日本獣医師会雑誌
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41 巻, 2 号
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  • 今井 壮一
    1988 年 41 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 田中 樹竹, 中尾 敏彦, 河原 隆人, 森好 政晴, 河田 啓一郎
    1988 年 41 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の血漿および血清中progesterone (P) 濃度を簡易的に測定できるキット (Ovucheck Plasma/Serum P EIA Kit) の実用性について検討した.
    本キットによる血漿中P測定最少限度濃度は0.6ng/ml, 測定内および測定間変動係数は, それぞれ, 7.4-11.9%および17.8~25.2%であった. 測定所要時間は2時間である. 本キットと二抗体法EIAによる同一サンプルのP測定値の間には高い相関 (r=0.903, P<0.005, n=27) が認められた.
    本キットによりAI後22-24日目の血漿中Pを測定し, 早期妊娠診断を行ったところ, 非妊娠判定例で100%(14/14), 妊娠判定例では60.9%(25/41) の適中率が得られた. また, 血漿中P測定は無発情牛の卵巣疾患の鑑別にも有用であった.
    本キットによって臨床応用に適した信頼性の高い血漿中P濃度の測定が可能であると判断された.
  • 柴田 浩, 山中 秀法
    1988 年 41 巻 2 号 p. 88-92
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    イヌにおける四塩化炭素, ガラクトサミン, α-ナフチルイソチオシアン酸あるいはエチオニン投与後の血清中α-フェトプロテイン (α-fetoprotein, AFP), トランスアミナーゼ (GOT, GPT) およびビリルビンの動態を検討した結果, 次のような成績を得た.
    1) 肝臓毒投与後の血清中AFPは投与量に応じて増加したが, その増加の程度は四塩化炭素あるいはガラクトサミンでは大きく, α-ナフチルイソチオシアン酸あるいはエチオニンでは小さかった.
    2) 肝臓毒投与後の血清中トランスアミナーゼの増加の程度は四塩化炭素あるいはガラクトサミンでは大きく, α-ナフチルイソチオシアン酸あるいはエチオニンでは小さかったが, ビリルビンの増加の程度は各肝臓毒ともほぼ同様であった.
    3) 肝臓毒投与後の血清中AFPの上昇および回復は, トランスアミナーゼおよびビリルビンのそれに4~6日遅れて観察された.
    4) 肝臓毒投与後のイヌにおけるAFP産生の増加は肝細胞障害の程度と密接に関連し, またAFP産生機構は肝細胞障害後の修復過程において賦活化されると考えられた.
  • 野村 紘一, 船橋 斉, 島田 保昭
    1988 年 41 巻 2 号 p. 95-99
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    黄体期の各種の時期に属する臨床上健康と思われる雑種成犬49頭を用いて, 自然症例から分離培養した大腸菌液を子宮角内に接種することによって, 自然症例の特徴的所見の1つである子宮内膜の嚢胞状増殖を伴った犬子宮蓄膿症の作出を試みたところ, 次の結果を得た.
    1) いわゆる, 犬子宮蓄膿症は49例中46例 (93.9%) に認められた.
    2) これらの犬子宮蓄膿症は, 病理組織学的に子宮内膜の嚢胞状増殖を伴うものと, 非嚢胞状のものに大別できた.
    3) 嚢胞状増殖を伴うものは, 黄体期の前半のものに高率 (80~100%) に発生したが, 非嚢胞状のものは黄体期の後半のものに多かった.
    以上から, 犬子宮蓄膿症の嚢胞状増殖を示す型のものも自然の状態での黄体期であれば, 黄体ホルモンをとくに投与しなくても細菌を接種することで誘起できることが判明した. したがって, これらの結果は犬子宮蓄膿症の自然症例の発生においても, 黄体期における細菌感染などの要因が重要な役割を果たしている可能性を示唆しているものと思われる.
  • 中西 せつ子, 一条 茂, 納 敏, 後藤 仁
    1988 年 41 巻 2 号 p. 100-103
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ネコ汎白血球減少症ウイルス (FPLV) のイヌに対する病原性の有無を知る目的で, 3ヵ月齢の普通イヌ6頭を用いて人工感染試験を行った. ウイルス接種後の臨床観察では, 2頭に軽度な元気減退, 食欲不振, 発熱がみられ, うち1頭は一過性の嘔吐, 下痢を伴った.
    血清の抗体検査では, 接種3日目以降にイヌパルボウイルスとFPLVの両抗原に対するHI抗体価の上昇が認められた. 血液検査では, 白血球総数, リソパ球, 好中球の軽度な減少がみられた. 病理学的検索では変化は認められなかった.
    以上の所見から, FPLVはイヌに対し感染はするが, 病原性が弱いために発症にはいたらないものと判断された.
  • 清宮 幸男, 小原 富男, 田中 修一, 川向 信雄, 大島 寛一, 岡田 幸助
    1988 年 41 巻 2 号 p. 104-107
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年10月, 岩手県西根町のホルスタイン種の去勢牛を肥育する農場で, 大脳皮質壊死症が9ヵ月齢の子牛10頭中4頭に認められた. 臨床的に食欲廃絶, 起立不能, 眼球振盪, 両側性の視力障害および軽度の反弓強直などが見られた. 2例について行った剖検により, 後頭葉および頭頂葉の皮質領域に主座する層状あるいは巣状の黄白色病変が, 割面上, 多発性に認められた. 組織学的には, 大脳皮質領域における神経細胞周囲の水腫性拡張を伴う神経細胞の乏血性変化, 神経網の疎性化ならびに毛細血管内皮細胞の腫大および増数が観察された. 疫学調査により, 本症の要因として6ヵ月齢以前における濃厚飼料の多給による可能性が示唆された.
