロ ウイルスの多くの血清型,
Haemophilus (Actinobachillus) peuropneumoniaeのII型, V型, ならびに
Bordetella bronc Hisepticaの抗体上昇が認められた.以上, 述べたように, 一大型養豚場において, 導入肥育豚群および同居おとり豚に発生した重症
と軽症の呼吸器病の発生状況を調査し, 同症状の発現に複合的に関与したとみられる病原を類別した.
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