山形県下の一肉用牛農家において, 1982年4月~6月にかけ分娩時に発育不良, 起立不能, 哺乳不能等の臨床症状を主徴とする初生牛4例が発生した.
1例では剖検により, 肝実質の壊死巣, 胆管壁の肥厚が認められ, 気管支・細気管支内には膿塊が充満していた.また, 第一胃内容から肝蛭の虫体が, 胎糞中からは肝蛭虫卵が検出された.
病理組織学的には, 4例中3例に肝グリソン氏鞘における線維および胆管増生と好酸球浸潤が見られ, 1例ではさらに虫道性病変, 幼肝蛭, 虫卵結節が観察された.また, 肺では肺胞内における線維素, 好酸球, 大食細胞等の滲出性変化と間質の好酸球浸潤が認められた.
血液生化学検査では, 検索した子牛3例と全例の母牛および同居牛において慢性の活動性肝炎の所見が認められた.
寄生虫検査では, これら3例の子牛と全例の母牛, および同居繁殖牛で肝蛭の寒天ゲル内沈降反応または虫卵検査のいずれかが陽性であった.
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