  • 東條 博之, 木下 茂人, 佐藤 良彦, 猿田 勝利, 太田 俊明, 高田 俊也
    1988 年 41 巻 2 号 p. 108-113
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    7頭の黒毛和種肥育牛に盲目, 流涙, 瞳孔散大, 浮腫, 下痢などを主徴とする疾病が発生した. 病理組織学的検査では, 網膜の穎粒細胞の減少, 視神経細胞の変性が見られた. 血液生化学検査では, 血清中レチノール濃度が19.7±5.71u/dl, 2頭の牛の肝臓中ビタミンAは2.6IU/g以下と低下していた. 給与飼料中にビタミンAは含まれず, β-カロチンの給与量は少なく, 1日1頭あたりの給与量は2.8~14.9mgであった. この飼料で飼養されていた13~30ヵ月齢の健康牛25頭の血清中レチノール濃度は月齢とともに下降し, 25ヵ月齢には40IU/dl以下となった. また, 血清中レチノール濃度が低いほど, 血清中の尿素窒素, A/G, Alb, β-カロチン, iPが低い傾向にあった.
  • 志賀 瓏郎, 石田 貢, 堀井 菜摘子
    1988 年 41 巻 2 号 p. 116-118
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    歩行異常, 不安動作などの神経系疾患症状を示した11週齢の日本短角種子牛1頭の血清および脳脊髄液のMg, Ca, 無機リン (ip), Na, KおよびC1濃度を調べた.
    血清のMgとCa濃度は, それぞれ, 0.34と7.0mg/100mlであって, 低Ca血症を伴った顕著な低Mg血症を示した. NaとK濃度は正常値をやや下まわったが, C1とip濃度は正常値であった.
    脳脊髄液 (Cerebrospinal fluid: CSF) のMg濃度 (2.1mg/100ml) は正常範囲 (2.1~2.4mg/100ml) 内にあり, 血清/CSF濃度比 (S/CSF) は0.16と正常範囲 (0.79~1.29) に比べ著しく低く, MgのCSF濃度は血清濃度 (低Mg血症) を反映しなかった. いっぽう, CSFのCa濃度 (4.1mg/100ml) は正常値 (5.1~6.3mg/100ml) よりかなり低かったが, S/CSFは1.7と正常範囲 (1.49~2.12) 内にあったことから, CaのCSF濃度は血清濃度を反映して低下したと考えられた. CSFのKとCl濃度は正常値を示し, NaとiP濃度は正常値よりやや高かったが, S/CSFはいずれも著変はみられなかった.
    本症は, 体重 (56kg), 低血清蛋白質 (5.7mg/100ml), 低血清NaとK濃度などから, 栄養欠陥性のMg欠乏と考えられ, 神経系疾患症状は低Mg血症とCSFのCa濃度の低下に由来するものと思われる.
  • 渡辺 大作, 河野 読, 酒井 淳一, 宇井 彰, 山口 純, 佐藤 淳一, 大場 正昭, 岡崎 光幸, 今野 宏美, 種市 淳
    1988 年 41 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1985年5月, 入牧後9日目よりホルスタイン種の放牧育成牛に, 下痢と血便を主徴とする症患が集団発生した. この間の発症頭数は8~13ヵ月齢未満の育成牛26頭中20頭 (77%), 13ヵ月齢以上の育成牛群24頭中1頭 (4%) であった.
    これらの牛について糞便検査を実施したところ, 検査した10頭全例からEimeria zuerniiのものと考えられるオーシストが検出され, 重症牛のOPGは3.8×104であった. 牛コロナウイルス, BVD・MDウイルス, サルモネラ菌などの関与はみられなかった. 以上のことより, 本症例はE. zuerniiを主体とする牛コクシジウム病と診断された.
    スルファモノメトキシンを主剤とした治療により, 軽症牛は1~3回, 重症牛は4~9回の投薬で治癒した.
    さらに, 治療後の増体量の推移を調査したところ, 重症牛群では約1ヵ月間ほとんど増体せず, 3ヵ月後でも発症牛の増体量は対照とした非発症より著しく低かった. この傾向は重症群でより明らかであった. しかし, 発症牛でも4ヵ月後からはよく増体し正常な発育を示すようになった.
  • 安田 準, 戸尾 棋明彦, 小椋 富繁子, 菊崎 友隆, 中野 正和, 北村 之利
    1988 年 41 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    常用薬用量の約7倍のゲンタマイシン (GM) を投与した犬の腎臓の病理組織学的変化を観察し, 血中および尿中の乳酸脱水素酵素 (LDH), アルカリフォスファターゼ (ALP), γ-グルタミルトランスペプチダーゼ (γ-GTP), ロイシンアミノペプチダーゼ (LAP), N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ (NAG) の各活性およびLDHアイソザイムを経時的に測定した.
    血清クレアチニンは投与後12日目, 血中尿素窒素 (BUN) は14日目に上昇したのに対し, 尿中LDH (LDH5), γ-GTP.NAGおよびALPは7日目まで漸増し, 以後急上昇した. 尿中LAPは12日目まで漸増後, 急上昇した. したがって, 非侵襲的なこれら尿中酵素活性の測定は従来から行われている血清クレアチニンやBUN測定よりも, 早期腎障害の客観的指標となることが示唆された.
  • 梁川 良, 大島 寛一, 本好 茂一, 井川 洋二, 品川 森一, 渡邊 昭三, 酒井 恒
    1988 年 41 巻 2 号 p. 128-132
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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