日本獣医師会雑誌
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41 巻, 10 号
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  • 納 敏, 一条 茂, 山口 寿
    1988 年41 巻10 号 p. 695-701
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の産後起立不能症52例における血清と尿中ミオグロビン (Mb) 濃度の動態について検討した.供試牛のうち8例は死亡または廃用となり, 他は1~3日の治療で治癒した.また, 発症時に低Ca血症 (8mg/100ml以下) を示したものは77%6であった.
    発症時の血清Mb濃度は全例が320ng/ml以上の高値であり, 尿中Mb濃度も80.8%6の例が増加を示した。とくに血清Ca値が6mg/100ml以下の例のMb濃度は高値を示し, また治癒例と死廃例の比較では, 死廃例のMb濃度が高値であった.発症時の血清酵素活性値では, CPKは71.1%6, LDH5は57.7%6およびGOTでは5.8%の例が活性値の上昇を示したにとどまった.
    発病経過に伴う血清Mb濃度の変動では, 治癒例は発症後から起立時まで高値が持続し, 起立後は急速に減少して2~3日後に正常値となったが, 死廃例では高値が廃用時まで持続した.この結果, 起立不能に伴って発病の初期から骨格筋障害が発生し, とくに死廃例ではその障害が廃用時まで持続していることが明らかとなった。しかし, 尿中Mb濃度は明瞭な変動を示さなかった.また, 廃用例の病理学的検査では, いずれも著しい骨格筋変性が確認されたことから, 血清Mb濃度の測定によって乳牛の産後起立不能症における骨格筋障害の早期診断と的確な病状の把握が可能になったものと考えられた.
  • 納 敏, 一条 茂, 三宅 拓夫, 更科 孝夫
    1988 年41 巻10 号 p. 702-706
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    心筋型子牛白筋症と診断された6例 (アバディーンアンガス種5例, ヘレフォード種1例, 16~62日齢) の臨床および臨床病理学的所見について検討を行った.発生は3~5月の舎飼末期で, 2例は急死し, 他の4例も治療を行ったが1~5日の経過で死亡した.4例の臨床所見では心悼亢進や呼吸速迫およびチアノービが主要症状であり, 血清酵素活性値 (GOT, GPT, CPK, LDH) は軽度ないし著しい上昇, とくにLDHアイソザイムのうちLDH1の著しい上昇が特徴所見であった.血清トコフェロール値 (平均66.1±43.7μ9/100ml) とセレニウム値 (平均10.2±6.0 PPb) は著しい低値を示し, 臓器中のα-トコフェロールとセレニウム濃度においても顕著な低値が認められた.また, 給与飼料中のα-トコフェロールとセレニウム濃度も著しい低値であった.1例の心電図検査では洞性頻脈やSTの著しい上昇が認められた.
    6例の剖検所見では, いずれも左心室および中隔に灰白色あるいは帯黄白色の退色性変化, 組織学的検査では著しい心筋線維の変性が認められたが, 骨格筋の変性は5例が軽度で, 他の1例では認められなかった.
    以上の成績から, 心筋型子牛白筋症の原因もトコフェロールとセレニウムの欠乏によると判断された.
  • 山田 明夫, 宮原 和郎, 井上 千春, 亀谷 勉
    1988 年41 巻10 号 p. 709-713
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    著者らは先の報告で, 乳用経産牛の腎石の存在状況と組成を検索し, その96.4%の症例に腎石が存在し, 潜在性尿石症が高率に認められたことから, 牛尿石症に対する早期診断法の0確立の必要性を強く指摘した.今回は超音波検査による牛尿石症の早期診断の可能性を検討する目的で, 牛62例の腎臓78検体 (右腎62検体, 左腎16検体) での超音波映像所見と剖検所見との関連を検索した.
