日本獣医師会雑誌
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40 巻, 5 号
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  • 坪倉 操
    1987 年 40 巻 5 号 p. 317-323
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 石川 高明, 一条 茂, 納 敏
    1987 年 40 巻 5 号 p. 324-328
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃変位牛の血液, 第一胃液および第四胃液の臨床生化学的変化を知るため, 左方変位と右方変位の各15例について, 開腹手術前および手術後7日目の所見について検査した.
    手術前において, 血液所見では血液の濃縮, 血清CI, KおよびCa濃度の低下がみられ, 第一胃液ではCl濃度の上昇とNa濃度の低下, 第四胃液では総VFA濃度の増加のうち, とくに酪酸濃度の増加が目立った。
    以上の諸変化は, 食欲不振と変位により貯留した第四胃液の逆流または吸収不良によったものと考察された。
    その他の変化では, 手術前における肝臓機能の低下が認められた.
  • 中尾 敏彦, 平野 一恵, 森本 龍之助, 杉山 定寛, 岡 千晶, 安田 牧人, 初谷 敦, 原 英文, 森好 政晴, 河田 啓一郎
    1987 年 40 巻 5 号 p. 329-335
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    GnRH・A (酢酸フェルチレリン) 投与により, 黄体化した卵胞嚢腫牛にPGFを投与する方法が, 治癒期間の短縮に効果があるかどうかを明らかにするために, 臨床上卵胞嚢腫と診断された75頭を無作為にA・B2群に区分し, A群の31頭にはGnRH・Aを100μg筋肉内注射 (筋注) 後, 10~14日目に黄体化の有無に関係なく全頭にPGFを25mg筋注し, B群の44頭に対してはGnRH・Aを100μg筋注後, 10~14日目に臨床上黄体化していると判定されたものは無処置のままとし, 黄体化していないものにはGnRH・Aを200μg追注した.卵胞嚢腫と黄体嚢腫の判別診断, 卵胞嚢腫の黄体化判定, PGF投与後の黄体退行の指標として脱脂乳中Progesterone (P) 値をEnzyme immunoassay (EIA) により測定した.
    臨床上卵胞嚢腫と診断された例の中で, 脱脂乳中P値により, 黄体嚢腫と判定されたものはA群31頭中5頭, B群44頭中6頭であった。このうち, 黄体嚢腫例は治療効果判定から除いた.また, 脱脂乳中P値から, GnRH・A投与後黄体化したと判定されたものは, A群で76.9%(20/26), B群で47.4%(18/38) であった.以後, これらの黄体化例のみについて発情誘起効果および受胎成績を検討した.
    卵胞嚢腫黄体化後, PGFを投与したA群の20頭では, 全頭 (100%) で6日以内に脱脂乳中P値が著しく減少し, 17頭では発情が確認された.3頭は発情の見逃し, または鈍性発情と考えられた.A群では治療開始後40日以内に95.0%6 (19/20) が授精 (AI) されたが, B群では100日以内にAIされたのは44.4%6 (8/18) にすぎなかった (P<0.05).また, 初回治療からAIまでの平均日数は, A群で19±9日と, B群の39±26日に比べ著しく短かった (P<0.05).初回治療後100日以内で受胎したものは, A群で60.0%6 (12/20), B群では40.0%(6/15) であり, 受胎までの平均日数はそれぞれ33±19日, 44±26日であった.また, 初回治療後さらに再治療を行った後に受胎した例を含めた100日以内の総受胎頭効の割合は, A群で65, 0%(13/20), B群で61.1%(11/18) であり, 受胎までの平均日数は, それぞれ34±8日, 49±24日であった.
    以上の結果より, あらかじめ卵胞嚢腫を正しく診断し, GnRH・A投与後の黄体化例にPGFを投与し, その後の発情を適切に発見すれば, 黄体化後無処置で放置した場合に比べ, 治癒期間が著しく短縮されることが確認された.
