日本獣医師会雑誌
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41 巻, 6 号
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  • 沢田 拓士
    1988 年 41 巻 6 号 p. 383-393
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 敬, 草場 治雄, 五十嵐 幸男, 鈴木 達行, 河田 考司
    1988 年 41 巻 6 号 p. 394-397
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    分娩の2ヵ月前から2日前までの乳牛 (神奈川県下と福島県下のホルスタイン種) について, 胎児心電図を57頭, 過排卵牛と分割卵移植牛の双胎児心電図を10頭それぞれ記録した. その結果,
    1) 母体の第4腰椎と対側の腹壁下縁を上下軸とする双極誘導と, 第4腰椎下で膝関節をよぎる水平線との交点を左右軸として, 腹壁上から双極誘導するとき, 胎児心電図の記録率は77%と92%で, これより誘導点が遠ざかるにしたがい記録率は下がった.
    2) 得られたQRS波は前記誘導点で高い電位が示され, 最高は上下軸の誘導点で85μV, 左右軸の誘導点では94μVに達した.
    3) 双胎例についても単胎例の誘導点と同様に誘導記録した結果, 上下軸, 左右軸いずれかの誘導で, または双方の誘導で双胎児の心電図が記録された. しかしながら, 1例は上下軸の誘導点または左右軸からの記録もともに単胎心電図が記録され, 単胎児と診断したが後日双胎児が出生した
  • 竹村 直行, 山本 輝次, 渡辺 一夫, 湯本 進, 星 欽弥, 小山 秀一, 左向 敏紀, 内野 富弥, 本好 茂一
    1988 年 41 巻 6 号 p. 398-401
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    繁殖豚467頭からA-B誘導によって心電図を記録し, 各測定値の生理的範囲を算出した. これらの生理的範囲は, 従来の報告とは若干異なり, P波の持続時間およびQ波の電位に差異が認められた. Q波およびST部分の電位は個体差が大きく, CV (Co-efficient of variance) が高値を示した. また, QRS群の波形にさまざまな型が観察された. このうち, QRS棘波が0.5mV未満の低電位を示すものが33.4%と高頻度に出現した. この33.4%のうち, rs型が27.2%と主体であった. したがって, 本来はrS型を示すものが, 繁殖豚の厚い皮下脂肪のために体表で記録されたQRS群は低電位化したものと考えられた.
  • 中井 正博, 片江 宏巳, 河村 正, 大石 勇
    1988 年 41 巻 6 号 p. 402-407
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Ivermectin (IVM) をミクロフィラリア (MF) 寄生犬に投与した場合に, diethylcarbamazine (DEC) の副作用として知られているショック様反応の発生があるかを知る目的で, 同一実験犬に両薬剤を投与し副作用を比較検討した.実験には末梢血にMFが平均395 (113, 309)/20μl寄生する30頭を用いた. IVM実験は30頭に10μg/kgを1回経口投与し, 投与後7日間観察を行った. この間に臨床症状, 白血球数および血漿生化学的検査13項目に異常所見は認められず, また, MF数にも投薬後減少はみられなかった. DEC実験はIVM実験終了後に30頭にDEC-citrate 6mg/kgを1回経口投与し, 投薬後1日間臨床症状, その他, IVMと同様の項目について検討した. DEC投与後13時間に5頭 (16.7%) にショック様反応と判断される異常所見が認められた. これら症状発生犬では, 白血球数増加や強い肝機能障害を示すGOT, GPT, ALP値の著しい上昇が観察された. また, 症状発生をみなかった25頭にも白血球数, 血漿生化学的検査値に軽度ではあるが同様の異常所見が観察された.
  • 小茂田 匡央, 小材 幸雄, 糸井 浩, 野呂 明弘, 山田 勤, 木村 容子, 野口 求, 小泉 俊二
    1988 年 41 巻 6 号 p. 408-411
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年5月, 県内の一放牧場に入牧した254頭の乳用育成牛群に入牧後1週間ほどで元気消失, 発熱, 鼻汁漏出, 発咳等を主徴とする呼吸器病が発生した. 発症牛6頭の鼻腔ぬぐい液を検査したところ, 5例からMycoplasma (M) bovirhinisPasteurella (P) multocida, 3例からP. haemolyticaが分離され, 2例からParainfluenza virus type 3 (PI-3) が分離された. また, 発死例の肺と副鼻腔からP.haemolyticaM. bovirhinisが分離された.
    発症牛6頭のペア血清について抗体検査を実施したところ, M. bovirhinis, PI-3および牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルス (BVD・MDV) に対する抗体価の上昇が認められた.
    驚死した1頭を剖検したところ, 限局性の肺炎巣が認められ, 気管および気管支内には線維素を混じた泡沫液を入れ, 副鼻腔の粘膜は赤色で, 白色偽膜様物を付着し, 乳白色粘稠液を充満していた. 病理組織学的には, 肺のうっ血と水腫が著明で, 細気管支と副鼻腔の粘膜上皮内に好酸性の細胞質内封入体がみられた.
    以上の成績から, 本症例はPI-3感染にM. bovirhinis, P. haemolyticaおよびP. multocida感染が複合的に関与して発生したものと考えられた. BVD・MDVの本症への関与は明確ではなかった.