    超音波所見で78検体中52検体に腎石の存在が指摘され.腎石エコーの形状は, 3タイプに分類された.タイプI (5検体) は, 腎杯内に貝殻状の結石エコー (SE) とその後方にSEと同じ幅の音響陰影 (AS) が見られたもので, 剖検所見では全例とも腎杯を満たすように腎石が存在していた. タイプII (33検体) は, 5~10mmの斑状SEとその後方に明瞭な線状のASが観察されたもので, 剖検所見では全例とも腎杯内に10mm程度の腎石が単在または1.5mm程度の腎石が10数個集まって存在していた.タイプIII (14検体) は, 点状あるいは不明瞭なSEとその後方に細い線状のASが観察されたもので, 剖検所見では1検体を除いて, 米粒大の腎石が単在あるいは0.5mm程度の微細な腎石が集まって存在していた.超音波所見で腎石エコーの存在が指摘できなかった26検体中4検体は, 剖検所見で腎石が存在したが, 腎石の大きさはいずれも3.5mm以下であった.
    超音波縁による腎石の有無の的中率は93.6%で, 2~4mm程度の腎石が存在すれば, これを超音波所見で指摘できたことから, 超音波検査法は牛尿石症の早期診断法としてきわめて有用であると思われる.
  • 渡辺 一博, 長谷川 正一, 斎藤 文生, 奥山 卓男, 小野寺 正泰, 鶴田 実, 飯沼 潤一, 種市 淳, 武田 文雄, 新関 博夫, ...
    1988 年41 巻10 号 p. 714-719
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    山形県下の一肉用牛農家において, 1982年4月~6月にかけ分娩時に発育不良, 起立不能, 哺乳不能等の臨床症状を主徴とする初生牛4例が発生した.
    1例では剖検により, 肝実質の壊死巣, 胆管壁の肥厚が認められ, 気管支・細気管支内には膿塊が充満していた.また, 第一胃内容から肝蛭の虫体が, 胎糞中からは肝蛭虫卵が検出された.
    病理組織学的には, 4例中3例に肝グリソン氏鞘における線維および胆管増生と好酸球浸潤が見られ, 1例ではさらに虫道性病変, 幼肝蛭, 虫卵結節が観察された.また, 肺では肺胞内における線維素, 好酸球, 大食細胞等の滲出性変化と間質の好酸球浸潤が認められた.
    血液生化学検査では, 検索した子牛3例と全例の母牛および同居牛において慢性の活動性肝炎の所見が認められた.
    寄生虫検査では, これら3例の子牛と全例の母牛, および同居繁殖牛で肝蛭の寒天ゲル内沈降反応または虫卵検査のいずれかが陽性であった.
  • 斉藤 守弘, 鉢須 桂一, 板垣 博
    1988 年41 巻10 号 p. 720-722
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    S. miescherianaのスポロシストを102~5×105個の範囲で豚に投与し, 増体量への影響について実験した.
    1) 102および103個を投与した豚ではとくに変化は認められなかった.
    2) 104個を投与した豚では軽度の下痢, 食欲減退と若干の体重減少が見られた.
    3) 105個を投与した豚では下痢, 食欲減退, 呼吸・脈拍数の増加, 著しい体重の減少などが認められた.
    4) 5×105個を投与した豚は典型的な急性Sarcocystosisの症状を示し, 感染後15日目に死亡した.
    5) 以上により, S. miescherianaの豚体重への影響はスポロシスト105個以上投与で強いことが判明した.
  • 清宮 幸男, 伊藤 博, 及川 団, 小原 富男, 大池 裕治, 大島 寛一, 岡田 幸助
    1988 年41 巻10 号 p. 725-730
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    先天性異常を有する2農場2例の新生子牛を疫学, 病理学および血清学的に検査した. 両例は運動失調および盲目を示し, 剖検により小脳形成不全および視神経の容積の減少を認め, 1例は顕著な水頭症を伴っていた. 組織学的に, 小脳では顆粒細胞およびプルキンエ細胞の減数, 顆粒細胞の不規則な小島状集合, プルキンエ細胞の逸所性分布ならびに白質における空隙形成などがみられた. 網膜外顆粒層の秤状体および錐状体細胞ならびに視神経の神経線維の減数がそれぞれ認められた.初乳摂取後の両例の血清中に牛ウイルス性下痢・粘膜病 (BVD・MD) ウイルスに対する中和抗体が認められた. 疫学調査により, 1例の母牛は妊娠3-8ヵ月の間, 公共牧場に放牧されており, この期間に本ウイルスに感染したものと推察された. 他の1例の母牛は妊娠5ヵ月時に一過性の下痢を示し, その感染が疑われた. 得られた所見から, これらの2症例は胎内感染によるBVD・MDと診断された.
