日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
40 巻, 12 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 竹田 孝夫, 納 敏, 一条 茂
    1987 年40 巻12 号 p. 833-837
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    トコフェロール (Toc) とセレニウム (Se) 投与による子牛白筋症予防の基礎的所見を得る目的で, 妊娠牛に対しE-SE剤 (1ml中にSe2.5mg, 酢酸α-Toc 50mgを含有) の筋肉内投与およびプレミックス (50g中にSe 0.7mg, 酢酸α-Toc 1,000mgを含有) の経口投与, また子牛に対し酢酸α-TocまたはE-SE剤を筋肉内投与し, 投与後のTocとSeの血中濃度について検討した.
    妊娠牛では投与により, 血清Toc値はE-SEの10ml当て, 1回および2回 (2週間隔) 筋肉内投与例では, 2回投与例のみに短期間の上昇を認め, プレミックス日量50g, 10週間経口投与例では上昇が認められなかった。血清Se値は経口投与例に比べ筋肉内投与例で, 早期に確実な上昇がみられた。なお, 出生子牛の血液グルタチオンパーオキシダーゼ (GSH-Px) 活性値においても筋肉内投与例でより明瞭な上昇が認められた.
    子牛への投与では, 酢酸α-Toc100mg投与群で投与後の血清総Toc値の上昇が認められず, かつ投与子牛の血清CPKにも3,000IUを越える著増例が出現した. これに対し, 酢酸α-Toc250mg投与群では, 投与前上昇していた血清CPKは低下し, かつ血清総Toc値の上昇もみられた. また, E-SE 2ml投与群では血清総Toc, 血清Se値ならびに血液GSH-Px活性値がいずれも明瞭に上昇した.
  • 永幡 肇, 山中 旭, 野田 寛
    1987 年40 巻12 号 p. 838-841
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    アガロース法を用いたウシ好中球の走化能を評価するため, 走化因子, アガロースウエル内の好中球数および培養時間について検討し, さらに, 周産期乳牛10頭の分娩前後における走化能および血漿コルチゾール濃度を測定した. ウシ好中球はチモーザン処理血清に対し良好な走化性を示した. ウエル内の好中球数は1×106個, 培養時間は2時間が走化性, 走化指数および走化性-ランダム運動の差の評価のうえで適当と考えられた. 分娩時のウシ好中球の走化能は, 分娩前後3過値のそれと比較して有意に低下しており, この一因として血漿コルチゾール濃度の上昇が関連しているものと考えられた.
  • 野村 紘一, 鎌田 洋一, 島田 保昭
    1987 年40 巻12 号 p. 842-845
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    性周期の各時期における雑種成犬27頭を用いて, 自然症例の犬子宮蓄膿症から分離培養した大腸菌を子宮頸管を結紮した子宮内に接種することによって, 実験的に犬子宮蓄膿症を作成した. これらについて菌接種後3日で結紮を解除し, その後子宮蓄膿症が持続するか否かを検討した結果, おおむね次のような成績が得られた.
    1) 子宮蓄膿症は菌接種後3日で全例 (27例) に認められたが, 結紮を解除した場合に, 菌接種後12日では16例59.3%に減少した.
    2) 菌接種12日後の各性周期における発症率は, 発情前期ないし発情期ならびに発情休止期においてはおのおの100%であったが, 無発情期と分娩後修復期ではそれぞれ80%, 28.6%に低下した.
    3) 結紮を解除することによって, 無発情期と分娩後修復期においては子宮蓄膿症は治癒に向かう傾向が, また発情前期ないし発情期および発情休止期においては逆に充進する傾向がみられた.
  • 村田 浩一
    1987 年40 巻12 号 p. 846-849
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    神戸市近郊で保護された傷病野生動物, ならびに動物園内で保護もしくは捕獲されたネコとドブネズミについて, ラテックス凝集反応によるトキソプラズマ (Tp) 抗体保有調査を行った.調査対象である野生哺乳類4種19個体, 鳥類20種77個体, 爬虫類1種2個体のうち, Tp抗体価32倍以上を示したものは哺乳類で37%(7/19個体), 鳥類で3%(2/77個体), 爬虫類で0%(0/2個体) であった.
    動物園内で保護もしくは捕獲されたネコ17個体とドブネズミ15個体のTp抗体価はいずれも16倍以下であった.