  • 木村 良男, 岸 善明, 中村 祥子, 吉成 博雄, 大根田 智, 平井 清司, 佐藤 満雄, 山中 晴通
    1988 年 41 巻 6 号 p. 412-415
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    フェンチオンを5%含有する殺虫剤を散布した牛房に, 生後25週齢のホルスタイン系子牛32頭を市場から導入したところ, 全例に食欲不振, 元気消失, 脱力感および下痢などの臨床症状が発現し, 14頭が死亡した. 発症牛の血清, 死亡牛の肝臓および牛房の敷藁からはフェンチオンが検出された. また, 発症牛の血清コリンエステラーゼ活性は健康牛のそれよりも有意に低値を示した. さらに, 発症牛のうち生存していたものを殺虫剤の散布していない牛房に移したところ, 23日ののちには大部分の牛の臨床症状が好転していることが確認され, その後, 同様な症例の発生は認められなかった.
    以上のことから, 本症例にはフェンチオンが強く関与していたと診断した.
  • 山中 盛正, 網本 勝彦, 平松 計久, 中井 正久, 佐々木 文存
    1988 年 41 巻 6 号 p. 416-420
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年から1987年の間に認められた, 各地の腎炎を呈する病鶏の腎より分離した鶏伝染性気管支炎 (IB) ウイルス7株の血清学的性状, および, SPFヒナに対する病原性について比較検討した.
    交差中和試験から, 各分離株は3つの血清タイプに分けられたが, いずれも既知株である, M-41, A-5968およびGray株とは異なる血清タイプと考えられた.
    発育鶏卵で24代継代した材料の初生ヒナ点眼・点鼻接種, あるいは45週齢ヒナ静脈内接種により, 分離株7株中6株は, 野外例と同様の腎病変の形成を認めたが, 株により, その発現率には差異が認められた.
    分離株の血清タイプ, および, 分離地域とヒナの腎に対する病原性との間には関連性が認められた.
  • 岡本 芳晴, 南 三郎, 松橋 晧
    1988 年 41 巻 6 号 p. 425-428
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬の股関節の脱臼骨折を伴う寛骨の多発骨折の外科的治療に際し, 右腸骨翼の整復には, U/Tコンプレッションプレートを用い, 寛骨臼の脱臼骨折の整復には改造したセルフコンプレッションプレート (以下, 改造プレート) を用いて整復した.
    改造プレートは各ホール間で3方向 (水平方向, 垂直方向, および捻転) に屈曲させることが可能であり, このことによって複雑な寛骨の曲面にプレートが密着し, 寛骨臼の解剖学的整復と強力な固定が可能となった. また, このプレートは45°の屈曲・捻転に対してもスクリューホール自体の変形は生じなかった. 術後5ヵ月で患肢の完全な機能回復が見られ, 改造プレートによる内部固定法の有効性を確認した.
  • 草地 恒太, 竹田 誠
    1988 年 41 巻 6 号 p. 429-432
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    151例の犬糸状虫大静脈塞栓症に, 頸静脈法による虫体摘出手術を行って治療したが, 39例が1年以内に心不全に関連して死亡した. そのうち, 手術中または術後に三尖弁領域の収縮期心雑音が聴取される状態で死亡した8例で剖検を行った結果, 6例に犬糸状虫の三尖弁腱索へのてん絡を認めた. さらに, てん絡状態を詳細に観察した3例では, いずれも角尖腱索を中心にてん絡が認められた. 遇然に生じたてん絡により三尖弁逸脱を生じ, そのために生じた異常血流は, 時日経過とともにてん絡をより強固にすると推測された. 寄生虫数が少ない場合でも, 糸状虫の腱索へのてん絡が生ずると, 顕著な三尖弁閉鎖不全を生じ, 予後不良となるものと推測された.
  • 松田 真紀代, 仲村 和典, 近藤 守人, 向井 寿輔, 梅下 泰三, 多田 憲市
    1988 年 41 巻 6 号 p. 433-435
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年8月, 10日齢のホルスタイン種の子牛が, 頚部および四肢を伸展, 強直して横臥し, 音に過敏に反応するなどの神経症状を呈した. 剖検所見では脳軟膜および頚部脊髄髄膜は著しく混濁, 肥厚し, 頚部硬膜下腔にはフィブリンの析出があり, 化膿性髄膜脳脊髄炎と診断され, 脳から純粋にEnterobacter cloacaeが分離された.
  • 印牧 信行, 大井 宗孝, 紫野 正雄, 福岡 秀雄, 小方 宗次, 松浦 健二
    1988 年 41 巻 6 号 p. 436-438
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ストール内に飼育されている46頭の母豚について, CPKを測定した. すなわち, まず無保定で尾静脈穿刺により採血し, 携帯用血漿分離器 (コンプールM1100) で血漿を得た. 次いで固相化学分析機器 (セラライザー) を用い血漿CPK値を測定した. また, 穿刺採血直前に注射器採血で得た血漿を対照採取血漿とし, セラライザーと同時にRaBA Superでも測定した. その結果, 対照血漿を用いたセラライザーとRaBA SUuperとのCPK値の相関は, r=0.969であった. セラライザーで測定した本手技による血漿と対照血漿とのCPK値の相関は, r=0.854であった. また, 本手技による測定値と対照血漿をRaBA Superで測定した値との相関は, r=0.806であった.
  • 横山 亮一, 北野 良夫, 稲葉 和典, 宇野 健治, 仲村 和典, 谷内 宗臣, 鴻巣 泰, 佐野 元彦, 石津 協蔵, 吉永 直哉, 恒 ...
    1988 年 41 巻 6 号 p. 443-451
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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