  • 桜井 健一, 松岡 俊和, 鴻巣 泰, 飯島 雄二, 成田 和枝, 沖 三雄, 新井 則雄, 漆畑 憲二, 梅沢 正親, 飯田 潔
    1988 年41 巻10 号 p. 731-734
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年4月24日, 埼玉県下のT牧場で9頭の乳用育成牛に呼吸器病の発生がみられ, そのうち13ヵ月齢の1頭が同日死亡した.
    死亡例の剖検所見は, 肺における黄色ゼリー状物・フィブリン様物の付着, 横隔膜および胸壁との癒着, 肝変化, 割面は暗赤色-黄赤褐色の大理石絞様が主であり, 病理組織所見では, 肺小葉の壊死, 間質結合組織の水腫, 細気管支腔内・肺胞内・肺胸膜下・小葉間結合組織に線維素, 漿液, 好中球, マクロファージ, 赤血球の浸潤等が認められた.
    細菌検査で, 死亡例の肺から純粋にPasteurella haemolyticaが分離され, それらは血清型1, 生物型Aに属し, AB-PC, PC, KM, TC等に高い感受性を示した. マイコプラズマとウイルスは, 分離されなかった. 死亡例と同居した牛の一部で分離菌と牛RSウイルスに対する抗体の有意上昇が認められた.
    以上の諸成績から, 本症例はP. haemolytica感染症と診断された.
  • 杉本 治義, 松田 錦弥, 井上 ますお, 斉田 清, 栗原 貯, 野村 靖夫
    1988 年41 巻10 号 p. 735-737
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    4歳と6歳の, ホルスタイン種の雌牛に悪性腎芽種の発生がみられた. 2例とも右側腎臓は腫瘍によって置換され, 1例では肺, 心膜, 胸膜に, 他の1例では肝臓, 大網に多数の転移巣を認めた.
    病理組織学的には2例とも類円形ないし紡錐形のヘマトキシリンに濃染する核をもつ腫瘍細胞が主体を占め, 細胞密度の高い部分と低い部分とが混在していた. 腎臓の腫瘍組織には, 管様構造や原始糸球体様構造が認められ, 他臓器の腫瘍性病巣においては管様構造と偽腺管様構造が少数認められた.
  • 小材 幸雄, 宮崎 美伯, 茂木 久佳, 糸井 浩, 小茂田 匡央, 木村 容子, 小泉 俊二
    1988 年41 巻10 号 p. 738-742
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肥育牛を飼養する-農家において, 1986年2月から4ヵ月間に発熱, 角膜の白濁, 鼻粘膜の糜爛, 起立不能などの症状を示し, 4頭が斃死あるいは廃用となった. これらのうち1頭を剖検したところ, リンパ節の腫脹, 腎臓の白点多発, 気管粘膜の充出血および気管支内の赤色泡沫液充満, 上部消化管粘膜の糜爛ないし潰瘍がみられた.組織学的には全身性の単核円形細胞の浸潤を伴う血管炎と脳脊髄の囲管性細胞浸潤が特徴的にみられた.
    Alcelaphine herpesvirus 1感染牛腎細胞を抗原として, 間接蛍光抗体法で1症例の抗体価を測定したところ, 512倍の抗体価を認めた.なお, これら発症牛は2頭の雄緬羊と同居する形で飼育されていた. これらの検査結果に基づき, 本症例は悪性カタール熱と診断された.
  • 前田 稔, 平野 孝一
    1988 年41 巻10 号 p. 747-755
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 田中 省吾
    1988 年41 巻10 号 p. 757-759
    発行日: 1988/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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