  • 山田 英一
    1987 年 40 巻 5 号 p. 337-343
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    小動物臨床における心疾患の1検査法として超音波検査法があり, その有用性については高く評価されているが, その用法についてはさまざまである.そこで, M・B両モードを同時に描出できる携帯型超音波診断装置 (日立EUB-200) を用い, その超音波映像出力の画像解像度を向上する目的で, 家庭用ビデオカセットレコーダ (VCR) をスーパーハイバンドに改造して使用した.これを用いて, イヌのフィラリア症, イヌの僧帽弁閉鎖不全症, ネコの心筋症, 心内膜炎をともなったイヌの心筋梗塞などの臨床例を対象に録画した.そして, 諸検査終了後にそれをスロー再生させて, 各症例ごとに詳細な検討を行った.その結果, フィラリア症においては少数寄生例で虫体寄生部位の診断精度が高まり, 僧帽弁閉鎖不全症では弁帆逸脱の診断に, また心筋症では心臓の形態観察などに有効であったが, 心内膜炎および心筋梗塞の例では特徴的な所見が得られなかった.
    以上の成績を総合して検討した結果, M・B両モードによって画像を同時に描出させ, それぞれのもつ長所を生かして解析すれば, 超音波による診断精度がより向上し, また, 携帯型超音波装置でも心疾患の診断に活用できることがわかった.
  • 中山 正成, 小笠原 成郎
    1987 年 40 巻 5 号 p. 344-349
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    消化器疾患の診断において, X線造影検査の有用性は既知の検査法である.われわれは, 胃においてX線造影検査を先に行い, その後に内視鏡検査を行う同日併用法を考案し, その有用性についてイヌを用いて検討した.すなわち, 実験的に胃に, (a) 隆起性病変群, (b) 陥没性病変群, (c) 炎症性病変群を作製し, これらに対するX線・内視鏡検査の診断能をみた結果, 50W/V%6硫酸バリウムとAmidotrizoicacid (ガストログラフィン) の比が1: 1の混合造影剤が最も適していることが確認された。同時に, X線と内視鏡検査の同日併用法の臨床応用への可能性が示唆された.
  • 2年目の成績
    深田 恒夫, 大西 堂文, 堀江 牧夫, 野田 周作, 荒川 皓, 栗本 浩, 是枝 哲也, 東田 和弘
    1987 年 40 巻 5 号 p. 350-352
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大阪地区において, 前年ivermectin投与によって犬糸状虫の心寄生予防を行った63頭の屋外飼育犬に対し, 本年はさらに同剤を6~9μg/kgの割合で, 1985年7月から12月まで毎年1回ずつ経口投与した.そして, 1986年5月または6月に供試犬の末梢血中のミクロフィラリアを検査したところ, 全例においてミクロフィラリアは陰性であり, 感染幼虫の成熟を完全に阻止することが証明できた
  • 湊谷 美登里, 丹治 知明, 神永 裕史, 樽 比奈子, 鈴木 裕淳, 吉田 仁夫, 野田 亮二
    1987 年 40 巻 5 号 p. 356-359
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Flubendazole 50%散による, 馬円虫の効果的な駆虫方法を107頭の成馬を用いて検討した.
    一投薬量は1頭当たり1回に209, 109または59の各1日2回または1日1回2日連用, あるいは1回1910日連用を各1クールとした7通りとして, 1年間に約3ヵ月ごとに4クールを, 虫卵の有無に関係なく厩舎の全頭に投与した.7通りの投薬法による駆虫効果に大差は認められなかった.最終投薬以後, 約1年間にわたってEPGを追跡した結果, 1年間4クールの投薬によって, およそ8ヵ月後まで, 馬円虫の寄生を抑制することができた.
    1回10gを1日2回投与した2頭の馬から, 15種の円虫が排泄された.同定の結果, これらはいずれもわが国に常在しているものであった.