  • 叶内 恒雄, 小林 正人, 鶴田 実, 蘇武 秀名, 新関 博夫, 早坂 恭二
    1987 年40 巻12 号 p. 850-853
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1985年5月, ホルスタイン種雌成牛1頭に神経症状を伴った疾病が発生し, 翌日に鑑定殺された.
    病理組織学的検査で脳幹部に壊死巣, 神経細胞の変性および囲管性細胞浸潤などが認められた. また, 細菌学的検査では, 脳幹部よりListeria monocytogenes type 4bが分離され, 同時に給与されていた変敗サイレージからも同じ血清型の本菌が分離された. 分離した2株の生物学的および生化学的性状は一致するものであった.
    以上の成積から, 本症例は給与されていたサイレージの汚染に起因するものと考えられた.
  • 福安 嗣昭, 芦田 浮美
    1987 年40 巻12 号 p. 854-858
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ヨウ素の殺卵効果に塩類および界面活性剤がどのように影響するかについて検討した結果, 酸性溶液でのヨウ素の50%回虫卵発育阻止濃度 (GID50値) は9.4~16.4μg/mlであり, アルカリ溶液でのよう素のGID50値は40μg/ml以上という高い値であった. また, ヨウ素の回虫卵発育阻止効果には塩類の陰イオンが強く影響し, リン酸イオン次いでクエン酸イオン, 硫酸イオン, 塩素イオンの順にヨウ素の殺卵効果を増強した.
    界面活性剤のうち陰イオン界面活性剤を添加した溶液ではすべてヨウ素の殺卵効果が認められた. すなわち, ラウリル硫酸ナトリウム, ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびジアルキルスルポコハク酸ナトリウムのGID50値は, 18.0~22.0μg/mlであった. また, 非イオン界面活性剤のソルビタンモノラウレート (T-20) およびショ糖脂肪酸エステルステアレート-1570においてもヨウ素の殺卵効果の増強が認められた. しかし, 陽イオン界面活性剤ではヨウ素の殺卵効果に及ぼす影響は認められなかった.
  • 外川 和彦, 桐沢 力雄, 小沼 操, 川上 善三
    1987 年40 巻12 号 p. 863-866
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛伝染性鼻気管炎 (IBR) ウイルス (ウシヘルペスウイルス1型) の血清学的診断法の1つとして, マウス赤血球を用いた赤血球凝集抑制 (HI) 試験について検討した. 赤血球提供マウスの系統の違いによるIBRウイルスの赤血球凝集価の差異は, ほとんど認められなかったが, C57BL/6マウスの赤血球で最も明瞭な凝集像が観察された. 血清は56℃ 30分間非働化後, 10%マウス赤血球浮遊液による吸収処理のみで非特異凝集を示さなかった. HI試験は, IBRウイルス感染牛の感染初期および回復期のいずれの時期でも中和試験よりも高い抗体価を示し, とくに感染初期の抗体検出には適した反応であった. 162例の野外の牛血清について試験したところ, HI価は中和抗体価と同等かやや高い価を示し, 両者間には高い相関 (r=0.778) がみられた. これらのことからマウス赤血球を用いたIBRウイルスのHI試験は, 迅速で実用的な本症の診断法であることが明らかとなった.
  • 三浦 道三郎, 小倉 喜八郎, 酒井 健夫, 五十嵐 幸男
    1987 年40 巻12 号 p. 867-870
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛における脂肪肝診断として肝生検術式の改良を試みた. その結果, 本法では1回の肝臓穿刺で長さ約5cm, 湿重量100~150mgの肝臓組織片が採取でき, 従来の方法に比べて採取量は2~2.5倍に増加した. しかも本法による肝臓穿刺部位は肉眼的に微かな痕跡を認めるだけであり, また組織学的には穿刺によって生じた組織欠損部に赤血球と炎症性細胞浸潤が認められたが, この変化は1肝小葉単位に限局し, 隣接組織にはなんら変化は認められなかった.
  • 村上 隆之, 萩尾 光美, 大和田 孝二
    1987 年40 巻12 号 p. 871-873
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1例の子ウシで冠状静脈洞 (CS) が左右の心房に流入する異常が認められた. CSの左端は長径1cmの卵円形の口で左心房に開口し, 右心房へのCS口は完全に閉鎖していた. 4本の右心静脈は冠状溝の背方で1本の共通幹に流入していた. その共通幹の後部はCSに連絡し, 前部は直径3mmの卵円形の口で右心房に開口していた.
feedback
Top