1985年10月, 埼玉県内の一肉用アヒル飼育場で, 30日齢の400羽群に鼻汁, 流涙, 斜頸, 破行, 下痢等の症状を呈する疾病が発生し, 初発後4日間に40羽が死亡した.
5羽が検査され, 剖検により4羽の心外膜に線維素の付着, 2羽の肝臓に腫大と灰白斑, 3羽の脾臓に腫大と灰白点, 3羽の脳に水腫がみられた.病理組織学検査により, 心外膜炎が4羽, 実質臓器における偽好酸球を主とする細胞浸潤および髄膜脳炎が共通して認められた.
細菌検査では, 5羽の脳から
Pasteurella anatipestiferが分離されたほか, 1羽の肺, 肝臓, 腎臓, 脾臓からも同一菌が分離された.本菌は, PC, AB-PC, SM, TC, CP, CL, EMに高い感受性を示したが, PM-B, SMM, SDMには感受性を示さなかった.
分離菌をアヒルと鶏へ接種した結果, アヒルに高い感受性が認められ, 野外例に類似の症状と病変が再現された.
これらの諸成績から, 本症例は
P.anatipestifer感染症と診断された.
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