    本実験の結果, 薬用量1回109の1日2回または1日1回2日連用で, 厩舎の全馬に対して円虫卵の有無にかかわらず1年間4クールの投薬を実施して, 全馬が虫卵陰性になれぼ, その後は3ヵ月ごとに虫卵陽性馬のみを駆虫することによって, 厩舎単位で円虫寄生を陰性に維持することができるものと思われた.
  • 丸山 成和, 丸山 典彦, 森田 迫夫
    1987 年 40 巻 5 号 p. 360-364
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    豚胎児腎 (ESK) 株化細胞で継代された豚パルボウイルスHT-株を初代豚腎細胞に低温継代して馴化し, 32℃での増殖がより高く, 他のウイルスの混入していない低温馴化株HT--SK-C株を樹立し前報で報告した.
    本株を5カ月齢豚に接種し, 安全性, 免疫原性および野外株 (90HS株) に対する感染防御1性を観察して, 以下の成績を得た.
    1) HT--SK-C株106.0TCID50/2mlを4頭の皮下に1回接種し, 1頭の同株非接種豚と同居飼育して7日間毎日観察し安全性を調べたところ, いずれの豚にも臨床所見の異常, ウイルス血症, ウイルス排出は認められなかった.
    2) 安全性を観察した5頭中2頭のHT--SK-C株接種豚と, その同株非接種同居豚1頭に, HT--SK-C株接種4週後に90HS株106.oTCID50/2mlを経口攻撃し, 4日間観察したところ, 接種豚で1頭に弱いウイルス血症が観察されたが, ウイルス排出, 白血球減少症はみとめられず, 臓器からウイルスは回収されなかった.
    いっぽう, 非接種同居豚では経口攻撃後, ウイルス血症, ウイルス排出, 白血球減少症がみとめられ, 各種臓器からウイルスが検出された.また, 赤血球凝集抑制 (HI) および中和抗体価も攻撃後1週目に急上昇した.
    3) HT--SK-C株106.0TCID50/2mlを皮下に1回接種後, 2~3週目のHI抗体価は160~640倍, 中和抗体価では64~256倍であった.12週後のHIおよび中和抗体価は, それぞれ80倍と16~64倍であった.
  • 伊藤 裕和, 内田 正起, 杉浦 均, 小木曽 修治, 山用 晃一綱
    1987 年 40 巻 5 号 p. 365-369
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    急性死した4頭の7ヵ月齢の肉豚のうち, 1頭について病性鑑定を実施した.おもな剖検所見は, 肝臓の被膜下に多発した気泡と, 割面のスポンジ状の空泡であった.病理組織学的検査では, 主要臓器のいたるところにグラム陽性大桿菌が確認された.細菌学的検査により, 主要臓器などから104~8個/gのClostridium novyi A型菌が分離された.
    本症の迅速診断法の試みとして, 主要臓器中の揮発性脂肪酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ, プロピオン酸を大のピークとし, 酢酸および酪酸が検出され, C.novyi感染症が推定された.また, 本症の凍結保存中の主要臓器や血液などから, 蛍光抗体法によりC.novyiの感染が確認された.
  • 後藤 公吉, 佐藤 博, 伊藤 敬二, 金子 正弘
    1987 年 40 巻 5 号 p. 370-372
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    迅速診断のための凍結切片作製法を検討した.試料を-25℃ にあらかじめ冷却したクリオスタットの凍結台に直接接触させて凍結し, 切片を凍結面のごく表層から薄切りすることにより, 人為的変化の少ない標本を作ることができた.筋肉では凍結面から0.5mm以内, 肝臓と腎臓では凍結面から2mm以内が薄切りに適する範囲であった.
  • 中元 緑, 梶山 松生
    1987 年 40 巻 5 号 p. 373-377
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    山口市内で飼育されているイヌの両眼から小線虫を検出し, 光顕および走査電子顕微鏡で観察を行い, 東洋眼虫 (Thelazia callipaeda) と同定した.
  • 1987 年 40 巻 5 号 p. 379-388
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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