日本獣医師会雑誌
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41 巻, 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 影井 昇
    1988 年 41 巻 9 号 p. 621-629
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 鉾之原 節夫, 小野 哲士
    1988 年 41 巻 9 号 p. 630-634
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ピンクアイ (伝染性角結膜炎) の治療法として, 点眼法, 眼球結膜下注射法, 眼瞼結膜下注射法を比較試験した結果, 次のような成績を得た.
    1) 点眼法では最高20日間の治療を要し, 治療薬剤は3種類必要であった.
    2) 眼瞼および眼球結膜下注射法は, 軽~中症例では1回の注射で治癒した.
    3) 化膿性角膜炎, 角膜潰瘍, 眼瞼結膜潰瘍の存在する重症例においては, 隔日に3回の注射で治癒した.
    これらの結果から眼瞼 (球) 結膜下注射法は, ピンクアイの治療法として放牧牛に発生した場合や大発生の際, 省力的で優れた方法であることがわかった.
  • 田口 清, 石田 修, 有沢 幸二
    1988 年 41 巻 9 号 p. 635-639
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳用ホルスタイン子牛の第四胃捻転の7例を経験した.急性な経過で重度な全身症状を示し, 脱水, 沈欝, 腹囲の膨満およびピング音の聴取が共通の臨床症状であった.6例に低クロール血症が観察され, 4例では乳酸アシドーシスが推定された。これらは開腹手術により, いずれも第四胃の捻転であることが確認されたが, さらにその際, 第四胃の捻転の様式は単一でなく, 多様な捻転様式をとることが明らかになった.手術時の処置としては, 第四胃内容を排除後, 第四胃を整復するのみとし, 第四胃の固定術は実施しなかった.6例の子牛は回復したが, 1例は腹膜炎のため術後14日目に死亡した.
    術前, 術中, 術後にはリンゲル液と5%ブドウ糖液の混合液を用いた十分な輸液を行ったが, 治療前後の臨床および血液所見の改善状態から判断して, これが今回得られた良好な治療成績の重要な要因の一つとし考えられる.
  • 小山 弘之, 永井 由紀子, 八木 行雄, 小笠原 俊実, 宝達 勉, 斉藤 博
    1988 年 41 巻 9 号 p. 640-644
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Theileria sergenti (TS) 感染耐過牛の末梢血白血球をTS寄生率の高い牛に輸注し, TS寄生率に対する効果を検討した.供与牛は実験的にTS福島株を感染させ, 一度寄生率を上昇させた後に耐過状態となったものを用いた.受容牛にはTS寄生率の高い時期の個体を用いた.供与牛の血液1lを採取し, その白血球層のみを回収して3回遠沈洗浄後, 1回当たり109細胞以上を静脈内に移入した.耐過牛白血球を3日間隔で2回移入するとTS寄生率は急速に減少したが, 一時的で再び増加した.耐過牛白血球を5回移入すると, その移入効果は前老よりも長期間持続した.いっぽう, TS非感染牛の白血球移入ではTS寄生率の変化はなかった.なお, 耐過牛白血球と受容牛のTS寄生赤血球とを混合培養し, その培養上清を受容牛に8回移入したが効果はみられなかった.また, この供与牛と受容牛の前述の組み合わせで輸血を実施したところ, 一時的ではあるがTS寄生率は急速に減少した.これらの結果から, 耐過牛白血球にはTS寄生赤血球を減少させる作用のあることが示された.
  • 宇野 健治, 村上 賢司, 武居 和樹, 中西 幸司, 中川 享子
    1988 年 41 巻 9 号 p. 649-654
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    滋賀県内の一哺育成農家において, 昭和59年6月から61年5月の間に19例の牛のハイエナ病の発生がみられた.臨床的には, 約5カ月齢頃から後躯発育不全や背線の不整等が認められた.発症牛5例の剖検により, 長骨の短縮が観察され, 短縮した長骨割面では, 骨端軟骨板の部分的な不整, 消失がみられた.病理組織学的には, 骨端軟骨板における軟骨細胞の減数や骨梁の異常形成が認められた.発症牛14例および同居対照牛5例の血清学的検査により, 牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルス, 牛伝染性鼻気管炎ウイルス, パラインフルエンザ3型ウイルス, 牛アデノウイルス7型の感染と本病発生との間に明確な関係は認められなかった.生化学的検査により, 血清中鉄含量の高値, 骨中カルシウムの低値とリンの高値が認められた.
  • 相見 和宏, 本好 茂一, 池本 卯典
    1988 年 41 巻 9 号 p. 655-658
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Feijao chumbinhoの抽出液から抽出したFc凝集素によって凝集されるFc抗原の表現型の出現頻度は, 黒毛和種は41.75%, 褐毛和種は35.71%であった.なお, それぞれの遺伝子頻度は, 黒毛和種のFcは0.237, 褐毛和種のFcは0.198であった.
    遺伝学的調査においては, Fc型とFc型の組み合わせからは, Fc型とfc型が生まれ, fc型とfc型の組み合わせからは, fc型のみが生まれ, Fc型は生まれなかった.したがって, Fc遺伝子は優性遺伝形質と推定された.
  • 青木 忍, 石田 卓夫, 梅田 昌樹, 内野 富弥
    1988 年 41 巻 9 号 p. 659-662
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬にみられた結節性非化膿性脂肪織炎の1例である.
    本症例は, 9歳のマルチーズ種で皮膚の硬結, 肝脾腫, 破行, 発熱などの症状を呈したものである.その皮膚病変の組織所見は, 皮下脂肪組織の肉芽腫性炎症像であり, 脂肪組織はほとんど消失し密に炎症細胞で置換されていた.炎症細胞は組織球が主体で, 部位により形質細胞や好中球の集積像もみられすでに線維化しているところもみられた.
    また, 治療では皮膚の硬結を含めすべての症状が, プレドニゾロンの投与によく反応し軽快した.
  • 吉岡 ひとみ, 高谷 正治, 難波 範之
    1988 年 41 巻 9 号 p. 663-665
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年3月に福岡県の一酪農家で, 乳用牛の1頭が神経症状を主徴として発症した.抗生剤による治療を行ったが, 予後不良につき廃用した.血液学的および生化学的に細菌感染が示唆されたが著明なものではなかった.剖検により脳底部に鳩卵大の膿瘍形成が認められた.病理組織学的には下垂体は壊死し, 下垂体周囲には著しい好中球浸潤と菌塊が見られた.細菌学的には, Actinomyces pyogenes (A. pyogenes) が病変部より分離された.
    A. pyogenes感染の血清学的調査を同居牛について実施した結果, A. pyogenesプロテアーゼ抗体が19頭中17頭に認められた.
  • 森友 靖生, 芦沢 広三, 村上 隆之, 田中 穂積
    1988 年 41 巻 9 号 p. 666-668
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種の一子ウシに, ファロー四徴に右動脈管を合併した心奇形が認められた.この右動脈管は外径約6mmで, 左右の肺動脈が分岐する直前の肺動脈幹右壁より起始し, 大動脈弓右壁を蛇行しながら前走し, 左鎖骨下動脈を分岐する直前の総腕頭動脈右壁に開口していた.大動脈弓は正常どおり左第4大動脈弓より形成されていた.この異常は循環系形成初期に右側の第6大動脈弓の遠位部が残存して右動脈管となったものと考えられた.
  • 1988 年 41 巻 9 号 p. 673-681
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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