色素排泄機能検査 (BSP試験) を, 飼養試験に供用している分娩前後の乳牛26頭に実施し, 分娩後の疾病発生や繁殖成績との関連を検討した. BSP試験は, 分娩4週間前, 分娩日, 分娩後は1週あるいは2週の計3回実施した.
その結果, 血中停滞率および半減時間は, 分娩4週前や分娩日に比べ, 分娩後1週あるいは2週に延長する傾向にあった. いっぽう, 分娩後100日以内になんらかの疾病が発生した15頭では, 正常牛11頭に比べ分娩後のBSP排泄機能が低下し, また, 受胎までの種付回数が3回以上のものでは2回以下のものより低下する傾向にあった.
分娩後, 栄養充足率の最も低下する1週から2週にBSP試験を実施したところ, TDNやDCP充足率の低い乳牛ではBSP排泄機能が有意に低下した. また, BSP試験と分娩後1週あるいは2週での血液成分では, カルシウム, リン脂質, 総コレステロールと負の, 遊離脂肪酸と正の高い相関関係が得られた. そこで, 分娩後のBSP排泄機能と血中遊離脂肪酸を指標に, 乳牛を異常群と正常群に区分したところ, 異常群では栄養充足率が低く, 疾病の発生や繁殖成績の低下がうかがえた.
以上の結果から, 分娩後1週あるいは2週のBSP試-験は, その時点での乳牛の栄養状態を反映し, 分娩後の疾病発生や繁殖成績の予後診断に有用と思われた.
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